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部署や会社を横断するクリエイターとエンジニアの横軸組織『CA base』が発足しました。 

なぜ『CA base』を発足したのか?今後予定している取り組みは? 
広告・メディア・ゲーム事業の部門代表クリエイターの3名にインタビューしました!


 【CA base クリエイターメンバー】 
佐藤 洋介(さとう ようすけ) 
クリエイティブ執行役員 / チーフ・クリエイティブディレクター 

末永 剛(すえなが ごう) 
インターネット広告事業本部 ブランドクリエイティブ部門 アートディレクター

鷲山 優作(わしやま ゆうさく)
株式会社グレンジ 取締役 CCO / UIUX Lab代表

 

「クリエイティブで勝負する」は現場にどんな変化をもたらしたか?

 

佐藤:ミッションステートメントに「クリエイティブで勝負する」が新しく追加されて以降、広告事業本部やゲーム部門ではどういった変化を感じますか?

 

末永:これまで、サイバーエージェントの広告事業本部に対して、ブランディング領域のクリエイティブが強いというイメージを持ってくださるクライアントはそこまで多くなかったように思いますが、「クリエイティブで勝負する」をきっかけに、リブランディングやAbemaTV、AWAでグッドデザイン賞を受賞したこともあり「クリエイティブが強い。いいものを作れる」というイメージがクライアントにもちょっとづつ伝わってきた感じがします。

現状ブランド広告は、総合代理店がテレビCMでクリエイティブの上流を抑えている構図ですが、我々がCMクリエイティブを作る案件も増えました。先日ある案件では広告事業本部で制作したWeb動画がご好評をいただいて、テレビCMになるという事例がありました。Webからテレビへのクリエイティブの逆流が起き始めていて、また、その状況をクライアント側が受け入れてくれているというのは大きい変化です。

 

佐藤: そういった実際の事例につながってきたのはいいですよね。

 

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末永:はい。我々には“デジタルとクリエイティブの力で、新しい時代のブランド広告のど真ん中を創る”という思いがあるのですが、今まさにその土台が出来てきています。

 

鷲山:経営層が「クリエイティブで勝負する」と言ってくれているので、ゲーム部門でもクリエイターに注目が集まっているし、それに応えるためにクリエイターが視点を上げて制作できている気がします。

「クリエイティブで勝負する」というミッション・ステートメントがあると、ここを大事にしなくちゃいけないよねみたいな目線を事業責任者やクリエイター以外の人も持つので、組織全体がクリエイティブに向き合う大きな後押しになりますね。

 

佐藤: たしかに、クリエイター以外の人の目線がクリエイティブに向かったというのは大きな変化の一つかもしれないですね。

 

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鷲山:クリエイティブに関して、提案してすぐ動ける土壌ができたことも大きいです。僕がやっているUIUX Labは、ゲーム部門を横断して「スマートフォン向けゲームに最適なUI/UXを研究する」というミッションのもとやっています。一朝一夕で到達できないものではありますが、横断で動ける土壌があるおかげで、その下地ができてきた感じです。

 

佐藤: 僕がいつも思うのは、サイバーエージェントのクリエイターが世の中的に評価され、「サイバーのクリエイターはやばいね」とか「サイバーのクリエイターが1人出てくるだけでクオリティが一気にあがるぞ」みたいな、そういう会社にしていきたいんですよね。

そこまでいくと社内からはサイバーエージェントのクリエイターであることを誇りに思えるし、社外からは「サイバーのクリエイターはすごく良いアウトプットをするし、あそこからはダサいものが出てこないから安定感がある」みたいなことにつながる。

 

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CA baseの目的とは?

