Kotlin/Nativeとは?
Kotlin/NativeとはLLVMを使ってKotlinのプログラムをネイティブバイナリにコンパイルする技術です。
以下のように多くのプラットフォームへのコンパイルをサポートしています。
- iOS (arm32, arm64, simulator x86_64)
- macOS (x86_64)
- Android (arm32, arm64)
- Windows (mingw x86_64, x86)
- Linux (x86_64, arm32, MIPS, MIPS little endian, Raspberry Pi)
- WebAssembly (wasm32)
Kotlinで動く仕組み
結論からいうとKotlinがネイティブで動くのはRuntimeというものがあるからです。
Kotlin/NativeにおけるRuntimeとはKotlinをネイティブで動かす為に必要なもののことで、具体的には以下のものをさします。
- 標準ライブラリ
- メモリ管理(GC)
- プログラムランチャー
JVMでKotlinを動かしていた時にはJREが標準ライブラリの提供やメモリ管理をやってくれていました。
しかし、ネイティブでKotlinを動かす際にはJREなど存在しないため、標準ライブラリの提供やメモリ管理をやってくれるものが必要になります。それがRuntimeです。Runtimeが存在するおかげでKotlinはネイティブ上で動くことができます。
それではRuntimeについて解説します。
標準ライブラリ
標準ライブラリとはプリミティブ型やコレクションといったKotlinを使う上で必要な色々なものを提供してくれるライブラリです。
Kotlin/NativeではKotlin/Native用に標準ライブラリを一から実装しています。実装にはKotlinではなく、主にC++が使われています。
では標準ライブラリの実装について解説します。
標準ライブラリのコードを読んでみたところ、2パターンの実装方法があることがわかりました。
- Kotlinのみで実装
- Kotlin側では関数の定義のみを行い、実装はC++側で行う
1つ目のパターンはKotlinのみで標準ライブラリを実装する方法です。1つ目のパターンに関しては、普通のKotlinプログラムですのとくに解説はしません。
2つ目のパターンはKotlin側では関数の定義のみを行い、実装はC++側で行う方法です。print関数やString型のようにネイティブのIOやポインターを操作する必要のあるものは2つ目のパターンで実装されています。
2つ目のパターンについて実際のコードを出しながら詳しく解説します。
2つ目のパターンで実装されているものの例としてKotlinのPrint関数があります。
package kotlin.io
@SymbolName("Kotlin_io_Console_print")
external public fun print(message: String)
Print関数のKotlin側の実装見てみるとPrint関数の定義のみがあることがわかります。
ではPrint関数のC++側での実装はどこにあるのでしょうか?
ここでPrint関数のKotlin付けられているexternal
というあまり見かけない修飾子とSymbolName
という謎のアノテーションに注目します。
これがPrint関数のC++側での実装がどこにあるかを知る為の鍵になっています。
external
修飾子はKotlin/Nativeのコンパイラに対して関数の実体は外部のどこかにあるよと教えてあげる為のものです。
SymbolName
アノテーションは関数の実体のシンボル名をコンパイラに教えてあげる為のものです。
SymbolName
アノテーションの値が関数の実体のシンボル名を指していて、このシンボル名はC++における関数名に対応しています。
つまりC++におけるKotlin_io_Console_print
という関数がPrint関数のC++側の実装になります。
C++におけるPrint関数の実装はこんな感じになっています。
void Kotlin_io_Console_print(KString message) {
if (message->type_info() != theStringTypeInfo) {
ThrowClassCastException(message->obj(), theStringTypeInfo);
}
const KChar* utf16 = CharArrayAddressOfElementAt(message, 0);
KStdString utf8;
utf8::with_replacement::utf16to8(utf16, utf16 + message->count_, back_inserter(utf8));
konan::consoleWriteUtf8(utf8.c_str(), utf8.size());
}
2つ目のパターンでは、このようにKotlin側で定義したSymbolNameというアノテーションでC++の実装を指定することで実現されています。
メモリ管理
次にメモリ管理について解説します。
Kotlin/Nativeでのメモリ管理には基本的にGCが使われています。
メモリ管理には基本的にGCが使われています。
ただし、Cのライブラリを使う時はプログラマの責任でメモリの管理をします。そのため、メモリの解放を忘れるとメモリリークが発生します?
