2017年11月28日(火)に「VP of Engineering Meetup by CA」という勉強会が開催されました。サイバーエージェントにはVP of Engineeringという役職は現状存在しませんが、その役割を担う社内のメンバーが一堂に会し、成功談や失敗談を発表いたしました。

その中でメディア事業のエンジニアリングマネージャーとして採用や勉強会主催、エンジニア向けの制度づくりなどに携わる藤原が話した「エンジニアを採用する技術」は、イベント後多くの方々に資料をご覧いただくなど注目を集めています。当インタビューでは藤原に、これまで取り組んできた採用や広報の取り組みについて詳しく話を聞きました。

 

藤原 聖
メディア統括本部 エンジニアリングマネージャー。
2011年 サイバーエージェント中途入社。Androidエンジニアとして「Ameba」アプリや数々のコミュニティサービスの開発・運営に携わった後、2015年より映像配信プラットフォーム「FRESH!」の立ち上げに参画。2016年よりメディア事業部のエンジニアリングマネージャーとして、エンジニア採用やイベント運営に携わる。「FRESH!」立ち上げにおいてはKotlinをいち早く導入し、現在に至るまでKotlinの普及に努めている。翻訳書に「Kotlin イン・アクション」(2017年)

 

 

採用は「先ず隗より始めよ」?

 

ーーどのような経緯でエンジニアリングマネージャーに就任したのでしょうか?


2011年にAndroidエンジニアとして入社したのですが、2014年くらいから人事に声をかけられて、開発業務と並行して新卒採用に携わるようになりました。喋ることが得意な方なので、人事がそこに目をつけたのかもしれません(笑)気づけば新卒採用にはかなり関わるようになっていましたね。自分自身も楽しかったですし、インターンにも毎年のように企画段階から参加しています。

サイバーエージェントのミッションステートメントに「採用には全力を尽くす」とあるように、現場の社員が面接やインターンに積極的に携わる文化があるのですが、2015年には全社で1名だけ選ばれるベストリクルーターの最優秀賞をいただくこともできました。私は学生に対しては、足元の環境や制度の話ではなく、将来的にサイバーエージェントがどういう企業を目指しているかという未来志向の話をすることが多かったので、入社への後押しを手助けできるような面談の場を特に得意としていたように思います。

 

そうやって採用に関わっていくうちに、採用活動にも技術があって、その技術をより高めることも、人に伝えることもできるものだと考えるようになりました。エンジニアは考え方がロジカルなので、そういう意味では採用にも向いているのではないかとも考えています。私はサイバーエージェントをテックカンパニーにしていきたいと思っていますが、そのためには採用技術を持っている人がいかに多いかというのは非常に重要だと感じています。

 

 

ーーエンジニアリングマネージャーに就任して約1年半ですが、これまで具体的にどんな役割を担ってきたのでしょうか?


この1年半で最も力を入れてきたのは、ネイティブエンジニアの採用です。先日開催された勉強会「VP of Engineering Meetup by CA」で、これまで採用において考えてきたことや取り組んできたことをお話させてもらいました。その資料を見ていただくとわかりやすいかなと思うのですが、

 

 

私は故事にある「先ず隗より始めよ」という言葉が、採用に実によく当てはまると思って頻繁に引用しているんです。隗というのは人名で、彼が仕えている王にどうすれば賢者を採用できるかと聞かれた際に、「まず私のような凡人を優遇することから始めてください」(そうすれば、賢者は自分達であればもっと優遇されると考えるだろう)と言ったというのが元々の故事での意味です。そこから転じて今では、物事は手近なところから着手すべきだ、言い出しっぺから始めよという意味になっています。

 

なぜこの言葉が採用に当てはまると考えるかというと、良い採用をするにはまずは社内の社内のエンジニアが会社に満足している状態を作ることが何よりも重要だと考えているからです。そうすれば、社内のトップ層のエンジニア達が採用に全力でコミットしてくれるようになります。採用担当や社内の環境作りの担当は、ともすると担当が分かれてしまいがちかと思いますが、「先ず隗より始めよ」に準じて考えると両方パラレルで進めることが大切なんですよね。なので採用を担当しつつも、社内の制度作りにおいても積極的に取り組むようにしています。もちろんやらなければいけないことはまだまだたくさんあるのですが、具体的には、評価を含めたエンジニア向けの制度作りと運用、採用広報、勉強会の3つです。

 

 

 

 

社外のエンジニアが「サイバーエージェントはいい会社だよ」と勧めていた

 

ーー主催している勉強会について教えてください


「CA. **」と冠をつけて様々な技術領域の勉強会を社外のエンジニア向けに定期的に開催しているのですが、勉強会の意図としては大きく4点あります。

まず第一に、技術コミュニティへの貢献です。サイバーエージェントでは動画や音楽配信、ブログ、ビットコインなど様々な事業を展開しているので、社内で得た技術的知見を積極的に発信していくことで各技術の発展に企業として貢献できればという思いがあります。

