「#あなたはどんなPM?」連載Vol,1
矢内幸広(やない ゆきひろ) /AbemaTV シニアPM
2004年中途入社、FlashDeveloperとして「アメーバピグ」等のサービスを立ち上げ、
開発クリエイティブチームのMGR、ソーシャルゲームのディレクター、プロデューサーを経て2016年にAbemaTVに開発ディレクターとしてジョイン
現在は開発本部 副本部長 兼 PMグループのリーダーとしてAbemaTV全体の組織改革やPM育成をミッションとしています
連載 「#あなたはどんなPM?」 全5話で、サイバーエージェントの各事業のプロダクトを担うPMUリーダーに、 「サービスフェーズ×ドメイン」で変化するPMの役割や経験談を語っていただきます。
「なぜ?から始めよう」シニアPMとしてPM同士を高めるマネージメント
ーー今現在の矢内さんのミッション・業務内容を教えてください
AbemaTVの開発本部の組織まわりの運営、改善、採用、育成がメインで、PM的な仕事はPMチームの育成や他部署連携プロジェクトの調整などが主です。
PMチームは現在7人のメンバーがいます。このメンバーをキャリアアップさせて、より高いレベルでのプロジェクト運営をすることが事業の成功に繋がると思っています。
また弊社全体の中でもPMが多いプロジェクトになるので、育成フレームをしっかり確立し他の部署へ輩出できるような機関にもなりたいと思っています。
その一環でPMのキャリアラダーを作りキャリアアップを促進したり、OKRのフレームを取り入れたりと実験的なことをAbemaTVでチャレンジしてきました。
ーーAbemaTVの開発で大事にしていることはなんですか?
AbemaTV開発本部には5つのミッションステートメントがあります。
そのなかで個人的に一番大事にしているのは『なぜ?から始めよう』というものです。有名な言葉ですがとても大事な考え方なのでミッション・ステートメントに選ばせて頂きました。
人は『なぜ?』に動かされるという意味はもちろんありますが、日々発生する大量のタスクにやる意義を問いかけ、本当にたどり着かなければいけないゴールに対して、
『最良の方法で最速で解決しよう』という意味合いも込めて使ったりもしています。
PMはプロジェクト成功のために誰よりも『なぜ?』を繰り返すべきで、その考え方は新卒の頃から繰り返して身につけるべきものだと思います。
複数のPMが指摘しあえることが組織の強みに
ーー 難易度の高いドメインと変わりゆく事業フェーズでさらに事業成果をつくるために、どのようなことを意識していますか?
AbemaTVはプロダクトサイクルでいうと必要な機能の拡充や安定性、いくつかのヒットコンテンツを生み出した導入期を終え、プロダクト成長期に入っていると思っています。
必要な機能の要件を見極めてしっかり作るフェーズから、さらに拡大してユーザーに使い続けてもらえるようなプロダクトに進化させるフェーズに変化しました。
AbemaTVでは多くのプロジェクトが並行して走っています。PMチームのミッションは仕様やスケジュールの精度を上げるのに加え、よりプロダクトのグロースに焦点を当てたKPIをチームで追い、またエンジニア含めそこに熱狂するチームを作らなければなりません。
そのためにはPMだけでなく、組織全体が数値に執着するカルチャーにするために各自のオーナーシップを引き出すための活性化や仕組みづくりだったり、時にはエンジニアに直接KPIを持ってもらうこともあります。
とにかく向かうべき目標に一丸となるチームづくりとその先へとファシリテートする存在にならなくてはなりません。
ーー 実際にPMがファシリテートするためにどのようなことをしてますか?
