6月15日(土)サイバーエージェントの女性エンジニア数人が発起人となり、女性エンジニアのためのテックカンファレンス 「Woman Tech Terrace」を開催しました。
当カンファレンス開催に至った背景には「女性エンジニア同士でもっと交流したい」という想いがありました。エンジニアは本来性差のない職業です。そのため”女性”エンジニアというふうに”女性”タグを付けること自体に、最初は迷いもありました。女性エンジニアは「エンジニア」だから。
けれど、エンジニアの世界において圧倒的に男性の方が多い現実があります。そのような環境下で女性がキャリアを築くうえで「同性の考えをもっと知りたい」「高め合える同性の仲間が欲しい」「出産後もエンジニアを続けている人の話が聞きたい」という声があることを知り、敢えて女性をターゲットにした「Woman Tech Terrace」を開催することにしました。(セッション内容は、男女問わずお楽しみ頂ける内容なので、男性参加もOKにしました。お越し頂いた男性の方、ありがとうございました!)
「Woman Tech Terrace」というイベント名には、カフェのテラスのように女性エンジニアがリラックスして集まれる場所にしたい、また女性エンジニアを照らすような存在にしたいという意味を込めました。
当日は約140人の方にお越しいただき無事に終えることができました。ここではイベントのハイライトをご紹介したいと思います。
基調講演には、日本アイ・ビー・エム株式会社のデベロッパーアドボケイトである戸倉彩さんより「IT業界で活躍する女性エンジニアのための未来ポートフォリオ」についてお話いただきました。
現在、子育てをしながらエンジニアとして活躍されている戸倉さんは、これまで複数の企業で経験を積まれています。その中では、マーケティングや営業などの非エンジニアの仕事も経験されており、そのうえで感じていることを語ってくれました。
エンジニア職を選んだ時点で、ずっと技術の勉強だけを続けなくてはいけない感覚になりがちですが、今のIT業界はさまざまなバックグラウンドがある人が求められ、エンジニアも色々な経験を持った人が有利な時代だと思います。実際、私にとってマーケティングや営業の経験が今のキャリアに活きています。
例えば、プロダクトマーケティングでは、製品がどう生まれ、それに対して誰がどんな想いで関わっていて、それがどう使われると健全で、世の中に出たことで何が起こるのか?といった全体的な部分を描くことを学びました。今、エンジニアとして活動するうえで、市場を読みながらマーケットに合ったものを提供していくスキルはマーケティングの経験が生きています。競合他社へのアンテナの張り方、ネットワーク、いろんな角度で物事を捉える力は営業自体に培ったスキルだと思います。非エンジニアのキャリアも、その後のエンジニアとしてのキャリアに繋げられれば、それはキャリアにとってプラスでしょう。
また、戸倉さんは「自分らしく生きているか?」を参加者が自身に問うことを促したうえで、ロールモデルを探すのではなく、なりたい自分の姿を妄想することの重要さについても語りました。
この先どうなりたいか?を考える時に、ロールモデルを探そうとするのではなく、なりたい自分の姿を妄想すべきです。ロールモデルというものは架空です。例えロールモデルを見つけたとしても、10年先はその人も時代も変化している。その時代に合った架空の人物を妄想した上で、今何をすべきかを考えることが、自分らしく生きていくうえでヒントになります。
戸倉さん自身のエピソードを多く交えたお話は、参加者から多くの反響がありました。
その他にも、大企業・スタートアップ・フリーランスで働くエンジニアの働き方の違いをテーマにしたトークセッションや、ハイテクノロジー・シティ中国・深センをエンジニア視点で紹介するセッション、子ども2人を育てながらフルタイムでエンジニアとして働くママのライフハックLTなど、さまざまな切り口のセッションをお届けしました。
懇親会はアフタヌーンティー・パーティーをコンセプトに、開催しました。サイバーエージェントの運営メンバーも、多くの女性エンジニアと交流ができて、非常に有意義な時間となりました。
今回は、お子さまがいらっしゃる方も参加がしやすいように、託児所を設置しました。「時々赤ちゃんの泣き声が聞こえるのも、微笑ましい光景ですね」と声を掛けていただき、スタッフ一同温かい気持ちに!
最後になりましたが、登壇者の皆さま・ご来場頂いた皆さま、ありがとうございました。またお目にかかれるのを楽しみにしています!
セッションの登壇資料はコチラのイベントページにまとめてアップしております。