Kotlin/NativeではGCを自前で実装しています。これもC++で書かれています。コード上のコメントを読んだ感じBacon’s algorithmというGCアルゴリズムを使ってるようです。
GCの実装についての解説は、僕のC++力が足りずよくわからなかったので為割愛します。
プログラムランチャー
次にプログラムランチャーについて解説します。
プログラムランチャーとは名前の通り、Kotlinで書かれたプログラムを起動させるもののことです。プログラムランチャーではGCの初期化をしたのちKotlinで書かれたプログラムの起動を行う処理を行なっています。
Kotlinで書かれたプログラムの起動処理をいうと一見そんなに難しくなさそうに聞こえますが、ここに実行するプラットホームによってKotlinで書かれたプログラムの起動方法が異なるというマルチプラットフォーム特有のつらみがあります。
- Mac・Linux・Windowsの場合: プログラム実行したときにKotlinで書かれたプログラムが起動
- Androidの場合: プログラム実行したときにはKotlinで書かれたプログラムは起動せず、Kotlinで書かれたプログラムが起動するのはActivityが作られたとき
- WebAssemblyの場合: プログラム実行したときに直ぐにはKotlinで書かれたプログラムが起動せず、Kotlinで書かれたプログラムが起動するのはブラウザ上でJavaScriptからWebAssemblyが呼ばれたとき
このようにプラットホームによって異なるKotlinプログラムの起動方法をいい感じは吸収するためにプログラムランチャーは存在します。
では実際にどういう感じでKotlinのプログラムが起動されるのかを知るためにMac, Linux, Windows向けのプログラムランチャーの実装を見ていきましょう!
extern "C" RUNTIME_USED int Init_and_run_start(int argc, const char** argv, int memoryDeInit) {
Kotlin_initRuntimeIfNeeded();
KInt exitStatus = Konan_run_start(argc, argv);
if (memoryDeInit) Kotlin_deinitRuntimeIfNeeded();
return exitStatus;
}
extern "C" RUNTIME_USED int Konan_main(int argc, const char** argv) {
return Init_and_run_start(argc, argv, 1);
}
Konan_main
という関数がMac, Linux, Windows向けのプログラムランチャーのエントリーポイントになっています。
Konan_main
関数で行なっている処理はInit_and_run_start
関数を呼び出しているだけす。
Init_and_run_start
関数はプログラムランチャー本体を実装している関数で、各プラットホーム毎のプログラムランチャーによって呼び出されます。
今回解説しているMac, Linux, Windows向けのプログラムランチャーはMain関数から呼びだされますが、たとえばAndroidの場合、Activityが作られるタイミングで呼び出されます。
Init_and_run_start
関数ではまずKotlin_initRuntimeIfNeeded
という関数を呼び出してGCの初期化を行います。
その後Konan_run_start
という関数を呼び出します。この関数を呼び出すことによってKotlinで書かれたプログラムが呼び出されます。
その後Kotlinで書かれたプログラムの処理が終了したらKotlin_deinitRuntimeIfNeeded
という関数を呼び出しGCで確保されたメモリの解放を行います。
以上がプログラムランチャーの処理の流れになります。
RuntimeのおかげでKotlinがネイティブで動くようになりました。
しかし、Runtimeの提供する標準ライブラリには各プラットフォーム固有のAPIは含まれていないため、標準ライブラリだけだと実務的なプログラムは作れません。
そこでKotlin/Nativeでは「Platform Library」という各プラットフォーム固有のAPIにアクセスするためのライブラリを提供しています。
Platform Libraryでは以下のプラットホームをサポートしています
- iOS
- macOS
- Android
- Windows
- Linux
現状Platform LibraryではWebAssemblyはサポートしていません。
多くの場合プラットフォーム固有のAPIはC言語のヘッダファイルで提供されています。プラットフォーム固有のAPIをKotlinから使うためにはCとKotlinのブリッジしてあげる必要があります。
CとKotlinのブリッジをラットフォーム固有のすべてAPIに対して書くのはめちゃめちゃ大変なので、Platform LibraryではKotlin/Nativeが提供しているCInteropというツールを使ってCとKotlinのブリッジを自動生成しています。
C Interop
