サイバーエージェント 専務執行役員 技術担当 / 株式会社AbemaTV 取締役を務めています長瀬(@lionbaby)です。CyberAgent Developers Advent Calendar 2022 も本日で最終日。私からは今年の総括と23年の展望についてまとめてみたいと思います。

「FIFA ワールドカップ カタール 2022」全64試合無料生中継を終えて

まずは「ABEMA」での「FIFA ワールドカップ カタール 2022」全64試合無料生中継を無事に終えることができホッとしています。2016年4月の開局からこれまで、「マルチデバイス対応」や「追っかけ再生 / 見逃し配信」など、プロダクトの機能性・使いやすさを高めてきました。映像配信サービスのコアである映像配信・映像再生の技術にも磨きをかけてきました。

今年に入り「ワールドカップをもっと快適に楽しめる方法はないか?」に向き合ってきました。「最高画質への挑戦」「マルチアングルへの対応」「ハイライト映像の最速配信」「キャパシティ拡大と安定配信」など、チーム一丸となって取り組んできました。

この準備の甲斐もあり、ワールドカップという世界最高峰のコンテンツを通して、「ABEMA」の良さ、素晴らしさを日本の多くの方に届けられたのではないかと思います。「新しい未来のテレビABEMAを、いつでもどこでも繋がる社会インフラに」の実現に向け、まだまだ挑戦したいことが沢山あります。2023年も「ABEMA」にご期待いただけると嬉しいです。

 

社員が長く活躍し続けるために本気で「リスキリング」に取り組んだ1年

これまでもエンジニアが長く活躍し続けるために様々な取り組みを実施してきましたが、改めて強化すると決め「リスキリングセンター」を新設しました。今年、リスキリングセンターでは機械学習・データサイエンス、データアナリスト、バックエンドなど、5つの講座を開設し、当社エンジニアの5人に1人が受講しました。ミドルグレード〜ハイグレードの技術者も多く参加し、(年次年代問わず)個人の学ぶ意欲の高さを実感しました。また、新たな成長の機会を求めてキャリアチャレンジするエンジニアも出てきました。

今後に向けて手応えを感じることができた反面、リスキリングの難しさも実感した1年でした。私はこのリスキリングを通じて、個人と会社のWillをうまくマッチングし個人のキャリアチャレンジを推進する仕組みになればと思っています。今後も精力的に取り組んでいきたいと思います。

 

「変化対応力」を武器に「開発力倍増」に取り組む

サイバーエージェントは、創業以来25年連続で増収を実現しました。これは変化を恐れず挑戦し続けた結果だと思っています。この変化の激しい業界の中でも持続可能な成長を実現するために、「変化対応力」を掲げ”技術的な”競争力を磨き上げてきました。この「変化対応力」の強化は、以下4つの柱から構成されています。

 

①Strategy(戦略)
②Structure(ガバナンス / 組織連携)
③Culture(文化醸成)
④HR(採用 / 育成 / 適材適所 / 活性化)
※これまでの取り組みについては、サイバーエージェントグループ全体の技術戦略を是非ご覧ください。

 

サイバーエージェントの目の前には多くの事業機会が広がっています。このチャンスをモノするために「開発力倍増」に取り組み、サイバーエージェントのさらなる成長を後押ししたいと考えています。

 

サイバーエージェントらしくDeveloper Productivityに取り組む

この度、「かいはつ速度アゲ太郎」という全社プロジェクトを推進することを決めました。(本プロジェクトは17新卒エンジニアが藤田社長に提案し決議されたもの)。今後も開発組織を拡大させていきますが、それと共に開発生産性を向上させたいと考えています。開発生産性向上を文化として根付かせることができれば、会社の競争力に繋げることができると考えています。
当グループは多様な事業ドメインを展開していますが、①生産性指標の導入、②可視化レポーティング、③生産性向上のアクション、のサイクルを回していくことで文化の形成につなげていければと思っています。社内には様々なベストプラクティスが既に存在します。「チームサイバーエージェント」で全社をあげて取り組んでいければと思っています。

 

組織戦略の2大テーマは「専門性の深化」と「マネジメント強化」

12月の社内イベントで「サイバーエージェントが注力する技術領域の強化」と「マネジメント領域の強化」について発表をしました。「サイバーエージェントが注力する技術領域の強化」については、Developer Experts制度を拡張することで、当社の競争力に繋がる技術領域の強化を目指していきます。特に注力すべき技術領域として27個の技術領域を設定しました。設定した技術領域の中にはエキスパート不在のカテゴリも存在するので、世界レベルの技術水準に持っていくべくしっかりと投資していきたいと思います。

「マネジメント領域の強化」については、新たに「EM(Engineering Manager)職」を新設することにしました。現在の技術組織はプレイングマネージャータイプが多いのですが、今後の組織拡大に対してしっかりと対応すべくEM職を確立させていきたいと思います。

(社内に発表したEM職のミッション)

 

来年の抱負

現在は「開発力」が会社の競争力に直結する時代になりました。今後も会社の成長に連動して開発力の拡大を進めていきますが、「採用」と「能力密度」を両軸で強化していくことが大事だと考えています。サイバーエージェントの強みである「変化対応力」を武器に、来年以降もよりよい開発組織のあり方を追求し、開発者自身がやり甲斐を持って仕事に打ち込める組織運営を目指していきます。

 

採用も積極的に行っています。ご興味を持っていただけた方はぜひ採用情報もご覧いただきたく、よろしくお願いいたします。

2024年度 エンジニアコース新卒採用
https://www.cyberagent.co.jp/careers/special/students/tech/index02.html

Re:Career採用
https://www.cyberagent.co.jp/careers/special/students/tech_potential/

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通信業界での研究開発を経て、2005年、サイバーエージェントに入社。「アメーバブログ」やコミュニティサービス「アメーバピグ」、ソーシャルゲーム、コミュニティサービスなどのサービス開発を担当し、2014年に執行役員、2020年に常務執行役員に就任。「ABEMA」をはじめ当社のメディア事業に携わるエンジニアの採用や、技術力をさらに向上するための評価制度などの環境づくりにも注力している。現在はサイバーエージェント専務執行役員(技術担当)を務める。