こんにちは、アドテクスタジオ 業務推進室の伊藤 淳貴(@wildtiger0713)です。

 

VP of Engineeringという言葉をご存知でしょうか?

 

海外の企業ではそういった肩書きで働くエンジニアが増えており近年よく耳にするようになりましたが、日本は一部を除き、まだそれほど多くの企業では導入されておらず浸透しきってはいないようです。

VP of Engineeringとは

VP(Vice President) of Engineeringとは一言で言うとエンジニアリング組織の全体を成功に導く最高責任者です。CTOが組織やサービスに最適な技術戦略、技術方針を描くのに特化しているのに対して、VP of Engineeringには採用、育成、評価などを含みエンジニア組織が最大のパフォーマンスを発揮するためのあらゆる役割が求められます。(VP of Engineeringという役割が存在しない組織においては、CTOや現場のエンジニアリングマネージャーがそういった役割を兼ねていることが多いかと思います)

 

サイバーエージェントにおいてはVP of Engineeringという役職で働くエンジニアはまだ存在しませんが、そういった役割を担う人、チームは存在しています。よいプロダクトを継続的に生み出し、自己成長を続けられる強いエンジニア組織はどんな文化や価値観を持っているのか。エンジニアが充実感と成長を感じながら日々プロダクトに向き合える働きやすい組織を作るために大切にしていることは何なのか。恐らく、どこの企業においても、それぞれの組織作りの中で試行錯誤を繰り返しながら、そういったことを考える役割を誰かが担っていることかと思います。

 

そこで今回、各企業で組織マネージメントに携わり、同じ課題感を持つエンジニアの同志達を集め、「VP of Engineering meetup by CA」と題してVP of Engineering = エンジニア組織のマネージメントをテーマにしたMeetupを開催させて頂きましたので、イベントの様子をレポートしたいと思います!

 

『エンジニアのパフォーマンスを最大化させる組織活性化施策とは』

伊藤淳貴

(株式会社サイバーエージェント アドテクスタジオ 業務推進室 伊藤淳貴)

 

最初の登壇者はアドテクスタジオでエンジニア組織の活性化、施策推進などを担当している私、伊藤が担当させて頂きました。

アドテクスタジオで実践しているエンジニア向けの活性化施策を少し紹介させて頂き、そういった施策を通じてエンジニアにどういう働き方をしてほしいのかの組織メッセージを伝えていくことで組織文化が出来上がっていくということと、その際に施策の推進者が意識しておきたいこと、特にエンジニアならではの価値観がどういうもので成り立っていて、どういった点を意識すれは協力者や参加者が気持ちよく、やりがいを感じて内発的な動機に沿って活動してくれるのかを、自分の経験や失敗談を通じて話させて頂きました。

 

 

『エンジニア横軸組織の変遷』

白井 英

(株式会社サイバーエージェント SGE CTO 白井 英)

 

2人目はサイバーエージェントのゲームやエンターテイメント事業に携わる子会社の連合組織「SGE」のCTO 白井さん。

「SGE」の設立から現在に至るまで、組織のフェーズに沿ってエンジニアボード(横串組織)がどのように変化し機能していったのか、その時期ごとの課題感や実行した施策とその狙い、反省点などを話してくれました。組織全体をよい方向に向けるためにはエンジニアだけに向き合っていてもだめで、ビジネス職など他の職種や経営層にもエンジニアへの理解を深めてもらい信頼を勝ち取る必要があり、そのためにはエンジニアの活躍を発信していくことも大切との言葉が印象的でした。

 

 

『エンジニアを採用する技術』

藤原 聖

(株式会社サイバーエージェント メディア統括本部 エンジニアリングマネージャー 藤原 聖)

 

3人目はAbemaTVなどを含むメディア統括本部でエンジニアリングマネージャー兼、技術人事を努める藤原さん。

エンジニア出身者ならではの視点で採用というものに向き合い、如何に自社を知って興味を持ってもらい、実際に入社へのアクションに繋げてもらうかをマーケティングで用いられる『AIDMAの法則』や『Dual AISASの法則』に沿って考えるアプローチを紹介されていました。まず内部の社員の満足度を高めることで、社員自らが自社の魅力の発信者になっていってくれるという考え方にとても共感しました。またエンジニア向けの勉強会の開催が会社としてのエンジニアコミュニティへの貢献として重要であるのと同時に、自社の技術力や優秀なエンジニアへの対外広報にもなるという点も参考になりました。

 

 

『横断組織の失敗から学ぶこと 』

門田 矩明

(株式会社CyberZ, F.O.X サービスマネージャー 門田 矩明)

 

最後の登壇者は株式会社CyberZで『F.O.X』のサービスマネージャーを努める門田さん。

約1年前に自ら課題感を持って立ち上げた技術横断組織について、目指したことと実際に起こったこと、そして解散にあたって失敗から学んだ教訓を話してくれました。強い権限は諸刃の剣であることや、横串組織に権限を持たせる時は本当に必要な権限なのかを現場の目線で考えなえればならないことが刺さりました。撤退ラインを予め決めておくというのも事業のみならず組織の単位でも確かに考える必要があることですね。

 

 

パネルディスカッション

パネルディスカッションの様子

横道 稔

(株式会社サイバーエージェント AI Messenger エンジニアリング・マネージャー 横道 稔)

 

懇親会でのパネルディスカッションでは、モデレーターにアドテクスタジオ AI Messengerでエンジニアリング・マネージャーを努める横道 稔さんを招き、Twitterの投稿から拾った質問への回答や、今回の発表中には触れられていなかったエンジニアの評価の話など、組織マネージメントに関わる様々なテーマに触れ、お酒の入った場だからこそのぶっちゃけトークもありとても盛り上がりました。パネル後も各所で議論が尽きず、予定時間を大幅に過ぎて遅い時間までの開催になってしまいましたが、それだけ集まって頂いた皆さんの課題感と一致したテーマだったのかなと思っています。

 

嬉しいことに第2回の開催を望む声も既に各所から頂いており、我々運営メンバーも初めての試みで試行錯誤ながらも手応えを感じることができました。セッション後のアンケートで頂いた参加者の皆様の貴重な意見も参考にさせて頂き、更にバージョンアップして第2回を開催できればと考えています!
(今回都合が合わずに参加できなかったかたも次回の参加をお待ちしています!)

 

 

発表スライド