みなさんこんにちは。
アドテクスタジオに所属している makocchi です。

本記事は CyberAgent Developers Advent Calendar 2017 の 2 日目の記事になります。

本日はテックゼミという制度の紹介と、そのテックゼミで Kubernetes Experts ゼミを立ち上げたお話をさせて頂きます。

テックゼミとは?

テックゼミとは全社横断で最新技術等の研究をゼミ形式で実施していく制度になります。
日頃仕事の中で利用する技術を超えて、もっと探求したい技術や利用を検討するのに時間の必要な技術などを研究する時間を作ろうということで生まれました。
技術を研究したいというゼミ長に数人のゼミ生が集まって技術の調査や検証などができる、まさに大学のゼミをそのまま制度にしたものです。
正社員及び契約社員であれば参加することができ、業務時間の中で研究をすることができます。
また、ゼミ活動する際に必要なものと認められればある程度の予算を申請、使用することができます。

実は所属しているアドテクスタジオには既にゼミ制度(その名もアドテクスキルアップゼミ)があり、現在まで 3 年半以上運用されてきました。
好奇心とチャレンジがスキルを磨く。「アドテクスキルアップゼミ」が生み出すカルチャーとは

今回新しく始まったテックゼミですが、アドテクスキルアップゼミと違う点は対象となる参加者がグループ会社含めた全社であるということです。
アドテクスタジオは 300 名程度の組織ですが、全社となるとその規模は 4500 人程になります。
また、アドテクスキルアップゼミではアドテクの事業に関わる技術を研究することが目的でしたが、テックゼミではサイバーエージェントとして何か技術的に貢献できることが求められるということになります。
つまりゼミ長はそれなりのプレッシャーが掛かることになる反面、達成できればかなり充実感が得られることになるでしょう!
そんなわけでこのチャンスを活かすべく、Kubernetes Experts ゼミのゼミ長として立候補させて頂きました。

Kubernetes Experts ゼミについて

ゼミを立ち上げた背景

サイバーエージェント内では Google Cloud Platfrom(GCP) での GKE の利用や、オンプレ環境で Kubernetes を展開する仕組み(AKE)が整ってきたこともあり、Kubernetes の利用が進んでいます。
世間的にも Docker が Kubernetes Integration を発表したり、Mesosphere DC/OS が Kubernetes をサポートすると発表したりと、Kubernetes はアプリケーションを動かすインフラとしての側面で覇権を取りつつあると言え、Kubernetes を扱うことができるかどうかでエンジニアとして活躍できるフィールドが変わってくると思われます。 Kubernetes をより深く理解し、その知見をゼミ生の各プロダクトに持ち帰ることで開発や運用がより効率よく回るようになれば サイバーエージェント全体として技術的な貢献に繋がると思い、ゼミを立ち上げることにしました。

また、もう一つの背景としては Kubernetes の運用の仕方のナレッジを共有したかったという点があります。
所属するアドテクスタジオでも Kubernetes は使われていますが、アドテクスタジオではない部署で Kubernetes をどのように運用しているのか、なかなか情報を集める機会がなかったのでこの全社横断のテックゼミを通じてアドテクスタジオ外のエンジニアといろいろ議論したかったという個人的な背景もありました。

ゼミの目標

Kubernetes Experts ゼミは下記の目標を達成したいと思っています。

CKA については後ほど説明させて頂きます。
技術的な発表については定期的に開催されている Kubernetes Meetup Tokyo 等で発表することが出来たらいいなと思っていますが、サイバーエージェント主催で Kubernetes の技術カンファレンスのようなものを開催することも検討しています。
まだ具体的なお話はできないのですが、水面下でいろいろ動いていますので今後ご期待下さい!
電子書籍化に関しては現実的には難しいかもしれないのですが、挑戦したいと思っています。Kubernetes に関しては日本語の技術書が現時点で無いので技術書のようなものを出したいと思っていますが、正直なところゼミに許された活動時間だけではなかなか難しいと思っています。しかし電子書籍化までは行かなくても、この developers blog のような技術 blog にて知見をいろいろ出すことは最低限していこうと思っています。

Certified Kubernetes Administrator(CKA) とは

CKA は The Linux Foundation Project の一つである Cloud Native Computing Foundation(CNCF) が出している資格試験の 1 つです。
GA リリースされたのは 2017 年 9 月ですので非常に新しい資格試験となっています。
試験の形式は全て実技形式で、Kubernetes の構築、設定、アプリケーションの deploy まで非常に幅広い知識が必要とされます。
(出題される問題のカテゴリはこちらに公開されています)

試験時間は 4 時間となっており、PC のモニターから試験官に監視されながら実技をこなしていくことになりますので、相当な集中力を必要とされるタフな試験です。
4 時間というと結構な時間だと思うかもしれませんが、全て実技試験ですのでどうしても確認に時間がかかったりするのであまり余裕は無いと思ったほうがいいでしょう。
幸いにも試験中はインターネットへのアクセスは許可されていますので、すべてを暗記する必要はありません。
ですので如何に情報を上手くまとめておくか、その準備が試験の結果を左右すると言ってもいいでしょう。

ゼミ長である私はゼミ長の威厳を保つべくテックゼミが始まる前に資格を取得しておきました。(詳しくはこちら)

CKA は CNCF が出している資格ということで世界的にも通用するはずですし、何より始まったばかりの試験ということで世界的にもまだ取得者の数が少ない資格です。
サイバーエージェントとしてこの新しい資格を取得する人数を増やすことで Kubernetes に対する技術力のアピールに繋がればいいなと思っています。

ゼミ活動の様子

現時点で Kubernetes Experts ゼミは 8 人の応募があり、ゼミ長含めて 9 人で活動しています。
まずは 7 人が CKA の資格取得者になるべく、毎週 Kubernetes について勉強しています。(既に 9 人中 2 人 CKA 取得済み)

 

Kubernetes Expertsゼミの様子

普段 GKE しか触っていないエンジニアも Kubernetes の構築をゼロから頑張っています!

最後に

本日は Kubernetes Experts ゼミについてご紹介させて頂きました。
まだテックゼミの制度は始まったばかりです。このようなゼミのゼミ長というのは未経験なので手探り状態で進めていますが、初代テックゼミ長として Kubernetes Experts ゼミは絶対に成功させたいと思っています。
また、間もなく開催される KubeCon + CloudNativeCon North America 2017 にも Kubernets Experts ゼミから 2 名参加予定です。
現地での日本人会の開催や帰国後の報告会も開催予定ですので、是非参加して頂ければと思います。