佐藤: クリエイターの働く環境を整えるための横軸組織を考えていた時、ちょうどCTOの佐藤真人さんもエンジニアでそういったことを考えていて。真人さんとお互い意見を交わすなかで、横軸組織をエンジニアと一緒にやることで、技術職の働く環境をより良くできるのではないかという話になりCA baseをつくりました。

イメージ的には、組織を横断してゆるくつながる感じでやりたい。

 

末永:そうですね。まずは交流からしていきたいです。同じ会社の中に、すごく優秀なクリエイターなりエンジニアがいるのに、広告事業本部のクリエイターとはあまり交流がない状態です。それはもったいない。

広告案件においてエンジニアの発想はとても重要です。WEBを中心としたキャンペーンやLP制作はもちろん、3DCGの制作や、動画のジェネレーターの開発など、クリエイティブにおいて欠かせない存在です。エンジニアとの接点は、仕事以外にも増やしたいですね。

 

佐藤: エンジニアからも技術を吸い上げてクリエイティブの学びにしたいですよね。

 

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鷲山:ゲーム部門で言うとゲーム制作に特化している人は多いけれども、末永さんのいるブランディングとか広告みたいに、商品の見せ方や商品を売るためにどうやってクリエイティブをつくっていくかみたいな考え方を、ゲーム部門のクリエイターも知ってほしい。

それを知ることで、ゲーム制作のアウトプットも変わってきそうだなと思っていて、他部署や他職種との技術的な絡みができたらおもしろそうだなと思っています。

 

佐藤: 「クリエイティブで勝負する」って上辺で取り繕うことは幾らでもできると思っているんですよね。ただ、実力を伴ってプロダクトや広告としてクオリティの高い成果をサイバーエージェントとして一緒に出すことが大事だと思っています。

CA baseで交流し、いろいろな刺激をもらって各部門に持ち帰り、そこでまた議論するという流れになれば良いかなと思っています。

 

CA baseの取り組み

佐藤:第一段として、まずは各部門のリーダー同士が交流し、様々な視点やアイデアをもらえる場を作ろうと、クリエイターのリーダー向けのマネジメント研修『CA Creator Leader’s Community(CCC)』を実施しました。普段関わりのないクリエイター同士をチームにして、クリエイターならではのケーススタディに取り組んだり、クリエイティブ大喜利のような箸休めコンテンツなども交えた参加型の研修にしました。

▶︎言ってはいけないNGワード?クリエイター向けのリアルなマネジメントを学ぶ ー CA Creator Leader’s Community

 

末永:デザインとマネジメントは頭の使い方が少し違うので、良い刺激になりましたね。相手の立場に立って考えるのは当然で、その一歩先のコミュニケーションが必要だと考えさせらた研修になったのではないでしょうか。また、大喜利のようなワークを一緒にやるというのは部署の異なるのクリエイターが交流を図る上で、とても効果的だなと実感しました。やはり「ものづくり」が好きな人たちなので、アイデアからアウトプットまでのクオリティが高かったですね。

 

鷲山:確かにケーススタディのワークでは、シチュエーションに対しての考え方や問題への向きあい方が、部署や自分の置かれている立場などで結構変わるものなんだなと改めて体感できたのが良かったですね。現場のリアルなケーススタディだったので明日から早速使える!みたいな声も多かったです。あとクリエイティブ大喜利は盛り上がりましたね。(笑)

 

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佐藤:それから、今後予定しているのはクリエイティブ遠足。これは広告とゲームとメディアの部門の約400名を対象に、みんなでグループワークしながら、普段のオフィスとは違う環境で創作をしてもらうイベントにする予定です。

 

鷲山:企業のクリエイターがこの規模で遠足にいくというのは、おそらく日本初では…。(笑)

 

佐藤:前代未聞ですね。(笑)ロゴはこれです。

 

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佐藤:クリエイティブ遠足は初めてできたCA baseの中のクリエイターの分科会なので、基本はクリエイティブに、クリエイター同士の交流にフォーカスするという感じですね。

 

鷲山:企画の詳細を詰めているところですが、今から楽しみですよね。各事業領域でそれぞれ本気で勝負しているからこそクリエイターにノウハウがしっかり蓄積されていっているので、CA baseのような組織で横の連携をより密にして、クリエイティブレベルを1段も2段も上げていこうと思います。

 

末永:そうですね。「広告、メディア、エンターテインメントのクリエイターが同じ会社にいる」というのは他の企業にはない、サイバーエージェントならではの強みだと思います。その強みをこの組織がどう活かしていけるのか?どんな化学反応を生むのか?そう考えるとこれからがとても楽しみですし、様々な可能性を感じます。今後もCA baseから積極的に色々仕掛けていきましょう。