C InteropとはCとKotlinの相互運用を可能にするものです。Cのヘッダファイルを解析してCとKotlinのブリッジスタブを生成してくれます。
C Interopでは.def
という拡張子のファイルからCとKotlinのブリッジスタブを生成します。
.def
ファイルには生成するスタブのパッケージ名、ブリッジスタブに含めるヘッダファイル、ブリッジスタブ生成に使うコンパイラオプションなどを記述します。
以下の例はmacOsのposix api用の.def
ファイルです。
# https://github.com/JetBrains/kotlin-native/blob/master/platformLibs/src/platform/osx/posix.def
depends =
# 生成するスタブのパッケージ名
package = platform.posix /
# ブリッジスタブに含めるヘッダファイル
headers = alloca.h ar.h assert.h complex.h dirent.h dlfcn.h err.h errno.h fcntl.h \
fenv.h float.h fnmatch.h fts.h ftw.h getopt.h grp.h inttypes.h libgen.h limits.h \
locale.h math.h memory.h netdb.h paths.h poll.h \
pthread.h pwd.h regex.h resolv.h sched.h search.h semaphore.h setjmp.h sgtty.h signal.h \
stdatomic.h stdint.h stdio.h stdlib.h string.h strings.h syslog.h termios.h \
time.h ucontext.h unistd.h utime.h utmp.h wchar.h wctype.h xlocale.h \
net/ethernet.h net/if.h net/if_arp.h net/route.h \
netinet/icmp6.h netinet/if_ether.h netinet/in.h netinet/in_systm.h \
netinet/ip.h netinet/ip6.h netinet/ip_icmp.h netinet/tcp.h netinet/udp.h \
sys/acl.h sys/ioctl.h sys/ipc.h sys/mman.h sys/poll.h sys/ptrace.h \
sys/queue.h sys/select.h sys/shm.h sys/socket.h sys/stat.h \
sys/syslimits.h sys/time.h sys/times.h sys/utsname.h sys/wait.h
# ブリッジスタブ生成に使うコンパイラオプション
compilerOpts = -D_XOPEN_SOURCE -DSHARED_LIBBIND -D_DARWIN_NO_64_BIT_INODE
# -D_ANSI_SOURCE, sigh, breaks user_addr_t
excludedFunctions = KERNEL_AUDIT_TOKEN KERNEL_SECURITY_TOKEN add_profil \
addrsel_policy_init \
in6addr_linklocal_allv2routers \
pfctlinput regwnexec_l res_send_setqhook res_send_setrhook \
unwhiteout zopen profil openat acl_valid_link_np
linkerOpts = -ldl -lresolv
.def
ファイルを作成したらcinterop
というコマンドを実行してCとKotlinのブリッジスタブを作成します。
cinterop
コマンドを実行すると.klib
というファイルが作られます。この.klib
ファイルの中にブリッジスタブが入っています。
klib`ファイルの中に入っているブリッジスタブはこんな感じになっています。
@CCall("knifunptr_platform_posix2")
external fun printf(@CCall.CString arg0: String?, vararg variadicArguments: Any?): Int
fun putc(arg0: Int, arg1: CValuesRef<FILE>?): Int {
memScoped {
return kniBridge24(arg0, arg1?.getPointer(memScope).rawValue)
}
}
そしてコンパイル時にコンパイラオプション-library
に生成した.klib
ファイルを指定してやるあげるとKotlinからCの関数や変数が使えるようになります。
まとめ
Kotlin/Nativeがどのように動くのか解説してみました。
この記事を読んでKotlin/Nativeに興味を持って頂ければ幸いです。
Androidエンジニアの佐藤による「Kotlin型実践入門」のセッション解説もぜひあわせてご覧ください。
来年もKotlin Festを楽しみましょう! Have a Nice Kotlin!
