こんにちは!
Amebaでデザイナーをしている茂木です。
今回は外部のデザインコンペにチャレンジする制度、クリエイティブゼミについてご紹介します。
自分のスキルが世の中で通用するのか?
クリエイティブゼミとは、普段業務で関わっているデジタル領域だけでなく、新聞広告やパッケージ、コンセプトメイキングの制作スキルなどを上げるために立ち上がった、グループワーク形式のゼミ制度です。
ゼミ立ち上げのきっかけは、「webやアプリだけでなく、紙のスキルや広告的なグラフィックスキルもあげたい。今の自分の実力値だと、世の中ではどのくらい通用するのだろう」と同期と外部コンペにチャレンジしようと思ったことです。
「社内を巻き込んで、経験ある先輩や社内のクリエイター達からフィードバックをもらえたら、もっとブラッシュアップできるのでは」と話が広がり、クリエイティブ力向上を目指す目的で、社内でゼミ制度の実施を決議してもらいました。
▼募集時の告知ポスター
そこから前職で広告・グラフィック業界に携わっていた、前澤・山崎にゼミ長として協力を仰ぎ、2つのゼミを立ち上げることとなりました。メンバーは、ゼミ長1人に対してゼミ生3〜4人で構成されています。大学のゼミを想像していただくとわかりやすいかと思います。
2017年10月〜2018年12月の約1年間で、新聞広告・野外広告・パッケージ・プロダクトなど、外部の様々なコンペに応募しました。
2つのゼミは、応募するコンペの分野で分けています。基本的な進め方は同じで、コンペの課題に対する個々のアイディアをみんなでフィードバックし合い、ブラッシュアップして進めていきました。
時々両ゼミ合同でフィードバック会を行い、アイディアを膨らませていきました。
多くのメンバーが立候補
ゼミのメンバーは、メディア事業部のデザイナーの中で、誰でも応募できる立候補制にしたところ、若手からベテランまで幅広く、おおよそ4割から立候補があがりました。
普段の業務とは違う分野のため、当初希望者は数人程度だろうと思っていたので、約半数近くから応募があったのには驚きました。
本気でコンペを勝ち抜くためにも公募者のなかからメンバーを選抜しました。
色んな知見が集まるゼミの場
個人ワークで出した制作物に対して、ゼミ長や他のゼミ生から撮影方法やアウトプットの表現テクニックのアドバイスがもらえます。
自分では初めて取り掛かる分野も多く、まずは自分で調べてとりあえず作ってみて、ゼミでアドバイスをもらいながら制作をすすめていきました。
サイバーエージェントでは開発しているサービスが他分野にわたるため、メンバーもUIデザイナーからイラストレーターまで様々でした。そのため、ゼミのフィードバックの場では「こんな手法もあったのか」と多くの発見があり、どんどんブラッシュアップされていきました。
ブラッシュアップ例
こちらが実際に制作した焼酎のパッケージのブラッシュアップ例です。
ロゴや花びらのレイアウトなどの細かい部分から、絵としての印象をより良いものにするような、ビンに当たる光や影などの調整を行いました。
こちらはポスターのブラッシュアップ例。
野外に掲載される広告のため、遠めで引きで見たときの誘目性や、イメージの伝わりやすさを重視して構成パターンを出しました。
▼野外掲載イメージ
本気で取り組んだ結果、受賞者が!
自分の成長を実感するためにも受賞を目指したい!とゼミメンバー一丸となってコンペ課題制作に取り組み、1年間で数々の賞に応募しました。
・朝日広告賞 ・ピンクリボンデザイン大賞 ・パッケージデザインコンテスト北海道 ・パッケージデザインコンテスト北海道 ・Japan Six Sheet Award 2018 ・丹生都比売神社 ご神犬キャラクターデザインコンテスト ・かごしま デザインアワード ・毎日デザイン広告賞
そしてその結果、2賞を受賞することができました。
(そのうち1賞は私も受賞することができました…!)
世界遺産・丹生都比売(にうつひめ)神社キャラクターデザイン
世界遺産・丹生都比売(にうつひめ)神社白黒2頭の神犬をイメージさせる、誰からも親しまれ、長く愛されるキャラクターデザインの最優秀賞
受賞者:坂本 晴香(さかもと はるか)2014年新卒入社:ピグ イラストレーター
【コメント】注力したポイント
より親しみやすい印象にするため、キャラクターの顔のパーツを微調整していた時は、ピクセル単位でパーツの位置を微調整しました。ゼミメンバーに第一印象を聞いたり、ゼミ長にアドバイスをもらって細部までこだわって仕上げることが出来ました。
受賞後、実際に神社の授与品として落とし込むためのデザインブラッシュアップもゼミで行いました。
受賞した作品は、実際に丹生都比売神社のご神犬キャラクターとしてパンフレット掲載やぬいぐるみ化されています。
かごしまデザインアワード2018 介護用ベッドのデザイン
「鹿児島をリデザインする。」をテーマに開催されているアワードの「デザイン性の優れた介護用ベッドのデザイン|メイワ医科工業株式会社」の奨励賞
受賞者:茂木 栞(もぎしおり)2013年新卒入社:Ameba デザイナー
【コメント】注力したポイント
お客様に寄り添ったオーダーメイドの介護用ベッドを制作している会社だったため、介護職の方にヒアリングしたり、ターゲットの状況を絞りに絞って考えました。
寝ながら映画が見られるベッド、自然を感じられる植物が生けられるベッド等、ゼミの場ではユニークなアイディアがたくさん出た中で、「コミュニケーションのハブになる、落書きできるベッド」で今の介護ベッドの可能性を広げるアイディアが出せたと思っています。
成長と自信につながったゼミ活動
最終日にはゼミ生以外の社員も交え、懇親も兼ねて今まで制作してきた作品をレビューしあいました。
ゼミの活動を始めてから、「自分のスキルは社外でもしっかり通用するレベルになっているだろうか?」とより強く意識するようになり、社外のコンペを頻繁にチェックするクセがつきました。
普段はwebページやアプリ開発が多い中、ゼミ活動では紙媒体での戦い方や、コンセプトメイキングを集中して考える、非常に良い経験ができました。
メンバーから自分とは違う視点で作品を見てもらい、議論できたのもありがたかったですし、人のアウトプットができていく過程を見ることは中々ない機会なので、とっても面白いですね…!
各メンバーの背景、得意分野、経験を全力で生かしたプレゼンは毎回学びがあり、他分野のスキルアップにも繋がりました。
(ゼミ長自身が広告賞の課題を元にクリエイティブを作ってきてくれるというサプライズも…)
実業務でも、早速ゼミでのコンセプトメイキングの手法を試してみたり、学んだことを実践してみたことで、成長を実感することができました。その結果、受賞することもできたので自分が成長する大きなきかっけになりました。
第一期が大変好評だったので、第二期の開催も決定しました。上記の学びを生かし、まだまだ挑戦したことのないクリエイティブを求めて、精進して行けたら良いなと思います!