この記事は CyberAgent Developers Advent Calendar 2024 15日目の記事です。

はじめに

こんにちは。Developers Connect室(通称デブコネ室)の神谷(@_yukamiya)です。デブコネ室では、エンジニア組織における「技術と人を繋ぐ」活動を推進し、技術政策管轄のもとでDevRel活動を担当しています。またIT業界および開発組織のジェンダーギャップ解消を目的としたTech DE&Iプロジェクトにて責任者も兼務しています。

本記事では、サイバーエージェントが2024年に取り組んだディベロッパーコミュニティの活性化DE&I(Diversity, Equity & Inclusion)の推進について、具体的な事例を交えながらご紹介します。

ディベロッパーコミュニティの活性化

社内勉強会の仕組み化とサポート体制の強化

デブコネ室では、社内での技術コミュニティを活性化し、エンジニアが学び合う場を広げるため、勉強会の開催を手軽に行える仕組みをサポートしています。

具体的には、下記のようなサポートを提供しています。

  • 「CA Tech Events」への情報掲載や管理ツールのアカウント発行
  • 配信・集客のサポート(告知用フィードの提供など)
  • 懇親会向けケータリングの手配など

これにより、エンジニアは複雑な手続きを気にせず、勉強会の内容に集中できる環境が整っています。

社内勉強会プラットフォーム
社内勉強会プラットフォーム「CA Tech Events」での勉強会一覧の様子

例えば下記のような勉強会が開催されています。

  • Monthly LT / A*Gang

AI事業本部内で開催されていたLT会を全社向けに拡大し、毎月テーマを設定して実施しています。「DevOps」「フロントエンド」「EM/マネジメント」など多様なトピックで開催しています。毎回様々なメンバーが登壇し社内で最も熱量の高いイベントのひとつです。

  • DevSecOpsワークショップ

DevOps領域におけるセキュリティのシフトレフトの重要性から、実際にプロジェクトに導入するべき具体的なアクションを一気通貫で紹介しました。

他にも現地参加したカンファレンスのフィードバック会や、他社のゲストを招いたツールやサービスの紹介など、毎週のように様々な勉強会が開催されています。

運用改善により開催数が約1.5倍に

長年運用されてきた本サポートフローですが、今年に入り「開催者向けと参加者向けのチャンネルを整理し情報の最新化」を行った上で、「全エンジニア社員が集まる共有会にて再周知」といった地道な運用改善を行った結果、昨年比で約1.5倍の勉強会が開催され技術コミュニティの活性化に磨きがかかっています。


生成AI活用事例を社内で共有するランチタイムLT会

今年から始めた新しい取り組みとして、「生成AI活用事例ランチタイムLT会」をデブコネ室の主催で定期開催しています。この会では各事業部が取り組む生成AIの活用事例を社員間で共有し、具体的な活用事例を共有することで新たなアイデアのきっかけや活用につなげることを目的としています。

特徴として、参加者が気軽に参加できるようランチタイムのカジュアルな雰囲気で実施しています。生成AI活用事例ランチタイムLT

生成AI活用事例ランチタイムLT会の様子開催ペースも月1回と定期的に行い、テーマも多岐に渡ります。下記は直近の例です:

「AI SCREAM の挑戦!- 生成AIシステムの開発と今後の展望 -」※1

「AIによるカード名提案システム〜人間と3種のエージェントによるブレインストーミング〜」

「 誰でも簡単!Difyではじめる業務効率化 」

「 画像生成AI、どんな時に使ってる?~ 非デザイナーにも易しい!実務で使える画像生成AI活用アイデア10 ~ 」

「圧倒的品質×爆速量産。24時間で新規事業を創る生成AI実践術 」

このように、テーマは開発への導入や検証事例からクリエイティブ、ビジネス応用など多岐に渡ります。

直近では100名以上が参加し、満足度も98%(回答数137名)と高い評価を得ています。また参加者の声として、「具体的な活用事例が聞けて、業務への応用がイメージしやすい」「具体的な活用事例やテクニック集など、有料級の情報ばかりで大変参考になった」「カジュアルにランチ食べながら聞けるのは良かったといったコメントが寄せられています。

※1: AI SCREAMとは社内向けに開発された複数の画像生成AIモデルを試すことができる社内サービスです


女性エンジニアコミュニティの活性化

サイバーエージェントでは、2023年にTech DE&Iプロジェクトを立ち上げ、IT業界および当社の開発組織におけるジェンダーギャップ解消を目的とした様々な活動を進めてきました。女性を対象としたインターンシップの開催女子大学での特別講演NPO法人Waffleとの連携のほか、社内向けにIT業界ジェンダーギャップ勉強会や無意識バイアスワークショップを開催するなど、多くの活動を推進しています。

その結果、「女性エンジニアが選ぶ『フェアに働けそうなイメージのある企業2024』ランキング」において4位にランクインしました。

女性エンジニア交流「シャッフルランチ」

今年に特に力を入れた施策の一つが、「女性エンジニア同士の交流を深めるシャッフルランチ」の開催です。全社横断の女性エンジニア交流チャンネルを通じて、異なる事業部や年次のメンバーをシャッフルし定期的にランチで顔を合わせることで部署を越えた新たなつながりが生まれています。

女性エンジニア交流シャッフルランチ
女性エンジニア交流シャッフルランチの様子

参加者からは「普段の開発チームでは話す機会の少ない育休前後や子育ての話ができて視野が広がった」「社内の女性エンジニアで活躍している人がいるという事実を実感できて励みになった」といった声が寄せられました。

4社共催「Women in Tech LT」イベント

さらに、初の試みとして、他社と連携したWomen in Tech LTイベントも実施しました。サイバーエージェントを含む4社が合同でイベントを開催し、総勢14人の女性エンジニアが登壇しました。このイベントでは、多様なバックグラウンドを持つエンジニアが一堂に会することで、普段交わることが少ない他社のエンジニアとのつながりが生まれ、所属を超えた技術的な議論や交流が活発に行われました。

詳細は開催レポートをご覧ください。

Women in Tech LT
Women in Tech LTイベントの様子

特に若手エンジニアが登壇の機会を持てたこと、他社の女性エンジニアとの新たな交流が生まれたことが印象的で、新たなキャリアパスを模索するきっかけにもなることを願っています。


おわりに

本記事では、サイバーエージェントが取り組むディベロッパーコミュニティの活性化およびDE&I推進の事例を紹介しました。

来年も、社内外のディベロッパーコミュニティを通じて、エンジニアが学び合い成長できる環境づくり、そして多様な価値観を尊重した組織作りを進めていきたいと思います。

アバター画像
SoftwareEngineer / PjM。2008年サイバーエージェント新卒入社。現在の主務は株式会社キュレオ海外開発グループ責任者と技術政策室配下の「Tech DE&Iプロジェクト」リード。Women Techmakers日本リージョンAmbassador。3児の母。