続いて、社内に優秀なエンジニアがいることの広報ですね。

そしてそれに付随して、登壇するエンジニアの市場価値を向上させるきっかけになれればと考えています。特にこうした会社主催の勉強会では、若手や登壇したことのないメンバーにも気軽に依頼しやすいので、どんどん声をかけるようにしています。

4点目ですが、実は社内エンジニアにとっての懇親の意味合いも大きいんです。メディア事業に携わるエンジニアは約400名と人数もかなり多くなってきたので、懇親会よりも勉強会を開催する方が興味を持って覗きに来てくれることが分かりました。基本的には「CA.**」の勉強会は「CREATIVE Lounge」で行なっているのですが、オフィスと同じビルにこういうスペースがあるのは大きいですね。

 

 

 

ーー1年以上定期的に勉強会を主催していく中で、何か反響などはありましたか?


いくつか嬉しいことがあって、最初はエンジニア向けの勉強会だったものの、それを見たデザイナー達も同様の勉強会を始めてくれるようになりました。「CA.pixel」と名称も合わせてくれて。エンジニアリングマネージャーに就任した当初一人で始めた取り組みに、今はこうして色々な人が関わってくれるのがすごく嬉しいです。

これらのロゴもそのタイミングでデザイナーに改めて作ってもらい、ありがたかったです。とても気に入っています。

その他にも、勉強会後に行う懇親会の中で、社外のエンジニアが参加者に、「サイバーエージェントはいい会社だよ」と勧めてくれている光景を目にしたことがあって(笑)そんな風に思っていただけて嬉しかったです。また、テーマによっては社外の方にもゲストスピーカーとして登壇いただくことがあるのですが、とある方に「今後はこういう技術交流ができる企業しか生き残っていけないと思います」と声をかけていただけたのは非常に光栄でした。

 

コミュニティや勉強会は生き物のようなものなので、その点運用において大変なことはありますが、私たちの意図に共鳴してくださる方が増えていることを日々実感しています。勉強会に参加いただければ分かると思うのですが、私たちは基本的にはあまり採用色を出さないようにしています。参加者に一つでも多くの知識を持って帰ってほしいですし、良い出会いがあればさらに嬉しい。参加者に楽しんでもらうことをメインにこれからも運営し続けていきたいです。

 

 

 

 

 

サイバーエージェントをテックカンパニーにしたい

 

ーー採用の話に戻りますが、メディア事業でエンジニアを採用する際に最も大切にしていることは何ですか?


現時点のスキルだけを見ているわけではなく技術的な成長度合い、偉そうな言い方に聞こえてしまうかもしれませんが、いわゆる “伸びしろ” に着目するようにしています。

サイバーエージェントでは全職種の採用において “素直でいいやつ” を採用するという方針が浸透しているのですが、そこから転じてエンジニアにとっては “技術的に素直でいいやつ” という視点が大切なのかなと考えています。技術は日々移り変わっていくものなので、自分が注力していたものでも時には素直に捨てることも必要になってきます。そうやって良いものは良いものとして新しいことをどんどん取り入れていく方がサイバーエージェントで活躍できるのではないかと考えています。

採用する側もされる側も、どちらもフェアであるべきと考えているので、面接の際には「私たちはこういう人を求めています」ということを率直にお伝えするよう心がけています。

 

 

 

ーー採用した方々に対する入社後のフォローなど、何か取り組みはありますか?


先ほどもお話したように、エンジニアの人数が増えてきて横のつながりが希薄になってきているので、ランチや勉強会を企画することで部署を横断したつながりを作るようにしています。

また、定期的にオフィスを徘徊していますね(笑)予定が空いていそうなタイミングで入社直後のメンバーのデスクに話しかけにいったりとか。Slackで済むこともあえて直接声をかけに行くことで、様子を見に伺うようにしています。最近入社してくれたメンバーは、これまで以上に積極的に採用広報や友人紹介に協力してくれるのですごくありがたいですね。

 

 

 

ーー最後に、今後取り組んでいきたいことがあれば教えてください


サイバーエージェントをテックカンパニーにしたいという強い思いがあります。
まだまだサイバーエージェントにそのイメージはないと思いますが、サイバーエージェントはテックカンパニーになる可能性を十分に秘めた会社だと感じているんです。

元々は広告代理店事業から始まり、新規サービスの立ち上げとともにどんどんエンジニアが増えてきました。メディア事業の他に、広告事業やゲーム事業など様々な事業を展開しているため、新規事業への資本があるというのがサイバーエージェントの強さであり、テックカンパニーとなるためには理想的なビジネスモデルだと思います。

さらに強固なエンジニア組織を作り上げていくためには、採用技術を持ったメンバーがもっと増えることが大切なのですがエンジニアで採用に関わる人ってまだまだ少ないのが実情です。最後に宣伝になってしまいますが(笑)社内外問わず採用に携わりたいエンジニアを募集しています!