先日、アドビが主催する「Adobe Creative Jam」というイベントに参加してきました。ヤフー株式会社と弊社から計32名のクリエイターとビジネス職が集まり、チーム戦のワークショップに燃えました。早速イベントの内容と振り返りをレポートしていきます。
Adobe Creative Jamとは?
2013年から始まり、既に世界90都市以上で開催されている話題のJammingイベント『Creative Jam(クリエイティヴ・ジャム)』。当日発表されるテーマに沿って“Jamming ( 即興パフォーマンス)” しながら、各チームの表現を競い合うクリエイターのためのクリエイティブセッション・イベントです。
今回日本では初となるエンタープライズ版「Adobe Creative Jam」を、ヤフーとサイバーエージェントの2社合同で開催しました。
私が参加した理由
Jamの参加者は、両社から有志で集まったデザイナー・ディレクター・エンジニアです。私が申し込みをしたきっかけは、最終アウトプットが私の専門領域であるスマートフォンUIという点と、日常のインプットを自由に発散できる面白い機会だと思い、参加しました。
ペアを組んで競い合う
今回のイベントは、ペアのチームで競い合います。私は弊社ディレクターの佐藤とペアになり、2人とも中途入社という共通点から「チューティー」というチーム名に決めました。
アドビから開会の挨拶があり、いよいよイベントが始まります。この日は以下のようなスケジュールで行われました。
・開会の挨拶 ・インスピレーションスピーチ アドビ本社 JayGanadenさん(45min) -昼休憩 - ・ワークショップテーマ発表&ワーク開始(180min) ・プレゼンテーション(5min/team) ・表彰 ・懇親会
この記事ではワークショップの内容を中心にレポートしていきます。
3時間以内に課題を解決!
発表されたテーマは、「スポーツの祭典があるときに、外国人観光客の課題を解決するアプリのモックアップ」です。課題出しからプレゼン準備まで3時間以内で完成させなければならないため、早々に作業に取り掛かりました。
課題出し
まずは「スポーツの祭典があるときに、外国人観光客がどんな課題を抱えそうか?」という点についてブレストしました。
私のチームでは、「日本の鉄道が複雑でわかりにくい」ことや、他国に比べて「Wi-Fiスポットが少ない」こと、「スポーツ観戦の合間の最適な暇つぶしがわからない」などの課題が上がりました。
根本が似たような課題同士をグルーピングし、大きく3つの課題に的を絞りました。そしてその中から、もっともオリンピックと関係性が深く、なおかつ短時間でアウトプットができそうという理由で「スポーツ観戦の空き時間も有意義に楽しみたい」という課題を選びました。
アイデア出し
解決する課題を決めた後は、アイデアブレストを行いました。アイデアは具体的なUIのイメージと一緒にポストイットに書き起こします。そして先ほど定義した課題を解決できそうかという視点と、新規性やインパクトがあるかという視点でアイデアを決定しました。選んだのは、「スポーツの祭典を楽しむ人々の熱を可視化するSNS」というアイデアです。
制作&仕様詰め&プレゼン構成
アイデアを決定したら、プロトタイプを制作していきます。今回はAdobeXDのUIKitを活用しました。私がプロトタイプを制作するのと並行して、同じチームの佐藤が仕様詰めやプレゼン構成を進めました。ヒリヒリしながら制限時間ぎりぎりまで手を動かしていました。
プロトタイプのプレゼン
制作したアプリプロトタイプについて、全てのチームがプレゼンテーションを行いました。短い時間ながら、ユニークなプレゼンの演出をしているチームもあり、それぞれのチームの個性が見えました。
私たちが作ったサービス「HEAT」
今回、私たちは「HEAT」というSNSアプリを制作しました。「HEAT」は直訳で「熱」であり、サービスにおいては4年に1回のスポーツの祭典に湧く「人々の熱」を表しています。そういった「熱」を手がかりに、スポーツ観戦をしに来た外国人観光客の「空き時間」の過ごし方をレコメンドするアプリです。
「HEAT」のストーリー
ターゲットの観光目的はスポーツ観戦がメインですが、当然観戦以外の時間も発生します。しかしそういった空き時間で手持ち無沙汰になり、スポーツの祭典と切り離されたような気持ちになってしまうという課題があるのではないかと考えました。
そこで「HEAT」を使えば、現在地付近で人がたくさん集まっているスポットや、人が注目・熱狂しているスポットを発見することが出来ます。スポットのレコメンド指標は、インスタグラムのスポット情報付き投稿の数と、そのスポットに居るとき「HEAT」から行える「チェックイン」の数です。
詳細ページでは、スポットに関連したインスタグラムの投稿やユーザーのコメントを閲覧することができます。
これによって、スポーツの祭典を楽しみに訪れた観光客は、スポーツ観戦以外の時間も人の「熱」が集まるスポットを見つけることができ、常にお祭り気分を味わい楽しむことができます。
新規性、クオリティ、問題解決の3軸で採点
採点は新規性・クオリティ・問題解決の軸でそれぞれ5段階評価で行われ、採点者はアドビ のJayGanadenさんとヤフー株式会社の長谷川さん、弊社クリエイティブ執行役員の佐藤が務めました。
みごと第1位に輝いたのは、弊社から参加したチーム「120%」による「Q-guide」でした!
「Q-guide」
「Q-guide」は、今いる場所から今すぐ現地ガイドを予約できるサービスです。
スポーツ観戦の隙間時間に観光したい外国人観光客が抱える「異国の地で言葉がわからない」課題や「どう観光したらいいのかわからない」などの課題を解決します。
続いて第2位は、ヤフーのチーム「TAPI」による「TAPI FAST MANAGEMENT」でした!
「TAPI FAST MANAGEMENT」
「TAPI FAST MANAGEMENT」は、スポーツ観戦の合間の時間に特化したレジャースポット検索サービスです。ユーザーが観戦予定の試合を設定すると、その試合開始までの空き時間に楽しむことが可能なレジャースポットを検索することができます。
そして第3位は、なんと私たちのチーム「チューティー」による「HEAT」でした!とても光栄な結果をいただくことができ、達成感に包まれました…!
受賞チームには、アドビからトロフィーや記念品が贈呈されました。
最後に
3時間という少ない時間でアウトプットを出さなければいけない状況は、終始ハラハラドキドキでした。しかし、そういった特異な状況がよりいっそう参加者の思考を研ぎ澄ませているように感じました。
また、チーム戦は短い時間でも多角的な視点で体験をデザインできる良さがあり、2人で協力してすべてのエネルギーをぶつけて創りあげることで達成感も増しました。
日々担当プロダクトの改善と向き合うなかで、このようなイベントは非日常的な創作体験を通し、いつもと異なる発見や刺激を感じられる貴重な機会でした。