こんにちは。WINTICKET の Web 版(以降 WINTICKET Web)のリードを担当している @dora1998 です。

サイバーエージェントは、2024年8月24日(土)に行われた「フロントエンドカンファレンス北海道2024」に懇親会スポンサーとして協賛しました。この記事では、当日の印象に残ったセッションやスポンサーブースの様子を紹介していきます。

フロントエンドカンファレンス北海道の会場入り口。扉がスクリーンとなっている。

印象に残ったセッション

拝聴したすべてのセッションを紹介することはできませんが、いくつか印象に残ったセッションを紹介させていただきます。

ダークテーマとアクセシビリティの融合したカラートークンの設計 / 出口 裕貴さん

グレースケールの色差が同程度になるよう、非線形に明度を刻んでいったことなど、カラートークン設計のポイントを多数学ぶことができました。

この発表を聞くまで、コンポーネント独自のトークンはグローバルに定義せずにコンポーネント内部の定数として実装すべきではと考えていましたが、コンポーネント名を接頭辞に持たせたComponent Specific Tokenとしてグローバルに定義することで、例外的な色を使ってる箇所がまとめてられて良さそうだと感じました。

現在、私の所属するWINTICKETではデザインシステムの策定に取り組んでいるため、ぜひこれらの知見を活かしていきたいです。

エッジはフロントエンドなのか?バックエンドなのか?について考えてみる / aijiさん

「エッジはフロントエンドだと思いますか、バックエンドだと思いますか?」と聞いた時の反応が、フロントエンドエンジニアが多いカンファレンスか、バックエンドエンジニアが多いカンファレンスかによって違うというお話が印象的でした。

ブラウザを起点にSSRやCDNキャッシュなど、広い分野に跨って課題を解決できるのがWebの面白さだと私は考えているので、まとめにある「明確な境界はないからこそ、積極的に領域を越境していきましょう」という考えにはとても共感しました。

ESLint Plugin により事業, 技術ドメインに沿った制約と誓約を敷衍させるアプローチのすゝめ / Shinyaigeekさん

WINTICKETでもプロジェクト規約をLintルールで守る取り組みを行っているため、共感しながら拝聴していました。「シンプルなLintルールにできない制約はそもそも複雑すぎる」という言葉が印象に残っており、機械的にチェックしやすい制約に落とし込むことで結果的にコードを書く人間にとっても理解しやすい制約になると納得しました。

個人的には次世代のLinterとしてBiomeにとても期待しているので、早くカスタムルールも書けるようになる日を望んでいます。

ブラウザはどのようにしてテキストを描画しているのか?――Chromiumにみるテキスト描画の深淵 / canalunさん

スライド

言語表現の具体例に触れながら、CMap, GSUB, GPOSといった複雑な仕組みがなぜテキスト描画に必要なのか学ぶことができました。Skiaと聞くとFlutterで使われている描画エンジンという認識でしたが、Chromeでページの描画が全てSkiaの命令に変換されていることがわかり、よりSkiaについて調べてみたくなりました。

影や下線が重なって適用された時のレイヤー順序や、影のオフセットについても詳細にW3Cで仕様が定義されているとは興味深かったです。

スポンサーセッション

懇親会スポンサーとして、「TypeScriptで負荷テストを書こう 〜k6のシングルバイナリの秘密〜」と題してスポンサーセッションで登壇しました。

一見、フロントエンドと負荷テストは縁がなさそうにも見えますが、Next.jsをはじめとするSSRを行うサーバーを立てる場合に負荷試験を実施するケースは多々存在します。

このセッションでは、メジャーな負荷試験ツールの1つであるk6を取り上げ、シナリオがJavaScriptで書けるという点に着目しました。k6はNode.jsがない環境でもシングルバイナリだけで動き、直近ではTypeScriptの実行もサポートされました。その背景にはどのような実装があるのか触れていますので、当日いらっしゃらなかった方もご覧いただければ幸いです。

スポンサーブース

当日、CyberAgentのスポンサーブースでは特別ノベルティの配布を行いました。まだまだ暑い季節、このアイススプーンで少しでも涼しく乗り切っていただければ幸いです!

おわりに

フロントエンドカンファレンス北海道2024は、幅広い領域で濃いセッションが詰まっており、改めてWebって面白いな!と感じる1日となりました。

これまで毎年行われている類のカンファレンスではないからこそ、運営の方々の苦労は大変なものだったかと思われますが、おかげでとても熱いカンファレンスを楽しむことができました。改めてお礼申し上げます。

また来年も開催を予定している模様なので、その際はぜひ登壇できるように日頃から研鑽を続けていきたいと思います!