こんにちは、Amebaカンパニー クリエイティブディレクターの井上(@ino8001)です。今回の投稿は前回に引き続き、デザイナーのマネジメントについて書かせていただきます。(→ 前回の投稿

DESIGNER 18 SKILLS #02

前回のおさらい

・デザイナーの評価は複雑で、自分にとっての課題が見えづらい。
・スキルを可視化してポディショニングしてあげる。
・“基本スキル”、“標準スキル” は9分類づつある
・1〜2年目までのデザイナーは “基本スキル” でフィードバックする。
・フィードバックは必ず“良かった”、“期待”を書く

前回の投稿

チームや組織の中で働いているデザイナーにとって、日々の現場で求められることが増え続ける今日この頃です。プロデューサーからの戦略を受け止め、現場ではエンジニアとモックアップに向き合う…。
チームのコミュニケーションの中核を担って動き回る姿が、最近のデザイナー像として目に浮かびます。

そんな、チームの中で発揮するべき要素を取り入れたスキルが、今回の “ 標準スキル ” 9分類です。

コミュニケーションの中核を担うデザイナー

基礎スキル 9分類 標準スキル 9分類
バランス感 コミニケーション
アートワーク 基礎構築
レギュレーションの理解 情報整理
スケジュール感 言語化
ヒアリング 運用
オペレーション テクニカルスキル
プレゼンテーション スケジュールマネジメント
トレンドキャッチアップ 検証
実装の理解 ワークフロー最適化

誤解がないよう一旦

ここまでの内容を振り返ってみると、如何にも “ 基礎スキル ” から “ 標準スキル ” へ、ステップアップするという見え方になりがちですが、必ずしもそうはなり得ないということを書き加えたいと思います。それは、個人としてのレベルが高く、人の2倍、3倍と仕事をこなす職人的なデザイナーが存在するからです。

ある程度の年次を経たデザイナーを “ 標準スキル ” のシートでフィードバックしようとした時、「なんか書きにくいなー…」と感じることがあります。こんなデザイナーは、受けた仕事をたんたんとこなし、パフォーマンスを出す職人タイプなのかもしれません。


・イラストが描けるため仕事の専門性が高い。
・デザイン、コーディングができ実装まで1人で完結してしまう。
・そもそも仕事がめちゃくちゃ速い。

こんなタイプのデザイナーには、あえて “ 基礎スキル ” のシートでフィードバックしても良いと思います。個人のスキルを磨き上げ高みを目指してこそ、本来のデザイナーの道だと思います!

標準スキルのフィードバック

“ 標準スキル ” のデザイナーは、 “ 基礎スキル ” のように個人だけのポテンシャルで判断できない部分が存在します。プロジェクトメンバーとのやりとりに関わるスキルが多いため、そのチームのコンディションにも目を向ける必要があります。

「デザインも実装も悪くはないけど、なんかうまくいかない時がある…」

そんなチームの課題を俯瞰しながら、デザイナーに求められるスキルをチューニングしていきます。

例えば…

UIやイメージをロジカルに構築して、クリエイティブに落とし込む作業は、デザイナーにとって最も重要とも言えるスキルです。今回の9分類の中で言うと “言語化” がこれにあたるスキルになります。

“言語化” が得意なデザイナーに、1つハマりやすい落とし穴があります。それに対し、カバーできるポイントとしては “検証” があげられます。

事例としては、自分の考えた理論に自信過剰になり、それがバイアスになってしまうケースです。これをチームメンバーに共有し、押し通すようなことがあれば、メンバーとしては「理屈はかるけど、なんか違う気がする」と言ったふうに、コミュニケーションに摩擦を生んでしまう可能性があります。

こんなデザイナーには「言語化は素晴らしいスキル!検証も忘れずに。」と言ったフィードバックをします。

言語化と検証

他にも“テクニカルスキル” が高く、作業がワンマンになることで過剰に時間の浪費をしてしまい、結果的にチームのボトルネックになってしまうデザイナーには「テクニカル面の動き方をするなら、“ワークフロー最適化” をした方が良いかも?」と言ったフィードバックとなります。