8月24日(土)に開催された「Kotlin Fest 2019」において、サイバーエージェントはひよこスポンサーを務めました。
サイバーエージェントからは「タップル誕生」のAndroidエンジニア・佐藤(@stsn_jp )と「Amebaブログ」のサーバーサイドエンジニア・荻野(@youta1119 )の2名が登壇いたしました。
今日は、荻野(@youta1119 )が発表した「Kotlin / Nativeはなぜ動くのか?」のセッションについて、本人による解説をお届けします。
Kotlin/Nativeとは?
Kotlin/NativeとはLLVMを使ってKotlinのプログラムをネイティブバイナリにコンパイルする技術です。
以下のように多くのプラットフォームへのコンパイルをサポートしています。
Kotlinで動く仕組み
結論からいうとKotlinがネイティブで動くのはRuntimeというものがあるからです。
Kotlin/NativeにおけるRuntimeとはKotlinをネイティブで動かす為に必要なもののことで、具体的には以下のものをさします。
JVMでKotlinを動かしていた時にはJREが標準ライブラリの提供やメモリ管理をやってくれていました。
しかし、ネイティブでKotlinを動かす際にはJREなど存在しないため、標準ライブラリの提供やメモリ管理をやってくれるものが必要になります。それがRuntimeです。Runtimeが存在するおかげでKotlinはネイティブ上で動くことができます。
それではRuntimeについて解説します。
標準ライブラリ
標準ライブラリとはプリミティブ型やコレクションといったKotlinを使う上で必要な色々なものを提供してくれるライブラリです。
Kotlin/NativeではKotlin/Native用に標準ライブラリを一から実装しています。実装にはKotlinではなく、主にC++が使われています。
では標準ライブラリの実装について解説します。
標準ライブラリのコードを読んでみたところ、2パターンの実装方法があることがわかりました。
1つ目のパターンはKotlinのみで標準ライブラリを実装する方法です。1つ目のパターンに関しては、普通のKotlinプログラムですのとくに解説はしません。
2つ目のパターンはKotlin側では関数の定義のみを行い、実装はC++側で行う方法です。print関数やString型のようにネイティブのIOやポインターを操作する必要のあるものは2つ目のパターンで実装されています。
2つ目のパターンについて実際のコードを出しながら詳しく解説します。
2つ目のパターンで実装されているものの例としてKotlinのPrint関数があります。
Print関数のKotlin側の実装見てみるとPrint関数の定義のみがあることがわかります。
ではPrint関数のC++側での実装はどこにあるのでしょうか?
ここでPrint関数のKotlin付けられている
external
というあまり見かけない修飾子とSymbolName
という謎のアノテーションに注目します。これがPrint関数のC++側での実装がどこにあるかを知る為の鍵になっています。
external
修飾子はKotlin/Nativeのコンパイラに対して関数の実体は外部のどこかにあるよと教えてあげる為のものです。SymbolName
アノテーションは関数の実体のシンボル名をコンパイラに教えてあげる為のものです。SymbolName
アノテーションの値が関数の実体のシンボル名を指していて、このシンボル名はC++における関数名に対応しています。つまりC++における
Kotlin_io_Console_print
という関数がPrint関数のC++側の実装になります。C++におけるPrint関数の実装はこんな感じになっています。
2つ目のパターンでは、このようにKotlin側で定義したSymbolNameというアノテーションでC++の実装を指定することで実現されています。
メモリ管理
次にメモリ管理について解説します。
Kotlin/Nativeでのメモリ管理には基本的にGCが使われています。
メモリ管理には基本的にGCが使われています。
ただし、Cのライブラリを使う時はプログラマの責任でメモリの管理をします。そのため、メモリの解放を忘れるとメモリリークが発生します?
