こんにちは。
サイバーエージェントで開発プロジェクトマネージャーをしている瀬野です!

会社の枠を超えてPM同士の知見を共有するイベント「ビジョンを磨く ー 作る・使う・変える、3つのリアル」を合同会社DMM.com株式会社グッドパッチ株式会社サイバーエージェントの3社合同で開催しました!

生成AIをはじめとする技術の進化により、開発プロセスやアウトプットの一部はどんどん自動化されています。
一方で、「何を実現したいのか」「なぜそれをやるのか」を言語化し、チームを導く役割は、これまで以上にPdMに求められている……

そんな背景から、3社で日々プロダクトに向き合うPdMが、ビジョンの作り方・使い方・変え方という3つの観点からリアルな事例を共有。
最後は参加者の皆さんがPdMとしてロールプレイしながらプロダクトビジョンを描くワークショップまで行いました。

イベントキービジュアル「ビジョンを磨く ー 作る・使う・変える、3つのリアル」

イベントの構成

先日開催されたサイバーエージェント社内PM交流イベント「CAMP-US」に引き続き、会場はAbema Towers 11Fでした。
当日のタイムテーブルはこちら。

19:00〜19:30 開場・受付
19:30〜19:35 オープニングトーク
19:35〜20:20 Lightning Talks(3社)
20:20〜21:05 ワークショップ「自分たちのプロダクトビジョンを描く」
21:05〜21:30 クロージング・ネットワーキング

LTで語られた3社の「ビジョンのリアル」

オープニングの後、前半はLT発表からスタートしました。

グッドパッチ 住岡耕平さん

最初の発表はグッドパッチの住岡耕平さんで、タイトルは「0から作成するプロダクトビジョンの要点」。
クライアントワークとして様々なプロダクトの課題解決にかかわることが多いグッドパッチ社ならではの、色々なプロダクトに応用できる内容を伺えました。

プロダクトの現在地を起点として、

  • 「時間軸」として3年後、5年後などいつの未来なのか考える
  • 「スケール」としてユーザー単位、社会インフラなど範囲を設定する
  • 「対象」として個人、組織、業界全体など変化させるものを決める

の3要素を検討し、プロダクトのコンパスとして機能するようなビジョンを作る…というお話が印象に残っています。

グッドパッチ住岡耕平さん「0から作成するプロダクトビジョンの要点」

DMM.com 長井和裕さん

続いての発表はDMM.comの長井和裕さん。
タイトルは「なんとなくで施策を選ばない ― DMMオンラインサロンのビジョンドリブンな意思決定」でした。

DMMオンラインサロンという実際のプロダクトを例に、ビジョンを「作る」だけでなく、日々の施策選定や優先順位付けにどう紐づけるかというテーマ。
過去にはリリースするという作業自体に追われてしまってユーザー価値を生み出すことに苦戦してしまったり、ビジネスメンバー・開発メンバー間で目線が合わず目的や優先度に対するスピーディな動きが叶わなかったり……
プロダクトに施策を打つことに対して、過去の難しい体験からのご共有をいただきました。

DMM.com長井和裕さん「なんとなくで施策を選ばない ― DMMオンラインサロンのビジョンドリブンな意思決定」

サイバーエージェント 亀山千尋さん

最後はサイバーエージェントの亀山千尋さんから、「AI等の超高速技術変化プロダクトにおけるプロダクトビジョンのあり方」の発表でした。
生成AIという技術トレンドの変化が激しい領域において、変わり続ける前提の中でビジョンをどう位置づけるかについてです。

サイバーエージェント社内で開発・利用されている生成AIサービス「AI SCREAM」についてのお話。
変化が激しいという言葉では足りないほどの生成AIドメインにおけるプロダクト開発では、長期的なビジョンを作ることは適切ではないとも考えられます。
あえて短期的なビジョンを立てて状況に応じた軌道修正を行えるようにすることで、業界の荒波に適宜フィットしながらプロダクトを作り上げていくというアプローチを学べました。

サイバーエージェント亀山千尋さん「AI等の超高速技術変化プロダクトにおけるプロダクトビジョンのあり方」

ワークショップで実践

後半はいよいよ、参加者同士で自分たちのプロダクトビジョンを描くワークショップ。
「課題発生中のプロダクトに着任したばかりのPdM」という設定で、仮想プロダクトのビジョンをチームで考える形式でした。

ワークシート

配属されたプロダクトは売上の頭打ち・現場の運用課題・チーム内の対立など、いくつもの問題を抱えている状況で、経営層からは「1週間後にロードマップを用意して」とだけオーダーされている……というなかなかハードな前提。
この状況を材料にしつつ、ビジョンシートをチームごとに作成していきました。

プロダクトの現状を言語化し、目指すべき未来の状態を描き、そのギャップを埋めるための方向性をまとめていきます。
チームごとに作成し終わった後は、いざ発表です。
「事業側・現場・ユーザー」の視点をうまくまとめたビジョンや、「あえて今はこの領域に集中する」とフォーカスを絞ったビジョンなど、運営が想定していた以上にチームごとに個性のあるアウトプットが並びました。

ワークショップ発表の様子

イベントを終えて

学びから実践までぎゅっとまとめた濃い時間を過ごすことができるイベントで、ご参加いただいた皆さんからのアンケートでも

  • プロダクト施策の優先順位を考える際に、意識するポイントとして、実装のしやすさを意図的に判断軸から外したというお話は、中長期の方向性、ロードマップを考える際に大事だと思いました
  • (ワークショップについて)同じプロダクトを選択しても課題がそれぞれなのは特色があり面白いと感じました。書いてあることをどれだけ読み解けるか、抽象化して捉えるか、記載された課題の背景を仮で設定するかなどで違いが生まれたように感じます
  • 特に印象に残ったのは、「作りやすさや工数に引っ張られず、本当にやりたい本質的な価値を選ぶためにビジョンがある」という視点です

といったお声があり、普段得られない学びや交流を持ち帰っていただけたようで運営としては非常に嬉しいです。

ご参加者の中には、普段シニアPdMとして働かれている方からIT業界を目指す学生まで、幅広い方々がいらっしゃいました。
LT・ワークショップが終わった後のネットワーキング時間も大小さまざまな輪が出来て盛り上がっており、普段の社内議論とは違う刺激を受ける時間としてご活用いただけたことと思います!

AIを含む技術トレンドがどれだけ加速しても、「どんな未来を実現したいのか」を描き、チームをその方向に導いていくのは人間であり、PdMの重要な役割です。

今回のイベントが、皆さんのプロダクトビジョンを磨いていくキッカケになっていれば嬉しいです!

今後もPMコラボ募集中です!

引き続きサイバーエージェント社内でPM向けイベントを開催していく他、DMM.com様・グッドパッチ様とも連携して、PdMの実践知を共有し合う場を継続していく予定です。
ご興味のある方は、ぜひ次回の開催情報もチェックしてみてください!

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2023年に中途入社しました。スマートフォンアプリ開発のPM業をやっています!