はじめに

サイバーエージェント FANTECH本部 編集部です。

FANTECH本部は、「AWA」「CL」「WRESTLE UNIVERSE」「FANBASE ARENA」の4サービスからなる組織です。サイバーエージェントグループで培ったアプリ開発技術や映像配信技術を活用し、プロダクションやプロジェクト単位の最適なエンターテインメントサービスを提供しています。

本日は「AWA」にて昨年末に公開された「GET YOUR TRENDS 2023」のビジュアルテーマ “白昼夢”に込めた思いを担当デザイナーの山口に話を聞きました。

 

「GET YOUR TRENDS 2023」とは

音楽サブスクアプリ「AWA」にて毎年好評をいただいている特設サイト「GET YOUR TRENDS」は、1年間の「AWA」ユーザーの利用動向をまとめ(※1)、「2023年でよく聴かれた曲」、「2023年でよく聴かれたアーティスト」など各種ランキングを発表しています。また、各種ランキングのほか1年間の「AWA」における楽曲聴取情報をひとりひとり解析し、“自分だけの音楽史”を振り返ることができます。(※2) 自分が1年間で1番聴いた楽曲やアーティストのランキングをはじめ、「よく聴いたジャンル」や「よく聴いた年代」など、様々な情報をチャート化。1年間の総再生時間や再生した楽曲数、再生したアーティスト数、お気に入りした数などの総合的なデータも見ることができます。

さらに、この1年間で自身が再生した楽曲の上位100曲をまとめた自分だけの記念プレイリストを作成することができるほか、自身の楽曲聴取情報で生成されたチャートをXでシェアし、友人などに共有して楽しむこともできます。

※1 集計期間は、2022年11月1日~2023年10月31日のデータとなります。
※2 特設サイト「GET YOUR TRENDS 2023」は、普段「AWA」で使用しているアカウントでログインしていただくとお楽しみいただけます。

 

▼「GET YOUR TRENDS 2023」
https://your-trends-2023.awa.fm/

 

グラフィックデザイン担当、デザイナー山口に話を聞きました

 

── 「GET YOUR TRENDS 2023」(以下、GYT)はロゴが印象的ですが、何から着想を得たのでしょうか?

山口:GYTは2022年からシンボルマークを新設しました。毎年グラフィックのテイストを変えて作成しているためロゴも毎回作成する必要があり、地味に工数がかかっていた部分だったので固定化することでそれを削減するという狙いがありました。毎年引き継がれていくため、GYTを象徴するようなシンボルマークにしたいと考えました。

このマークはアプリ内でお気に入り登録をする際にタップするアイコンが★であることから着想しています。その年に聴いた様々な楽曲が集合してひとつの大きな星になりユーザーひとりひとりの一年を照らしているようなイメージです。

 

── キービジュアルでは広がる青い空に顔の輪郭や星、シャボン玉など様々なモチーフが見て取れます。どういったテーマで制作したのでしょうか。

山口:「歌」という方法で伝達されるイメージは、鮮明な幻想を映し出す白昼夢のようだと思い今年のキービジュアルのテーマにしました。

どんな音楽にも言えることですが、作り手と聴き手で思い描く情景は違うはずなのに、聴いているとまるで自分の為に作られた歌かと思うほどパーソナルな部分に響いてくることがあります。

今年は個人的に、そういった不思議な感覚を鮮明に味わった年でした。自分の体験をもとに“自他の境界が曖昧になる世界”が音楽なのかもしれないと思い、反転図形と呼ばれる地と図の関係が曖昧なルビンの壺をメインモチーフに選んでいます。背景の青空はシュールレアリズムの画家であり、私が敬愛しているルネ・マグリットのオマージュです。彼の作品に多用されている空は一見なんの変哲もない青空ですが、凝視していると壁紙のような偽物っぽさを感じます。嘘を本当だと容易く信じ込む鑑賞者の目を試しているような冷たく単調な空を目指しました。また、宙に浮いているのは様々な景色が写ったシャボン玉で、これは歌の中で見る夢を表しています。童謡の『シャボン玉』が好きで、その歌の詩からイメージを膨らませました。この夢はいつまでも見ていられるくらい遠くまで飛んでいくものかもしれないし、すぐに壊れて消えてしまうかもしれないといった儚さ・不確かさをシャボン玉に見立てています。

── GYTでは例年キービジュアルを元にユーザーがよく聞いたジャンルのプレイリストのカバーをデザインしていますが、今回は特にジャンルによって違った表情を持っていると感じます。どういったことを意識していたのでしょうか?

山口:ユーザーがその年最もよく聴いた音楽ジャンルで生成されるプレイリストのカバーです。シャボン玉が基本のモチーフとしてあり、その派生で球体を軸としたグラフィック作りをしました。13種類あるなかで数点ピックアップして紹介します。

HIP HOP

FOLK / COUNTRY

空に関連付けて、実際に自分が撮影した写真から色を抽出しています。

SOUNDTRACK

耳を近づけると中からオルゴールの音色が聞こえてくるような、遠い日の遊園地の思い出をイメージしています。

POP

毎日膨大な量の曲がリリースされ続け止まることなく目まぐるしく移り変るというイメージから原色の残像を残して回転している球体を描きました。

ROCK / PUNK

60年代に、粟津潔というデザイナーが日本宣伝美術会(通称:日宣美)のコンペティションに出品した、朱色とシルバーの2色刷りポスターがあまりに格好良く強烈に印象に残っており、このジャンルにふさわしい色合いだろうと、とても個人的な価値観のままに作成しました。

── 最後にメッセージをお願いします。

山口:今年は私が構築したイメージをもとにサイトのリード文も考え、自分の思いが沢山詰まった作品になっています。ぜひGYTで自分の音楽史を振り返り、夢でも現実でもある景色に出会い直してください。

 

▼「GET YOUR TRENDS 2023」はこちら
https://your-trends-2023.awa.fm/