やり方は各PMの持つチームバラバラで、Story-Assured Design手法を取り入れストーリーデザインから取り組むチームもあれば、毎朝欠かさず朝会にてチーム意思統一を図ることで開発速度とクオリティを担保するチームもあります。
重要なのはAbemaTVの向かう先からの逆算で目標地点を設定し、どれだけ我々はそこに近づいているかチームで認識しながら進めていくスタイルを目指す事です。その動き自体をPM全体でチェックしあったり、指摘し合う仕組みは、若手からシニアまで複数のPMがいる組織の強みではないでしょうか。
「日本を代表するメディアに押し上げる」今と未来を見据えた設計力とマインド
ーーAbema TVのPMにはどのようなスキル・能力が必要だと思いますか?
知識的なことで言えばやはり他のサービスと違うのは『動画』を扱っている事だと思います。しかもオンデマンドだけではなく、24時間のリニア放送というスタイルは様々な技術レベルを引き上げる要因になっていますし、そのような知識は必要です。
ですがもっと大きな視点でいうと現在のAbemaTVのフェーズは基本的な機能が揃ってきたAbemaTVをよりユーザーに浸透させて日本を代表するメディアに押し上げていく事に尽きます。
そのためにPMに求められるミッションは
- 未来を見据えたプロダクト設計をすること。
- 開発サイクルを上げチャレンジする回数を増やすこと。
- サービスを常にグロースさせ続けること。
そしてチーム・アベマが成功に向かうための原動力であり続ける必要があります。
視聴時間や課金、広告など沢山の指標がありますが、事業要件を見極めユーザーに適切なアウトプットをチームで模索し作り上げていく毎日の粘り強いチャレンジこそが、AbemaTVをメディアとして確立するための唯一の手段ですし、それを成功するまでやり続ける覚悟こそがPMには必要な事だと思います。
プロジェクトの本質を経験し、全員で成長する
ーー AbemaTVのPMで働く魅力ってなんでしょうか?
インターネット放送局という今までにない新しいメディアを生み出すチャンスに参加し自ら成功に導いていけるという体験は、この先何年かの中でもなかなか無い体験だと思います。
例えば『72時間ホンネテレビ』の時などはAbemaTV全社一丸となり取り組みました。
我々開発サイドも『亀田興毅に勝ったら1000万円』の時に悔しい思いをしていますし(負荷高騰でのサービスダウン)、『72時間ホンネテレビ』の話が来たときには絶対に落とせないというプレッシャーと番組を成功させたい気持ちで当時の開発案件をすべてストップして負荷対策プロジェクトをマストワンとして取り組みました。
予想しうる負荷がかなり高く本当に放送までに対策が間に合うのかという中で各メンバー一丸となったプロジェクトでした。
放送当日負荷を耐えきり、『新しい地図』の3人が番組終盤でラストの曲を歌うクライマックスに視聴数が7200万を超えた瞬間を迎えたときはフロアで大拍手が起こりました。
国民的アイドルの一大イベント番組の高負荷を耐えるという高い要求をクリアするための数々の施策をやりきり、システムサイドもコンテンツサイドも1つの目標に一丸となり向かい達成するというプロジェクトの本質を経験できた事は、自身を含めPMメンバーの成長に繋がったと思います。
ナシのものをアリに変えていく挑戦を続ける
ーーAbemaTVの今後について教えてください
我々の目指す先は今までにない新しいメディアを生み出し、AbemaTVを日本を代表するメディアにすること。
それは10年間進化し続けその先も当たり前のように存在するメディアです。
スマートフォンの高機能化や5G等の通信環境の変化、若者のTV視聴スタイルの変化、動画技術の発展、それらの潮流の中でインターネット放送局という今までにない概念とビジネスモデルを確立させ、ナシのものをアリに変えていく挑戦は今しか味わえないですし、辿り着いた先に見える景色は想像を超えるものだと思います。
達成の暁にはPMとしてのスキル成長はもちろん、一時代を作る難しさと楽しさの経験という大きな財産を得ることが出来るのではないでしょうか。
その未来を少しでも早く実現するために、理想と現実のギャップに日々向き合い続けていきます。
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