はじめまして!「コエリー(koely)」デザイナーのきっひです。今回は、私が内定者から新卒1年目で向き合った、サービス開発での学びについてお話させていただきます。

目次
・デザインをするためではない。ユーザーにサービスを届けるためにここにいる
・学び①:「なぜ自分たちがこのサービスをつくるのか」。Whyに向き合い続けないと気付けないこと。
・学び②:答えは自分で導かなければいけない
・学び③:デザイナーという「職域」は関係ない
・「チーム・サイバーエージェント」で、事業として成長させていきたい

 

デザインをするためではない。ユーザーにサービスを届けるためにここにいる

先日、3分の電話からはじまるマッチングアプリ「コエリー(koely)をリリースしました。

私がこのサービスに携わったのは、内定したのと同時期に行われたビジネス職のインターンシップ「DRAFT」で優勝した事業の立ち上げを行うタイミングで、デザイナーとして誘われたのがきっかけでした。

 

「コエリー」のメインデザイナーとして、内定者だった学生時代からチームに加わり、自分も成長しながらスタートアップ開発を経験した約2年間。

 

この間で自分・サービス共に成長につながった一番の変化は、「自分がデザインをするためにこのチームにいる」のではなく、「ユーザーにサービスを届けるためにこのチームにいる」という自らの意識の変化でした。

 

この変化があったことで、私は「デザイナー」という職種に縛られずにサービスに向き合えるようになれたし、サービスの世界観も変わっていきました。本文ではその変化をとおして得た学びについてお伝えさせていただきます。

 

学び①:「なぜ自分たちがこのサービスをつくるのか」。Whyに向き合い続けないと気付けないこと。

 

コエリーの独自性は「マッチング×電話」です。電話で話せることで画面上では伝わらない相手の声や感情を共有し、リアルな雰囲気を知って早く仲良くなれることが価値だと考えています。このオリジナリティを見出せたのは、何度もチームで原点に立ち返って話し合いつづけたからでした。

 

しかし立上げ当初は「このサービスを誰に、どんな体験を届けたいのか」がはっきりしておらず、開発は二度も振り出しに戻る事態に…。

一度目は、そもそも電話がメインの体験になっていなかったこと。

届けたいターゲットが曖昧で、「相手の好意がない状態で電話するのは気が引けるよね」という多くの人の感情に寄り添いすぎてしまったため、「まずは既存のマッチングアプリのようにマッチしてから、電話する」という体験になっていました。しかし、このサービスの価値を真っ先に届けたいユーザーは電話を楽しめる人たち。そもそも誰に届けるサービスなのかを考え直すところからやり直しました。

 

二度目は、電話の良さが活かせていなかったこと。

「まず電話する」という体験にはなったものの、マッチングアプリに「電話」という機能を追加しただけのような「自分の好みの人に電話をかける」という体験になっていました。でも、電話は良くも悪くも話題がないと初対面の人と話すのは難しい。「じゃあ自分たちは電話で何を話してもらいたいんだっけ?」という電話の良さに立ち戻ることにしました。

 

進んでは戻るを繰り返しなかなか進まない中、一旦立ち止まって「なぜ、いま自分たちはこのサービスを創るのか?」という思想の部分にチームで向き合ったことでやっとゴールが見え始め、自分たちがこのサービスで届けたい体験が明確になったことで一気に前進できました。

学び②:答えは自分で導かなければいけない

「コエリー」の世界観は【マジックアワー】と呼ばれる「夕方〜夜に変わる数分間、空の色が大きく変化する薄明の時間」がベースとなっていて、私たちがユーザーに届けたい体験を突き詰めたことで具現化できたものです。

この世界観が決まるまで、当初はプロデューサーの中にあったイメージを具現化することがゴールになっていたために、なかなか決まりませんでした…。提案するたびに「まぁいいんじゃない」との返答は来るけど、それが「決め」ではない。このやり取りを繰り返す中で、明確にプロデューサーの中にも答えがないことに気づき、「じゃあ自分で導きださないといけない」と自分でゴールにもっていく責任感が生まれました。

 

