はじめに
ゲーム開発において、技術革新のスピードは日々加速しています。最前線で活躍する技術者にとって、新しいツールやエンジンの導入、技術検証、情報共有は欠かせません。しかし、個人単位での技術検証やコミュニティ形成には、時間やコストといったハードルが存在します。
そこで誕生したのが、サイバーエージェント技術者コミュニティ支援制度「CA Tech Tribe (CATT) 」です。本記事では、CATTの発足背景、施策内容、そして今後の展望について紹介します。
自己紹介
サイバーエージェントグループ、株式会社TOKYO GameFi所属の勝治(ショウジ)と申します。普段はゲーム事業部にて、開発プロジェクトのUI/UXディレクターとして従事しております。
「CATT」では施策責任者として技術者同士が気軽に交流し、技術投資や課題を解決し合える場を提供していきたいと考え活動しております。
勝治 晃人(ショウジ アキト)
所属
株式会社TOKYO GameFi アートディレクター,UI/UXディレクター
経歴
- 2012年:ゲームディベロッパーに新卒入社
- 2016年:サイバーエージェント中途入社
- 2021年4月~:IPゲームタイトル(サービス配信中)UI/UXディレクター
- 2024年10月~:IPゲームタイトル(鋭意開発中)UI/UXディレクター(兼任)
趣味
- サブカル全般(ゲーム/アニメ/漫画/ファッション)
- 読書(SF/ホラーetc…)
- オートバイ
- 格闘技
技術者コミュニティ支援制度「CATT」について
コンセプト
「組織の技術投資を、個人単位のコミュニティから実行できるように」
CATTは、「個人でコミュニティを形成し、技術者同士が有機的に繋がり、自発的に技術検証や情報共有を進められる環境を作ることが出来たら、大きな価値になる。」という思いから、これに組織的なバックアップを提供する施策として生まれました。
この構想は、技術者向けのあした会議「CA BASE SUMMIT」にて提案され、決議を経て正式に施行されました。
▼CA BASE SUMMITとは
技術者による技術者のための「あした会議」、「CA BASE SUMMIT」開催レポート
施行の背景
1. 様々な技術領域と事業必要性
現在、事業的な必要性が低いと判断される技術でも、中長期的に重要になる可能性が高いものが多く存在します。技術者が自主的に検証を進められる環境を整備し、こうした技術の機会損失を防ぎたいと考えます。
2. 事業部を超えた情報共有
社内には、特定の技術領域に関心を持つ技術者が点在していますが、弊社のように従業員数や子会社数が多い組織では、事業部を超えた情報共有は難易度が高いという課題がありました。そうした技術者同士がつながる場を提供し、組織が更に有機的に活動できるような状態を目指しています。
3. 組織バックアップの有用性
個人単位での技術研究やコミュニティを形成する際、技術検証やラーニングに必要な費用や、人員リソース確保が課題となります。こういった個人の課題に対する支援を行い、技術者が安心して活動できる環境を整えることも重要です。
初回技術選定テーマ:「Unreal Engine」
現在、弊社のゲームをはじめとしたエンターテインメント事業においては、主にUnityでの開発が行われておりますが、ルックデベロップメントや高精細なグラフィックスを要求するプロダクト開発の観点から、Epic Games社の提供するゲームエンジン、Unreal Engine(UE)の有用性も高まってきています。
そのため、CATTでは初回の技術選定テーマとしてUEを採択し、技術者コミュニティを発足しました。技術検証やナレッジの蓄積を進めながら今後の開発現場における、企業として技術選定時の選択肢が増えることを目標としています。
また、個人的にもゲームの作り手視点で考えた時、UnrealEngineの有用性を感じることが多く、自身の学習意欲も含めて取り組みたいテーマでした。私と同じように、サイバーエージェントでのUnrealEngineの有用性を考え、個人的に技術検証をされてる技術者も多くいると考え、まずは繋がりを作りたいと考えました。
結果、コミュニティのメンバーはすでに60名を超え、徐々にではありますが、組織的な熱量が高まってきていることを感じています。
コミュニティ主催「極AIお台場スタジオ見学」
CATTの活動の一環として、広告事業部でUEを業務使用している子会社「Cyber AI Productions (CAI)」との技術交流を目的に、CAIの有するLEDスタジオ「極AIお台場スタジオ」での見学会を開催しました。
コミュニティメンバーをはじめ、事業部横断で希望者を募り、渋谷AbemaTowersからお台場スタジオまでバス送迎する形で、技術者同士の顔合わせも兼ねて出発。
お台場スタジオでは、LEDスタジオや高性能スキャン施設の見学、CAIスタッフによるUEワークフロー紹介LT。終盤は参加者全体で懇親会を行い、満足度の高い、今後の技術共有・連携強化の足掛かりとなるイベントで大成功となりました。
今後の展望
CATT施策全体
前述のUEコミュニティをモデルケースとし、他の技術領域でも同様の技術者コミュニティが発足し、この流れがサイバーエージェントの文化として醸成されていくことを理想にしています。少し時間が掛かると思いますが、先ずはUEコミュニティの活性化に集中し、楽しみながら続けていけたらと考えています。
Unreal Engine コミュニティでの注力ポイント
- 各事業部でUEの採択に関する判断がスムーズに行えるよう、技術検証を強化
- コミュニティを活性化し、技術者同士のつながりを深める
- 社外パートナーとの協力体制を強化し、知見を広げる
サービス開発に関わる技術者・開発会社の方々へ
現在UnrealEngineを使用している技術者(クリエイター含む)や開発会社の皆様、CATTコミュニティを通じて是非交流しませんか?技術的な知見を共有や関係性の構築、新しい開発の可能性を探る場として色々とお話出来ると嬉しいです。
ご興味のある方は、是非お気軽にご連絡ください!
連絡先:
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