株式会社サイバーエージェント AI事業本部 DXデザイン室デザイナーの高田です。

2022年10月、AI Labはロゴのリニューアルを行いました。

本リニューアルプロジェクトは、AI Labと、同じく筆者が所属するAI事業本部のDXデザイン室のメンバーからなる共同プロジェクトとして発足し、ロゴマークやネーミングなど大きくアップデートいたしました。そこにはどのようなプロセスと想いがあったのか、本記事で詳しくご紹介させていただこうと思います!

 

目次

はじめに

機能性を考える

組織の思想を可視化する

ロゴの案出し

ロゴの決定

ガイドラインの作成

最後に

 

 

□ はじめに

AI Lab は、デジタルマーケティング全般に関わる、幅広い AI 技術の研究開発を目的に 2016 年に設立された研究組織です。機械学習、コンピュータビジョン、CG、自然言語処理、計量経済学、ヒューマン・コンピュータ・インタラクションなどを専門とする研究者が所属しています。 

トップカンファレンスにて数々の論文採択実績があり、サイバーエージェントの中でも社外への発信が多い組織です。その発信する際に、サイバーエージェントの研究組織としてあることがより良い形でAI Labが認知されることを目的としてこのリニューアルプロジェクトはスタートしました。

筆者も所属しているDX Design室が、ロゴコンセプトの見直しからデザインまで一貫して担当しました。
DX Design室はAI Labと同じAI事業本部に所属している組織で、小売や医療をはじめとした顧客に対しUI/UXデザインでDX支援をおこない、デジタルとリアルを繋ぐ最適なユーザー体験を実現する専門組織です。

さて、リニューアルの目的であるより良い形で認知されるとは具体的にどのような形を指すのでしょうか?
「機能性を考える」 「組織の思想を可視化する」の2点から考えてみました。

 

□ 機能性を考える

変更前のロゴの場合、社外の方から見るとAI Labがサイバーエージェントの組織だと認知しにくいという機能的な問題がありました。

「サイバーエージェントのAI Labである」と認知してもらうためには、このような形でロゴを二つ並べる必要があります。また、並べたら並べたでロゴ同士が似てないため、違う企業同士のロゴが並んでいるようにも見えます。

カンファレンスのパートナー企業紹介等で他社ロゴと並べる際にその2点の問題は顕著でした。

サイバーエージェントの組織だと認識してもらえることが理想の状態なので、ロゴリニューアルの要件に以下の2点を盛り込むことにしました。

  • ロゴの印象はシャープな形ではなく、有機的な形にする
  • ロゴ単体でもサイバーエージェント内の組織であることが伝わるように、名前を「CyberAgent AI lab」に変更する

ロゴの形はもちろん、ネーミングも変えて、より良い形で認知されることを目指しました。

 

 

□ 組織の思想を可視化する

今回のリニューアルプロジェクトでは、ロゴの機能性が優れているだけでなく、組織として目指したい未来、組織のミッションも表現したいという想いがありました。それを表現するのにまずは組織を理解するところから始めました。

それに向けて行ったのが組織の理解です。

取り組みとして「組織の取り組み、コアバリュー」「AI Labがどんな言葉、価値観、個性として認知されたいか、組織から思いつくキーワード」といった項目をヒアリングしました。

コアバリューである「インパクトを生み技術の幹となれ」という言葉であったり、「研究機関として学術的な成果だけでなく、それをどう社会実装するかというビジネスの視点も大事にしている」という組織の強みをヒアリングすることができました。

次に、ヒアリングを踏まえてどう世間に認知されたいかをロゴマトリクス図を利用し、リニューアル後のロゴはどこのポジションに相応しいかを検討しました。

学術機関でありつつも、チャレンジ精神溢れる姿勢。サイバーエージェントの組織である。などを考慮した時に、リニューアルロゴはどのポジションがふさわしいのか。他社のロゴと比較しつつポジションを決めていきました。

また、サイバーエージェントでは社員にフォーカスした記事を沢山公開していたり、CA主催のカンファレンスが行われていますので、そういったものからも組織理解を深めることができました。

AI Lab Research Managerの山口光太さんの記事 https://www.cyberagent.co.jp/way/list/detail/id=24663

サイバーエージェント主催のカンファレンスでの登壇内容 https://cadc.cyberagent.co.jp/2022/program/research-on-creative-generation/

□ ロゴの案出し

ヒアリングを終えた後、そこで出てきたキーワードから連想されるモチーフを集め、ロゴにどんなモチーフがフィットしそうか議論していきました。

デザイナーが手を動かす前に擦り合わせることにより、組織の思想とかけ離れているキーワードやモチーフは避けることができたと思います。

議論の中で「幹」「広がり」「接続」などのキーワードでビジュアライズするのが良さそうともなりました。
そういった意見も参考にしつつ実際に手を動かしてデザインするフェーズに入りました。

 

この段階でも改めて様々なモチーフを検討しました。

以前の議論で出ていた「幹」「広がり」「接続」をロゴに落とし込むだけでなく、AI Labの思想できる形がもっとないか検討を重ねました。

様々なデザインの中から5つのロゴマークが提案されました。

色やモチーフは様々ですが どれも組織の思想を反映させたロゴを提案しました。
ロゴだけでなく、スライドや名刺に展開された際にロゴがどのような見え方がするのかも合わせて提案しました、より検討しやすい状態にできたかな思います。

 

□ ロゴ決定

どの案がAI Labのロゴとして相応しいのか検討した結果
以下のロゴに決定しました!

 

  • コンセプトが良く、コアバリューである「インパクトを生み技術の幹となれ」という言葉リンクしている
  • サイバーエージェントのロゴの有機的な部分をうまく引用できている

が決定の要因となりました。

本記事で紹介した「より良い形で認知してもらう」ための「機能性を考える」 「組織の思想を可視化する」の2点、しっかりとロゴに反映できたと思います。

 

緻密なやりとりをさせていただいたからこそ、このような良い形で着地させることができたと感じており、改めてロゴ制作における制作者と依頼者の協力の大切さを実感しました。

 

□ ガイドラインの作成

様々な場で活躍されているAI Labは、ロゴの用途や扱う人も多岐に渡るため、ブランド全体で統一したクリエイティビティを発揮するべくロゴのガイドラインも作成もしました。

通常のロゴガイドラインにある項目にプラスして、テキスタイルのパターンも制作しました。

ロゴマークのガイドラインなだけではなく、ブランドを随所に派生する際の指針としても機能するようになっています。

また、カンファレンス登壇の際にも使用できるスライドも合わせて作成しました。

 

□ 最後に

様々なプロセスを経て行われたロゴのリニューアルプロジェクト、いかがでしたでしょうか。

サイバーエージェントのAI事業本部ではこのように様々な領域に強みを持った組織が協業し、課題に取り組んでいます。

詳しい取り組みについてはこちらご覧ください!

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