本記事は、CyberAgent Advent Calendar 2022 24日目の記事です。
こんにちは!AI事業本部所属のシュウタ(@sugawara_syuta)です!
2022年7月に、20代のエンジニア・クリエイターが中心となって創り上げるサイバーエージェントの技術カンファレンス『CA BASE NEXT 2022』が開催されました。
当日は学生から社会人まで多くの方にご参加いただき、サイバーエージェントの若手の活躍をより社外に知ってもらえる機会となりました!
私は特設サイトの開発チームのマネージャーを担当し、企画からリリースまで以下のメンバーで行いました。
- 開発チーム
- マネージャー
- 管原秀太
- 開発
- 竹内実、窪田秀哉、川谷英斗、吹金原榛耶
- デザイン
- 大野せどな、大川雄大、彭カ、礒見信司
- マネージャー
本記事では開発チームのマネージャーを担当した経験を振り返り、主に立ち上げから実行に至るまでのプロセスに焦点を当てて取り組み方や学びに関して記載したいと思います。
立ち上げ・計画・実行プロセス
立ち上げから実行開始までのプロセスに関しては以下の流れで行いました。
- メンバー集め
- チームビルディング、オンボーディング
- 目標設定
- 責任者設定、役割分担
- タスクの洗い出し、スケジュール設定
- 実行
プロジェクトマネジメントに関するノウハウや手法に関してはPMBOKや数々の書籍があり、中には非常に細かく記載されているものもあります、上記のようにプロセスを簡略化することで関係者各位、理解しやすい状況を作れたかと思います。
工夫した点
サイバーエージェントではマネージャーの役割を「組織の成果を出す」という言葉で表現しています。
今回マネージャーを担当するにあたって自分のミッションを「組織の成果を最大化させること」と定義しました。プロジェクトを進める際に重ねた諸々の工夫の中からいくつかピックアップし、以下に記載します。
チームビルディングについて
心理的安全性を高めることを重視しました。
心理的安全性とは、誰もが安心して発言や行動ができる職場環境を指します。Googleのリサーチチームが4年をかけて実施した社内調査の結果、「生産性が高いチームは心理的安全性が高い」という発表したことがきっかけで注目されるようになった概念です。
当時はプロジェクト発足時まで関わりのなかったメンバー同士がチームを組むという状況でした。
心理的安全性が低い場合、以下の4つの不安が行動特徴として現れ、個々人の力が発揮されにくくなる可能性があります。
無知だと思われる不安
無能だと思われる不安
邪魔をしていると思われる不安
ネガティブだと思われる不安
チームラーニングやオンラインでのチームランチなどを実施し、メンバー同士の相互理解促進や安心して対話を繰り返せる機会を作ることで心理的安全性を体験できるようにしました。これらを通してチームメンバー同士で連携しながら、高いパフォーマンスを発揮できる環境づくりを目指しました。
責任者、役割分担について
実行領域に関してリストアップし、メンバーのwillをヒアリングしつつ、それぞれのメンバーに各領域に対する責任者となってもらいました。
領域に関しては例えば以下のようなものです。
- テックリード
- データ分析
- webパフォーマンス
- SEO
各自が責任と権限を持って意志決定する枠組みを作ることで、主体性が発揮しやすい状況と誰が何をどこまで決めるのか明確にすることでスピーディに計画を実行する土台を作ることが目的でした。担当者が明確になると副次的にルーズボールも減るようになります。
責任者設定の際は以下の動画が参考になりました。
実行フェーズについて
権限委譲を適切に行うことを意識しました。権限委譲のメリット、デメリットは例えば以下のようなものがあります。
- メリット
- 意思決定、業務スピードの迅速化
- メンバーの意欲や能力の向
- デメリット
- 意思決定のミス
- 認識の不一致
- 判断の部分最適化
組織の成果を最大化させるためには意思決定や実行のスピードを高めることが重要だと思います。メンバーの責任と権限を明確にし自走環境を整えた上で適切に任せていくようにしました。
定期的な報連相をタイミングを作り、共有・相談は行うことで認識の不一致や判断の部分最適化などのデメリットが発生しないようにしていました。
また権限移譲を進める上で、以下の行為を行わないようにしました。
- マイクロマネジメント
- 丸投げ
- 意思決定の差し戻し
ちなみに「意思決定の差し戻し」によって発生するデメリットは以下です。
- デメリット
- 権限移譲が進まない。
- 権限移譲が進まないと中央集権的な組織体制となり、中央のキャパシティに業務の質と量、スピードが依存することになる。
- 権限移譲が進まない。
中国の古典に「貞観政要」というリーダー論について書かれた有名な書物があり、権限や役割について説かれたエピソードがあります。そこでもひとたび権限を委譲したら、その権限はその人固有のもので、他者がみだりに犯すべきではないといったことが語られています。
プロジェクト期間中はなるべく、意思決定権者以外に同意権が必要なことを明示的にしないように自分の発言や姿勢に注意していました。
成果
CA BASE NEXTに関わる多くの方々との協力もあり、LPの成果としては約16,300UU、約56,400pv(リリース日〜8/7時点)を得ることができました。また全体の成果となる「当日の来場者数」、「セッションの総合視聴数(約25000)」や「アンケート回答数」、「アンケート回答結果」に貢献することができました。
さらにスクロールに連動したコンセプトを体現するデザインなどが注目を浴び、「SANKOU!」や「Web Design Clip」といった参考サイト集にも掲載いただきました。
学びと反省
プロジェクト期間中、以下の観点でのマネジメントを行いました。
- プロジェクト
- チーム・ピープル
- リスク
- コミュニケーション
メンバーが活動しやすい環境を整え、プロジェクトを通しての成長や充実感を達成できるようにしつつ、チームの成果を最大化させるように取り組んだのは非常に良い経験となりました。
反省としてはコスト(稼働リソース)管理が甘かったことです。プロジェクトマネジメントにおいては品質、納期、予算、スコープ、コストなど数々の管理しなければならない変数が存在します。自分自身のコストも含めてシビアに管理すべきだったと思っています。
ちなみにマネジメントに関しては、組織や状況によってベストプラクティスが変化しうる可能性があると思います。今回の学びは今後活かしていくとともに組織内外にいる人々や状況によって最適解を見出していけるよう、今後も研鑽を積んでいきたいと思います。
終わりに
CA BASE NEXT2022ではチームメンバーを始め、CA BASE NEXTに関わっている数多く方々の協力や助け、先輩からの助言のなどおかげで、紆余曲折ありながらも大きな事故なく無事に終結することができました!チームメンバーや協力して下さった多くの方々に非常に感謝してます。
プロジェクトの実施に関しては以下の書籍などを参考にしました。非常におすすめなので記載しておきます。
参考書籍・ソース
他にも書きたいことは山ほどあるのですが、走り書きとなってしまい、実行時から終結までのプロセスに関してもあまり記載することができませんでした。別に機会があれば発信できたらと思います!お読みくださってありがとうございました!
実装時の詳しい取り組みに関して知りたい方はぜひ以下の動画や記事などをご覧ください!
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