こんにちは。サイバーエージェント メディア統括本部、デザイナーの伊藤です。

メディア統括本部では、およそ100人近いクリエイターが在籍しています。個人の個性やスキル、アイデアを引き出し、横軸のクリエイターへ波及させる仕組みを強化しています。

その組織づくりの一環である「クリエイターハングアウト(Hangout)」は、スタートしてから3年になりました。
コンセプトは「きっかけが見つかる場所」。半期ごとにテーマを設け、テーマごとに数名でグループを組み、隔週で勉強会や活動をおこなっています。

クリエイターハングアウトに関して、詳細はクリエイターのコミュニティ作りに必要な5つのキーワードをご覧ください。

今回は、前期の活動内容を振り返り、クリエイターハングアウトの環境づくりをご紹介をしていきたいと思います。
※内容は2019年11月〜2020年3月に行われたものです。

 

現場の声をテーマにする

半期ごとのテーマは、現場社員のニーズから生まれます。
「〇〇が今仕事で必要だが、その知識がないのでハングアウトで学びたい!」
「今後のキャリアを考える上で、今のうちに〇〇に挑戦してみたい!」
といった、スキルアップしたいこと/興味のあること/課題感を汲み上げ、その中からテーマが決まります。

前期のハングアウトのテーマ

・ブランディング

・認知心理学
・モーションロゴ
・キャッチコピー
・インタラクション
・PV

グループをリードするMCたち

各テーマでグループをつくり、リードする役割であるMC(司会者)が全6回のカリキュラムを設定します。
グループのMCを務めるのはテーマの発案者です。前期は1〜3年目のMCが多くみられ、若手ながらに中堅やベテランも入り混じるグループをリードする役割を担いました。
MCは他のMCとも情報交換することで、グループ毎の知見を共有して有機的な組織学習を促進しています。

 

テーマごとの活動

テーマ1: ブランディング

「そもそもブランディングとか何なのか?」をリサーチやポジショニングを可視化しながら設計を学ぶグループです。

弊社には、立ち上げ期から成長、成熟期など、様々なフェーズの事業があります。それぞれの事業が各々の判断で戦略や手法をとっており、ナレッジが共有されていないという課題感がありました。

そこで、「まず何をするべきか?」に立ち返りブランディングについて議論することで、各々のサービスの状態を整理し、改めて言語化していきました。
通常業務からブランディングに注力している社員が主体となり、集まったメンバーが担当サービスに「ブランディングの土台づくり」を持ち帰れるように設計された全6回でした。
ブランディングのグループで学んだ内容は、実際に「WINTICKET」というサービスでリブランディングに活かされました。事例の詳細については今後ブログで紹介する予定です。

スケジュール

1日目:ブランディングてなんだと思う?
2日目:ビジョン・ミッションについて話そう
3日目:現状のブランドの印象を知ろう
4日目:ポジショニングと価値キーワード抽出をしよう
5日目:ターゲット整理
6日目:まとめ

 

テーマ2: 認知心理学

認知心理学の観点から、「使いにくい/使いやすい」デザインの理由を学んでいくグループです。

事業では、チームの中での共通認識が必要不可欠ですが、「なぜそのデザインなのか」に対して共通認識を得るのは特に難しく、デザイナーなら誰もが課題感を持っていると思います。
共通認識を得るためには、まず自分が使いにくい/使いやすいデザインの理解力を深める必要があり、それには情報処理の観点から生体の認知活動を研究する「認知心理学」という学問が応用できます。

題材として、有名ですがちょっと長くて難しい「誰のためのデザイン?」を輪読して意見交換し、知識を深めました。
UIデザインの言語化を強化したい人、制作の判断軸を増やしたい人が集まって輪読・意見交換することにより、難しい本でも理解度を深めることができた全6回でした。

スケジュール

1〜6日目:本を読む&意見交換

 

テーマ3: モーションロゴ

BI(ブランド・アイデンティティ)の観点で「モーションロゴ」を作っていくグループです。

事業拡大に伴い、アプリ内やプロモーションなど、様々な場所で動きを表現できるようになり、サービスに携わるデザイナーにも、よりサービスの認知を高めるためのモーションによる表現の幅が必要になってきました。

そこで、まずモーションロゴの概念を学んだ上で、ツールの使い方から制作のポイントまでを実践を通し学んでいきました。
「ABEMA」のAD室VXスタジオで、番組やCMなどの映像を制作している社員が講師となり、前半は、完成されているモーションロゴをトレースすることで基礎的な知識を習い、後半は各々のアイデアもとにモーションのラフ提案から制作まで行いました。

