『アメーバピグ』デザイナーがリレー形式でお届けする本シリーズ。毎月数百点のイラストをリリースしている『アメーバピグ』では、“クオリティを担保しつついかに早くイラストを仕上げるか”がポイントとなってきます。 そんな開発現場で培われたノウハウを、実例を元にご紹介していきます!
こんにちは。アメーバピグ デザイナーの坂本です?
アメーバピグのイラストレーションについてご紹介するシリーズの第4回目。
今回は“ピグらしい可愛さ”について紐解いて書いていきたいと思います。
今年でなんとサービス8周年を迎え、今も多くのユーザーに愛されるアメーバピグ。
愛され続ける理由の1つは何と言ってもピグらしい可愛いイラストだと思います。
でも、“ピグらしい可愛さ”って何でしょうか? ?
突然ですが、上の2頭のライオンのどちらが可愛いと感じましたか?
どちらも可愛いのですが、
右の方がなんだか可愛い? ?と感じた人が多いと思います。
実はピグのイラストの中には、
この“なんだか可愛い”と感じさせるポイントがいたるところに隠されています。
それを知ることが、イラストを可愛くするためのヒントになるかもしれません。
今回は、わかりやすいように4つのピグの可愛いイラストを
“イマイチ可愛くない? ”と感じるよう、わざと改悪してみました。
これらの例を比べながら、”なんだか可愛い”と感じる理由を探っていきましょう。
2.イマイチ可愛くないテディベア
3.イマイチ可愛くないサメ
4.イマイチ可愛くない藁葺き屋根
1.イマイチ可愛くない園児
この2人の園児の顔を比べてみると、右のほうが可愛く感じませんか?
この2人の園児は、目の位置だけを少し変えてあります。
目の位置が高いと少し大人びて見え、
逆に目の位置が下方にある方が幼く可愛く見えますね。
「目が大きくて可愛いね」「目がクリっとしてて可愛いね」と良く言いますが、
実は大きさだけでなく位置も非常に重要だということがわかります?
2.イマイチ可愛くないテディベア
次にこの2つのテディベアを比べてみましょう。
左はイマイチ可愛くない・・・ような気がしませんか?
この2つの違いは頭身です。
目鼻のバランスと同じくらい頭身も大事になってきます。
この図のように、少し頭でっかちの方が可愛らしい印象になりますね。
逆に体が大きく頭が小さいと大人びた印象になります。
ピグに登場するぬいぐるみのほとんどは右のような頭身になっています。
3.イマイチ可愛くないサメ
今度は2匹のサメを比べてみましょう。
顔のバランスや頭身は一緒ですが、シルエットに注目してみてください。
本来サメというのは鋭利なヒレや歯があるのが特徴ですが、
それをそのままの形で表現している左のイラストは
”可愛い”というより”カッコイイ”印象に近いのではないでしょうか?
ピグではそんなサメさえも”可愛い”と感じさせるために、
右のイラストのようになるべく鋭利な角をそぎ落として
丸っこく、柔らかそうに見えるようなシルエットに落とし込まれているのです。
シルエットに関する例をもうひとつだけ見てみましょう?
4.イマイチ可愛くない茅葺き屋根
“可愛い”と感じるのは、動物など顔があるものだけではありません。
最後に下の茅葺き屋根のお家を比べて見てください。
ぱっと見、なんとなく右のほうが可愛い印象を受けるのではないでしょうか。
屋根そのもののシルエットにも差がありますが、右のお家の横には柿の木が生えていますね。実はこれを入れることで、淡白になりがちな構造物の全体的なシルエットに丸みを与え、より柔らかな印象にしているのです。
このように、先ほどのサメと同様
無機質なものにも丸っこさを出すことで”可愛い”と感じさせることができます。
いかがだったでしょうか?
このように、ピグではアバターや動物はもちろん、お家や家具、草木までも可愛いと感じさせるよう、バランスやシルエットにこだわって描かれています。
今回ご紹介した
・目がやや下にある顔のバランス
・体に対して頭でっかちの頭身
・ぷりっと丸いシルエット
これらのポイントは、実は
ベビースキーマと呼ばれる赤ちゃんの持つ特徴でもあるのです?❗️
“ピグらしくて可愛い”というのは、“赤ちゃんぽくて可愛い”とも言い換えられるのかもしれませんね? ?
これが冒頭でお見せした右側のライオンが”なんだか可愛い”と感じた理由なのだと思います。
ただし、“可愛い”というのはかなり広義で感覚的な言葉なので、
“ピグらしい可愛さ”が必ずしも絶対ではありません。
あくまで1つの方程式として、今回紹介した3つの例が少しでもイラストを描く際のヒントになれば幸いです☺️ ✏️
イラストを描くのが初心者の方でも分かりやすい解説つきで、アメーバピグのデザイナーが連載をしていきます。
次回もどうぞお楽しみに!
アメーバピグの最新情報はこちらから→http://ameblo.jp/pigg-staff/entrylist.html