3/24(木)にサイバーエージェントのエンジニア・クリエイターによる技術カンファレンス「CyberAgent Developer Conference 2022」を開催し、 AI、インフラ、バックエンド、ネイティブ、フロント、セキュリティ、クリエイティブ、3DCGなど様々な技術領域における知見や事例を紹介します。

この記事では、大規模サービスを支えるバックエンドエンジニアによるセッションの見どころについてご紹介します。

 

事業と歩むAmebaシステム刷新の道

「Ameba」で技術責任者を務める岩永です。「Ameba」は、ブログを中心としたメディアプラットフォームで生誕17周年を迎えます。歴史の長さゆえ、プロダクトにおいても古い機能やシステムが多く残っており、大きな負債も抱えていました。市場の変化、サービスや組織の変化にあわせて、市場が求めるスピードで、素早く開発できる組織へシステム刷新を行うべく、我々はそのシステムをオンプレミスからAWSへシステム刷新移行を実施しています。ただ、事業の継続とともにシステムは肥大化しており、クラウドのアカウント数200+、VM数6000+、リポジトリ数800+ という状況下において、システム刷新は決して容易ではありません。

 

本セッションでは、これらの老朽化した大規模システムをいかなる方針で刷新しているかについてお話します。前半では、AWSへの全移行全移行という巨大な投資に対して、どんな観点でコスト試算を行ったのか、事業にどのような影響を与えられるかの指針と整理の進め方や、技術課題の事業戦略化、刷新キャッシュを稼ぐためのシステムコスト適正化プロジェクト、脱オンプレに向けた移行検討など、構想からシステム刷新プロジェクトが本格始動するまでの約1年の間でぶつかった沢山の壁について、ありのままご紹介したいと思います。

 

後半では、共通基盤であるAmebaPlatformの立ち上げから実働までの変遷とシステム移設のために実装したAmebaPlatform上のコンポネントの紹介をしていきます。「Ameba」が抱える課題設計、事業戦略への転換、どのような技術選定で解決を試みているか。また現在の進捗や得られている効果についても振り返りたいと思います。本セッションを通じて、これからシステム刷新に向き合う方へのヒントになればと思っていますので、多くの方のご参加をお待ちしています。

 

(スライドの一部を先行公開)

「事業と歩むAmebaシステム刷新の道」の視聴予約はコチラから
URL:https://cadc.cyberagent.co.jp/2022/program/the-road-to-ameba-system-renovation/

 

サイバーエージェントのフィーチャーフラグを活用した高速開発

Developer Productivity室で、フィーチャーフラグ&ABテスト基盤の開発に従事する小塚です。

現在、フィーチャーフラグはDevOpsの文脈で当たり前の開発手法として認識されており、世界的なテック企業はもちろん、国内でも自社のプロダクト開発に導入するケースが増えています。フィーチャーフラグを使用することにより、トランクベース開発が可能になりダークランチやベータリリースが可能になります。これにより、短いサイクルでの機能開発やA/Bテストによる効果測定を実現し、ユーザーへの価値提供をより高めていくことができます。

 

本セッションでは新しい未来のテレビ「ABEMA」や競輪・オートレースの投票サービス「Winticket」などのプロダクトで、どのようにフィーチャーフラグを活用しているのか、具体例を交えて紹介します。また社内基盤である、フィーチャーフラグ&ABテストシステム「Bucketeer」や、OSSとして公開しているフィーチャーフラグを管理するクライアントライブラリ「Flagfit」についてもお話いたします。

 

「ABEMA」でも活用している、フィーチャーフラグを管理するクライアントライブラリ「Flagfit」はOSSとしても公開しています。
https://github.com/abema/flagfit

 

(スライドの一部を先行公開)

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URL:https://cadc.cyberagent.co.jp/2022/program/feature-flags-case-studies/

 

A consistent delivery process with GitOps style for any application on any platform

Developer Productivity室で「PipeCD」の開発・リードをしている、Le Van Nghiaです。「PipeCD」とは、KubernetesやGoogle Cloud Run、Amazon ECS、 AWS Lambdaといったさまざまなプラットフォームに対応する継続的デリバリーシステムです。アプリケーションのデリバリーはもちろん、Terraformにも対応しているのでインフラストラクチャーの構築・運用にも活用できます。2020年6月にOSSとして公開され徐々に注目を集め、Cloud Native Landscapeに参加し、世界で認められるプロダクトに成長しています。

 

※OSSとして公開している「PipeCD」
https://github.com/pipe-cd/pipecd

 

サイバーエージェントでは100を超える連結子会社が存在し、多数のプロダクト開発が行われています。当社では、各プロダクトが自由に技術選定するカルチャーが存在しており、それがエンジニアのクリエイティビティの発揮に繋がる一方で、一貫性・標準化することでスケールメリットをいかせることもあります。

私が所属するDeveloper Productivity室では、現在デリバリー周りのDeveloper Productivity・Developer Experienceの改善に取り組んでいます。私達が構築している「PipeCD」では、CIとCDは完全に分離されており、インフラからアプリケーションまでGitOpsのような単一なデリバリープロセスを実現しています。現在社内の1000以上のアプリケーションを実際に運用しており、本セッションでは、これまで生じていた課題と構築したCDシステムによってどうやって課題を解決してきたか、実例を交えてご紹介したいと思います。

 

(スライドの一部を先行公開)

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URL:https://cadc.cyberagent.co.jp/2022/program/cd-oss-pipecd/

 

フルクラウド動画運用の実現 〜さらに横軸連携を見据えたクリエイティブシナジーの創出〜

新しい未来のテレビ「ABEMA」のQCスペシャリストを務める御池です。「ABEMA」では、動画・音声に関する専門知見を生かし、Media Asset Managementシステムの開発および横軸含めた統合的な品質統制に挑んでいます。

「ABEMA」では現在、次世代コンテンツ制作・運用環境への変革に取り組んでいます。この数年のコロナ禍による番組制作や、コンテンツの運用管理業務への影響は計り知れないものがあり、場所や機材、オフラインコミュニケーションを前提とした業務は、従来のシステムやワークフローでは成立しない状態になりました。また今後の制作にはマスタリングから配信までの工期短縮、そして映像データからの特徴量抽出によるレコメンドの生成など、いかにコンピューティングのレイヤーに早い段階で素材を展開するかが重要になります。

 

我々はこれらの環境変化をオフラインにおけるコンテンツの運用業務事態を大きく進化させる機会だと捉え、メディアアセットマネジメントに関連する様々な業務のフルクラウド運用への挑戦をはじめました。物理ディスクを前提とした業務はクラウドアーカイブへと変わり、今後は加工・編集業務もクラウド上で実行可能な状態を目指し、場所的依存を限界まで排除し、次の時代の映像制作・管理を構成するべく取り組んでいます。

本セッションでは「ABEMA」における、Media Asset Managementシステムを軸としたアセット管理のベストプラクティスと、サイバーエージェントのメディア事業を広くカバーするクリエイティブシナジーの創出の展望についてお伝えします。

 

(スライドの一部を先行公開)

フルクラウド動画運用の実現 〜さらに横軸連携を見据えたクリエイティブシナジーの創出〜
URL:https://cadc.cyberagent.co.jp/2022/program/abema-media-asset-management/

 

■CyberAgent Developer Conference 2022について

日時:3月24日(木)
会場:YouTubeLiveで配信
公式サイト:https://cadc.cyberagent.co.jp/2022/
SNS:https://twitter.com/ca_developers