3/24(木)にサイバーエージェントのエンジニア・クリエイターによる技術カンファレンス「CyberAgent Developer Conference 2022」を開催し、 AI、インフラ、バックエンド、ネイティブ、フロント、セキュリティ、クリエイティブ、3DCGなど様々な技術領域における知見や事例を紹介します。

この記事ではML/DSセッションの見どころについてご紹介します。

 

AI Labの進めるクリエイティブ自動生成の研究

AI技術の研究開発組織「AI Lab」研究員の山口です。「AI Lab」では「広告クリエイティブの制作支援と自動生成」というテーマで研究開発に取り組んでいます。

近年オンライン広告市場の拡大に伴い、バナー画像や動画などの広告クリエイティブが短命化し、効果継続のための制作コストの増大が課題として挙げられます。このような背景をうけ「AI Lab」では広告テキストの自動生成、レイアウト自動最適化、クリエイティブの効果予測、Computer Graphics関連の研究に取り組み、2020年以降、ビジネスインパクトのある広告プロダクト「極シリーズ」を世に送り出してきました。

(サイバーエージェント 新規投資家向け資料より引用)

 

本セッションでは、クリエイティブ研究チームが取り組む、ベクターグラフィック形式のドキュメントの自動生成する手法、画像に描画済みのテキストを再編集可能にする手法、最適化による制約を満たしたレイアウトを生成する手法など、難関国際会議に採択された最新のクリエイティブ生成に関する研究成果を紹介しつつ、技術を用いた新しいクリエイティブ制作のワークフローについてお話しします。

 

(スライドの一部を先行公開)

 

※コンピュータビジョン分野のトップカンファレンス「ICCV」にて採択された論文
「CanvasVAE: Learning to Generate Vector Graphic Documents」
「De-rendering Stylized Texts」

 

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行政DXにおける経済学の活用-待機児童問題におけるマーケットデザインの導入

内閣府出身で、現在はAI技術の研究開発組織「AI Lab」の経済学社会実装チームにおいて経済学を用いた社会実装プロジェクトを実施している森脇です。

「AI Lab」経済学社会実装チームは経済学やデータサイエンスの知見を用いてビジネスや社会課題を解決することをミッションとしています。昨年、「AI Lab」は官公庁・自治体のDXをマーケットデザインで推進することを目的に、UTMD(東京マーケットデザインセンター)と共に、社会実装に向けた共同研究を開始しました。本セッションではUTMDとの共同研究の1つとして取り組んでいる「保育所マッチングプロジェクト」についてご紹介したいと思います。

マーケットデザインにおける、資源の効率的な配分や公平性の担保といった目的に応じた市場のルールやアルゴリズムに関する知見を用いて待機児童問題の解決に取り組んだ経緯やそれによって得た知見についてお話しします。
また、後半では、待機児童問題に限らないマーケットデザインの応用分野について東京大学マーケットデザインセンターの小田原氏に解説してもらいます。

 

(スライドの一部を先行公開)

 

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自然言語処理を用いた効果的な広告テキストの自動生成

AI技術の研究開発組織「AI Lab」で、広告テキストの自動生成や広告効果の予測など、自然言語処理技術の広告分野適用についての研究開発に従事している張です。

インターネット広告は年々増加の一途をたどっており、その激しい新陳代謝から人手による制作は限界を迎えています。さらに、近年の人工知能技術の成功から、広告クリエイティブ、特に自然言語処理技術を使った広告テキストの自動生成には大きな期待が寄せられています。

このような課題から、「AI Lab」では自然言語処理技術の専門家である東京工業大学の奥村学教授・高村大也教授・上垣外英剛助教と産学連携を行い、自然言語処理技術や機械学習技術を用いた「広告テキストの自動生成」に関する研究を進めてまいりました。

この発表では、自然言語処理分野のトップカンファレンス NAACL や EMNLP などにも採択され、AI Lab と極プロダクトを中心に研究開発してきた、自然言語生成技術を用いた広告効果を考慮した広告テキストの自動生成手法と、その周辺の取り組みについてご紹介します。

 

(スライドの一部を先行公開)

 

※ 自然言語分野のトップカンファレンス「NAACL-HLT」と「EMNLP」に採択された際のプレスリリース
AI Lab、自然言語処理分野のトップカンファレンス「NAACL-HLT 2021」にて共著論文採択 ー 広告効果を考慮した広告文生成手法を提案 ー
自然言語処理分野のトップカンファレンス「EMNLP 2021」の System Demonstration Track にて論文採択 ー モバイル端末用の効率的なアノテーションツールを提案 ー

 

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表現と話者を操る音声合成に向けた研究開発

AI技術の研究開発組織「AI Lab」で音声合成・声質変換・音声認識に関する研究開発を中心にしつつ、対話研究や応用領域の拡大に取り組む吉本です。

現在、音声業界の盛り上がりやバーチャルキャラクターの盛り上がりにも伴い、音声合成に関する新サービスや新キャラクターが毎日のように登場していますが、デジタルツインレーベルでも著名人の公式3DCGモデルや音声モデルを活用し、これまでになかったスタイルのコンテンツの展開を進めています。

さらに、昨年10月に新設された完全自動対話研究センターでは、AIコールセンターや各種接客、小売など、音声対話に関する幅広い分野を視野に入れて活動しています。本セッションでは、そういった分野に向けた研究の中でも音声合成の詳細に焦点を絞ってご紹介します。

最近の音声合成モデルは大規模な学習データを用意すれば人間と遜色ない品質に近づくことができますが、様々な人の声を長時間、それも高品質なものを用意するのは大変です。また、長時間用意しただけでは狙い通りに制御できないケースも実はまだあるほか、少し違った表現をしようと思うとそのような音声を都度収録しなければならない場合が多くあります。

今回はこれまで取り組んできた様々な研究の中から、こうした困難を軽減する手法の一部をご紹介します。特に、少量のデータからでも制御性の高い音声合成を実現した研究に関して詳しくお話するほか、社内の巨大な広告音声を活用することで広告話者埋め込みを作り、広告で使われるような様々な声を生成した結果についてもご報告いたします。

 

(スライドの一部を先行公開)

 

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URL:https://cadc.cyberagent.co.jp/2022/program/research-and-development-toward-speech-synthesis/

 

マッチングアプリにおける出会いを分析する

メディアサービスのデータを活用した機能の開発や運用に従事している數見です。現在は、マッチングアプリ「タップル」の推薦の開発・運用を担当しています。

マッチングアプリ「タップル」では、好きなことから恋の相手を見つけることのできるプラットフォームを目指しており、恋人を作るきっかけを様々な機能を通じて提供しています。本セッションでは、恋人を見つけるきっかけの一つである「あなたと相性の良さそうな相手」を薦めるレコメンド機能に焦点を当ててご紹介します。

レコメンド機能改善のための分析事例として、「タップル」を利用しているユーザーがどのような基準で恋の相手を探しているかを明らかにするほか、特に高次元なデータをうまく扱うための手法である、double-selectionを用いた推定結果についてもご紹介します。さらに、ユーザー同士のマッチングをより成功させるために開発した、協調フィルタリングをベースとした互いの嗜好を反映した推薦アルゴリズムとその課題について、お伝えしたいと思います。

 

(スライドの一部を先行公開)

 

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URL:https://cadc.cyberagent.co.jp/2022/program/analysis-of-encounters-in-dating-apps/

 

■CyberAgent Developer Conference 2022について

日時:3月24日(木)
会場:YouTubeLiveで配信
公式サイト:https://cadc.cyberagent.co.jp/2022/
SNS:https://twitter.com/ca_developers