はじめまして!アドテクスタジオでエンジニアをしています、@chckです!
世間は夏真っ盛りなので皆さん夏バテには気をつけてくださいね!
さて、先日Adtech Developper Conferenceという社内技術カンファレンスがあったのでその参加レポをお送りします!
概要
Adtech Developer Conferenceはサイバーエージェント「アドテクスタジオ」に所属する約180名のエンジニアが、各開発チームの導入技術を知る機会の創出とエンジニア同士の横の繋がりの強化を目的として2015年に開始したアドテクスタジオの技術カンファレンスで、今年で3回目の開催となります。(アドテクスタジオはサイバーエージェントのアドテクノロジー分野におけるエンジニア組織です)
今年は初めて完全公募でのセッション募集を試みたところ想定を上回るエントリーがあり、急遽、発表枠を増やして対応するなど、3トラック並行、全26セッションと過去最大規模での開催となりました。
また今回は外部からゲスト登壇者を招いての講演を設けたり、スライド発表だけでなくパネルディスカッション形式でのセッションも用意するなど、新たな試みも加えています。
ざっくりいうと、部門でやってる技術カンファレンスですね?
とはいえ180名ほどが参加して半日がかりで行われ、きれいな会場を借りて普段とは違う雰囲気で開催されるので、参加する側のテンションもあがります!
ゲスト講演
「ロボットを通じた対話研究」大阪大 石黒研究室 小川浩平さん
ロボット工学の権威、石黒研究室の小川浩平先生の講演。アドテクスタジオのAI Lab(アドテクスタジオ内のAI研究組織)が産学連携で共同研究を行っていたりもします。自身の研究領域であるロボットと人との対話研究の内容を、フィールドテストやニコ生を活用した公開実験の様子を通じて紹介。不気味の谷現象から、2週間彼氏を待ち続けるアンドロイドに対する人のリアクション、7000くらい対話データが蓄積されると5割以上の自動返答率を誇る話など、人間の未来と進化について考えさせられる講演でした。
「No-Ops で大量データ処理基盤を簡単に構築する – Google Cloud Platform で実現する次世代データ処理基盤」Google Inc. 福田さん
アドテクスタジオでもGoogle Cloud Platformで多くの開発チームがお世話になっているGoogle 福田潔さんの講演。Google検索やGmailといったビリオンユーザを抱えるGoogleが、サービスを支えるために発明してきたMapReduceやBigTable、Dremelといったデータ処理における多くのコア技術を紹介。そこから発展して生まれたGoogle Cloud Platformをマネージドサービスとして利用することで企業の競争力にどう活かせるか、といった話。データの収集、保存、処理/分析、可視化といった一連の流れをEnd-to-Endでクラウド上で完結することができ、オートスケーリングなのでビッグデータでも安心。Cloud DataflowとBigQueryの使い分け方等の質問も丁寧に回答されていました。
パネルディスカッション
言語座談会 ~Scala vs Golang vs Rust vs Others~
言語座談会と称し、アドテクスタジオで使われているScala, Golang, Rustの言語を極めたメンバーによるパネルディスカッション。GC、学習コスト、採用、教育、エコシステム、デプロイメント、並列処理、FPといった多種テーマに対して、各々の言語の強みを熱く語っていました。
左からRust代表の井上ゆりさん、Golang代表の辻 純さん、Scala代表の阿川 耕司さん。
モデレーターの茅野祥子さん。
互いに自分の得意言語だけでなく他言語への理解も深くて勉強になりました。
特にGC、デプロイ周り、学習コストは、言語のメリットデメリットが顕著に出てとても盛り上がりました!
ベストセッションの紹介
今回特に注目度が高かった? 3つのセッションについて紹介します!
「何故あなたの機械学習はビジネスを改善出来ないのか?」AI Lab 安井 翔太さん
センセーショナルなタイトルで開始前から高注目度のセッションでしたが、 「ビジネスの改善に必要なのは機械学習とか統計そのものじゃない」 と課題の定義から始まり、安井さんご自身が経験した失敗談、改善案として実際に自身でマネジメントした経験談、さらにそれを組織にスケールさせるための枠組みとしてのゼミ(研究の成果を事業に活かすことを目的としたアドテクスタジオの研究活動の一つ)の立ち上げと、問題提起や事例の提示のみにとどまらない、充実したすばらしい内容で納得のベストセッションでした! 昨今の機械学習のコモディティ化から、「機械学習すること」自体が目的になってしまうというのはどのプロダクトでも陥りがちな罠と思います。 科学的知識を包括的に理解し、現場のビジネスに応用できる人材はこれからのプロダクトに必ず必要になるはずで、今後の安井さん、ゼミ生の方々の活躍にも期待大!
「GCP大航海時代の幕開け」Skyrocket 嵐 順平さん
僕達がGCPに決めた本当の理由。AWS vs. GCP、ここがイケてる/イケてないGCP。あなたはどのクラウドタイプ?フローチャート付き。とのことでこちらも開催前から聞いてみたかったセッションの一つでした。新規事業を始めるにあたり、”Global” を念頭に置いたクラウド選定を3週間揉みに揉んで得た知見について、LoadBalancer, Containability, Scalability, Database, Streaming, IAM, CI, Support Service, etc…といった各要素をアドテクノロジーエンジニアの視点から解剖。 マネージドなスケールアウトの仕組みを活用するためのTipsや、2017年に発表された大規模分散RDB、Cloud Spannerについて特に熱く語っていました。 Regionを跨いでAsiaやEuropaの単位でReplicationが組めるといった興味深い話も。
「機能するチームが出来るまでの施策とマインドの変化 」 iXam Drive 岩永 勇祐さん
属人化してチームワークがうまく形成されていなかったチームをうまく機能するまでに改善したストーリーを元に、チームの改善方法について話されていました。チーム開発を改善させるために、 KPT、朝会、スプリント計画といった手法を導入してみたが中々解決しなかった問題をしっかりと分析し、マインドや信頼性の問題に気付いた点が、アジャイルの本質をついていて素晴らしい改善だと思いました!またご自身のチームで実践したマネージメント改善についてメンバーにアンケートを取り、その結果を元に成果を分析していた点も興味深かったです。
懇親会の様子
全部のセッションが終わった後は、美味しいお料理やスイーツを頂きつつの懇親会でした。みんなでカンパーイ!!の図。
そして懇親会のコンテンツとして2017年度入社の新卒エンジニアによるLT大会が行われました!実用的なTIPSから趣味ネタまでフレッシュなLT大会となりました。
まとめ
今回、カンファレンスで聞きたい技術テーマを事前にアンケートで集めて、それを公開しながらスピーカーを募ったこともあり、みんなが知りたかった痒いところに手が届く満足度の高いセッションばかりでした。
あくまで社内カンファレンスなので、社外で発表するよりハードルは低いし、こういった場でのアウトプットに慣れていないエンジニアにとっても良い経験になるし、社外イベントでの発表と上手く住み分けできてて良いですね?
それと、若いエンジニアまでどしどし発表しているのを見るとなんだか感化されますね〜〜!僕もさっそく社外勉強会に凸してみようかと思います。
それでは!