私たちがそもそも届けたい体験はどんな体験で、それをどうデザインに表現するのか。

コエリーは「話してみないと相手のことはわからない」という思想のもと、日常生活のその時の気分でまずは電話でしゃべってみて、そこで共有した感情でつながれる体験を届けたい。この体験が届いた時の、リアルなユーザーの姿を想像した時に、コエリー独自の特徴となるポイントが3つ見えてきました。

 

1つ目は、「夕方〜夜の利用シーン」。コエリーのターゲットである20代の多くが電話するのは、大学や仕事が終わった夕方〜夜の時間帯であると想定されたことです。2つ目は、「大きな感情の変化」。いきなり電話でしゃべるという体験は、画面の向こうにいる相手をリアルに巻き込むコミュニケーション。画面上の自分の操作で完結しないので、感情の変化は激しくなります。そして3つ目は、何より「電話だからわかるその人の魅力」。しゃべってはじめてわかる相手の雰囲気は、画面上の情報では伝わらないその人だけの魅力になります。

 

こうして突き詰めた3つの特徴から、イメージをつないでいく中で出た【マジックアワー】は、日没のひと時で大きく空の色が変化すること、そしてマジックアワーの時間は柔らかく幻想的な光で人を魅力的に映すとされているところが、「コエリー」の届けたい体験に結びつき、納得感をもって世界観を決めることができました。

 

こうして完成した世界観を「初めのイメージボードとは変わっているが、確実にいいものになっている。自分の想像を超えてきてくれた。」とプロデューサーに言われた時はすごくうれしかったです。

 

学び③:デザイナーという「職域」は関係ない

開発がはじまった当時の私は、サービスづくりもUIの知識も0の内定者。「いいアウトプットをして、デザイナーとして認められなければ」というプレッシャーから、表面ばかりで自分よがりなデザインをして空回りし続けていました。しかしチームで何度も原点に立ち返る過程で、「サービスの成長のためにデザインを活かして何ができるか」と主語が大きくなっていきました。

 

私がこのチームでサービスづくりを始めたのは、プロデューサーの「エモい体験作りたいんだよね」という強い思いと、相手のことは実際に話さないと分からないという部分にとても共感して、「そういう『生の体験』を落としこみたい!」と思っていたから。

 

こうした自分の原体験と、サービスで届けられる価値、テキストや写真など画面上でのやりとりが当たり前な社会の現状。いままで点で捉えていた情報が線でつながった時、<話してはじまるつながりを届ける>という「コエリー」のミッションが明確になりました。そこから自然と「このサービスの価値をどうすれば届けられるか?」という思想が自分に根付いたように思います。

 

そこからは体験設計からアウトプットまで一貫して関わり、議論の前にモックやパターンをアウトプットしてそれを元にチームで話したりと、先回ってデザインすることでチームの開発効率を上げる動きができるようになりました。

 

結果として、今ではバナーの検証や施策の要件定義も自分が中心となってやる方がチーム全体の効率が上がると考えれば進んでやったり、とにかくデザイナーという職種に縛られずに「サービスが成長するために何ができるか」を常に考えながら動くようになりました。

 

「チーム・サイバーエージェント」で、事業として成長させていきたい

 

ここまでは私目線で自分の成長とサービスについて話してきました。

この背景にはメディアクリエイター組織の縦・横のつながり新卒デザイナーの育成など、サイバーエージェントのクリエイティブ組織で、クリエイターがサービスの成長と対峙できる環境があります。

 

最初は1人のデザイナーとして自分のプライドと戦っていた私ですが、今は内定者〜新卒1年目を通してできた様々なつながりを頼りながら、デザイナーの枠を超えてサービスに向き合っています。

この2年で気づいたのは、チームも事業も超えて巻き込んであらゆる知見や視点を入れ込み、実力以上の力でサービスづくりができること。何より、頼ったら快く巻き込ませてくれる人たちが集まっていて、自分やチームだけで試行錯誤する何倍もの速度で成長していける楽しさがこの環境にあることです。

 

これからは“自分以上”よりも“チーム以上”。もっと大きな「チーム・サイバーエージェント」の視点でサービスづくりに大きく巻き込んでいき、「コエリー」を事業として成長させていきたいと思います!

 

コエリー(koely) AppStore:https://apps.apple.com/app/id1478879833