Kotlin/NativeではGCを自前で実装しています。これもC++で書かれています。コード上のコメントを読んだ感じBacon’s algorithmというGCアルゴリズムを使ってるようです。
GCの実装についての解説は、僕のC++力が足りずよくわからなかったので為割愛します。
プログラムランチャー
次にプログラムランチャーについて解説します。
プログラムランチャーとは名前の通り、Kotlinで書かれたプログラムを起動させるもののことです。プログラムランチャーではGCの初期化をしたのちKotlinで書かれたプログラムの起動を行う処理を行なっています。
Kotlinで書かれたプログラムの起動処理をいうと一見そんなに難しくなさそうに聞こえますが、ここに実行するプラットホームによってKotlinで書かれたプログラムの起動方法が異なるというマルチプラットフォーム特有のつらみがあります。
このようにプラットホームによって異なるKotlinプログラムの起動方法をいい感じは吸収するためにプログラムランチャーは存在します。
では実際にどういう感じでKotlinのプログラムが起動されるのかを知るためにMac, Linux, Windows向けのプログラムランチャーの実装を見ていきましょう!
Konan_main
という関数がMac, Linux, Windows向けのプログラムランチャーのエントリーポイントになっています。Konan_main
関数で行なっている処理はInit_and_run_start
関数を呼び出しているだけす。Init_and_run_start
関数はプログラムランチャー本体を実装している関数で、各プラットホーム毎のプログラムランチャーによって呼び出されます。今回解説しているMac, Linux, Windows向けのプログラムランチャーはMain関数から呼びだされますが、たとえばAndroidの場合、Activityが作られるタイミングで呼び出されます。
Init_and_run_start
関数ではまずKotlin_initRuntimeIfNeeded
という関数を呼び出してGCの初期化を行います。その後
Konan_run_start
という関数を呼び出します。この関数を呼び出すことによってKotlinで書かれたプログラムが呼び出されます。その後Kotlinで書かれたプログラムの処理が終了したら
Kotlin_deinitRuntimeIfNeeded
という関数を呼び出しGCで確保されたメモリの解放を行います。以上がプログラムランチャーの処理の流れになります。
Platform Library
RuntimeのおかげでKotlinがネイティブで動くようになりました。
しかし、Runtimeの提供する標準ライブラリには各プラットフォーム固有のAPIは含まれていないため、標準ライブラリだけだと実務的なプログラムは作れません。
そこでKotlin/Nativeでは「Platform Library」という各プラットフォーム固有のAPIにアクセスするためのライブラリを提供しています。
Platform Libraryでは以下のプラットホームをサポートしています
現状Platform LibraryではWebAssemblyはサポートしていません。
多くの場合プラットフォーム固有のAPIはC言語のヘッダファイルで提供されています。プラットフォーム固有のAPIをKotlinから使うためにはCとKotlinのブリッジしてあげる必要があります。
CとKotlinのブリッジをラットフォーム固有のすべてAPIに対して書くのはめちゃめちゃ大変なので、Platform LibraryではKotlin/Nativeが提供しているCInteropというツールを使ってCとKotlinのブリッジを自動生成しています。
C Interop
C InteropとはCとKotlinの相互運用を可能にするものです。Cのヘッダファイルを解析してCとKotlinのブリッジスタブを生成してくれます。
C Interopでは
.def
という拡張子のファイルからCとKotlinのブリッジスタブを生成します。.def
ファイルには生成するスタブのパッケージ名、ブリッジスタブに含めるヘッダファイル、ブリッジスタブ生成に使うコンパイラオプションなどを記述します。以下の例はmacOsのposix api用の
.def
ファイルです。.def
ファイルを作成したらcinterop
というコマンドを実行してCとKotlinのブリッジスタブを作成します。cinterop
コマンドを実行すると.klib
というファイルが作られます。この.klib
ファイルの中にブリッジスタブが入っています。klib`ファイルの中に入っているブリッジスタブはこんな感じになっています。
そしてコンパイル時にコンパイラオプション
-library
に生成した.klib
ファイルを指定してやるあげるとKotlinからCの関数や変数が使えるようになります。まとめ
Kotlin/Nativeがどのように動くのか解説してみました。
この記事を読んでKotlin/Nativeに興味を持って頂ければ幸いです。
Androidエンジニアの佐藤による「Kotlin型実践入門」のセッション解説もぜひあわせてご覧ください。
来年もKotlin Festを楽しみましょう! Have a Nice Kotlin!
最後に
サイバーエージェントでは、学生インターンを受付しています。
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