“ 基礎構築 ” の1つであるガイドラインを細かく作り込むことが得意だが、ガイドラインに囚われすぎて、新しい機能に適したページを柔軟に作ることができない、と言った場合には「 “ 情報整理 ” を見直して、“ 運用 ” フローを再構築できるようにしよう 」など、2つのスキルをセットでフィードバックすることもあります。

標準スキル

それでは今回の9分類の個別説明に入ります。


コミュニケーション

目的を “引き出す力”、“伝える力” 会話の中からヒントを掴みクリエイティブに落とす。または、メンバーの間に入り問題を解決できる。

少し概念として大きいですが、チームの中核で動くには避けては通れません。


基礎構築

デザインガイド設計から開発・運用フローの設計をし、他の開発メンバーやデザイナーメンバーに共有する。

ブランディングやプロダクトの運用、ビジネスについてなど右脳と左脳を駆使してクリエイティブの軸を作り上げるスキル。


情報整理

戦略・目的を理解しUIやビジュアルに落としこむスキル。
情報を集約して取捨選択しプライオリティを作る、プロダクトのストーリーを構成しながら仕上げることができます。


言語化

クリエイティブを意図して作りその説明ができる。またはプロセスやそこに至った経緯を言語化して残すことができる。

特にデザインは「なんとなく良い」または「悪い」の判断が多くなりがちです。
「なぜ?」を深めて考えるスキル。


運用

軸をぶらさず課題を解決しながら最適化できるスキル。トレンドを取り入れながら、ルールやトンマナをアップデートできる。
これらのケアを怠っては、長く愛されるプロダクトは生まれません。


テクニカルスキル

プログラミングの知識やコーディングができ、インタラクションやアニメーションのコンセプトが作れる。
エンジニアの技術をデザイナー観点へ変換できるスキル。

モックの前ではどんな資料も机上の空論になってしまう今日この頃です。コミニケーション以上にものを言うことがあります。


スケジュールマネジメント

クリエイティブ、開発全体の進行をマネジメントできるスキル。他のデザイナーメンバーの制作期間やチェックポイントを提示する。エンジニアの工数を理解してスケジュールをディレクションできる。

実装完了がゴールではなく、あくまでもプロダクトのクオリティに向き合いブラッシアップし、着地点をどこにするのかを示す事が重要。


検証

競合やトレンドをリサーチし、プロダクトに反映するスキル。プロトタイプやユーザーテストでの検証を通して再設計することができる。

言語化を徹底するあまりクリエイティブが理屈だけの存在になりがちです。検証データを元に事実に向き合うことも大切です。


ワークフロー最適化

デザイナーの作業環境はもちろん、プロデューサーやエンジニアとのやりとりにおけるコミュニケーションを改善することができる。

チーム内での障害や課題を解決して最適なワークフローを作る。
クリエイティブの現場をデザインできるスキル。


まとめ

トレンドや時流を追い続けることはデザイナーにとって、重要なスキルだと思います。大半のデザイナーは知識に飢えているかのように新しいものに飛びつこうとします。弊社でも社内勉強会を開催すると、ほぼ全てのデザイナーが参加したりします。

ただ、目を向ける方向は常に最先端とは限りません。本人のスキルをポディショニングして振り返ってもらう方法が、今回の18分類です。

また、18分類の上位スキルとして、デザイナーのリーダーがもつべきスキル9分類も既にまとめてありますので、また機会を改め書きたいと思っています。

それでは、2回に渡っての投稿でしたが、読んでいただきありがとうございました!


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inoue Tatsunori
Amebaでメディアサービスの立ち上げを複数担当。現在はコマースサービス「VILECT」のクリエイティブ責任者を務める。