ワークや講評もあり、After Effects初心者でも業務に活かせるモーションロゴを作りきることができました。

スケジュール

1日目:座学/モーションロゴの概念説明とAEの使い方講座
2日目:座学/AEの使い方講座
3日目:座学/AD室VXの作品紹介から学ぶテクニック 制作/課題①を用意
4日目:座学/制作段階での質問講座とAD室VXの作品紹介から学ぶテクニック
5日目:制作/課題②を用意。(担当サービスのモーションロゴを作ろう)
6日目:制作
7日目:講評

 

テーマ4: キャッチコピー

コピー制作を体験するグループです。

サービスプロモーションや「ABEMA」のクリエイティブ制作の現場では、アートワーク力だけでなく、コピーとセットで考える、より効果的なクリエイティブを作る力も求められています。
そこで、コピーワークを基礎から学びたいというニーズから、このテーマが生まれました。

実際にコピーライトをお仕事にしている講師をお招きし、どんなことに気をつけながらコピーワークするべきかを最初の講義で学びつつ、集まったメンバーでお互いにコピーを出し、フィードバックし合う全6回でした。
活動の詳細についても今後ブログで紹介予定です。

スケジュール

1日目:講師による講義「コピーライターの仕事とは?案を出す時に気をつけているものとは?-超入門編-」
2日目:宿題発表お互いにFB
3日目:宿題発表お互いにFB
4日目:好きなコピー発表会
5日目:宿題発表お互いにFB
6日目:最終これまで作ったコピー振り返りと講師による講評

 

テーマ5: インタラクション

UIのインタラクションを作るグループです。

インパクトや遊び心のインタラクションではなく、「操作体験のなかに適切で心地よいインタラクションとはなにか」を掘り下げたいというニーズから生まれました。

UIの操作体験向上を目的としてクリエイターが集まり、アプリの触り心地を印象付ける「インタラクション」の研究をし、「良いインタラクション」とは何なのかをみんなで例を持ち寄り、深掘ります。そこから各々の担当サービスや新規でモックを作りました。
活動の詳細についても今後ブログで紹介予定です。

スケジュール

1日目:インタラクションって何だっけ?
2日目:良さげなインタラクション各自探して発表
3日目:なぜ良いのかを分析&言語化
4日目:ProtoPie講座
5日目:自分のサービスor新規で新しい動きを作って発表
6日目:ブラッシュアップして発表

 

テーマ6: PV

クリエイターハングアウトのプロモーションムービーを作るグループです。

立ち上げ期のサービス認知を高めるために映像を内製することも多くなっていく中で、ディレクションの手法や伝え方、共通言語を学ぶ場所がないという課題感がありました。
このグループは、私が企画するところから始まり、集まったメンバーで1つの映像の撮影をやりきるところまで挑戦しました。

スケジュール

1日目:意識合わせを兼ねてアイデア出し
2日目:アイデア出し→計画
3日目以降:撮影

完成したプロモーションムービーがこちら。

POV方式(登場人物の視線と、カメラの視線を一致させたカメラワーク)で、各ハングアウトの様子を撮影しました。
扉を開けるシーンをフックに、参加者の世界が拓けていくように、クリエイターハングアウトのコンセプトである「きっかけが見つかる場所」を表現しています。

PVのグループに参加したメンバーはほとんどが初心者だったということもあり、かなり試行錯誤を繰り返した結果、1つの映像を作りきることができました。
各ハングアウトの雰囲気や、ポジティブな印象が伝わったら嬉しいです。

Credit
Director: Tatsunori Inoue, Haruka Ito
Camera:Tatsunori Inoue, Haruka Ito, Aki Aoyama, Takumi Maru, Emina Takehara, Takuto Kubota
Editor: Kairi Sato
Effect Animation : Kairi Sato
Motion Logo:Koki Sakashita(モーションロゴのグループで制作
Music:Cecum
Design:Haruka Ito

 

最後に

クリエイターハングアウトでは、ジャンルや活動内容も様々ですが、それぞれが新しいチャレンジをして成長に繋げています。

新型コロナウイルスの影響で、まだオフィスに集まれるかは見えない状態ですが、今後はより各サービスに活かせるように、さらに実践的な内容のテーマで行われる予定です。

通常業務と並行しながら別軸で成長できる環境があることは、クリエイターにとってとても価値のあることだと思います。