(左)狩野智輝(カノウトモキ)2019年内定者。
(中央)柳耕太(ヤナギコウタ)2017年新卒入社。アメブロのフロントエンドエンジニア。
(右)菅原良太(スガワラリョウタ)2014年新卒入社。アメブロのフロントエンドエンジニア。
サイバーエージェントにはメディア部門のフロントエンドエンジニアが発足させ活動している「Web Initiative Center(以下WIC)」というものが存在します。
WICとは、Webのプロダクト品質の横断的な向上と、Web技術を使ったチャレンジがしやすい環境の整備を目的として立ち上げられた社内プロジェクトで、これによってWeb開発の品質を高め、「21世紀を代表する会社を創る」というサイバーエージェントのビジョンに相応しい、WebサイトやWebアプリケーションを提供できる環境を目指すべく活動しています。
2016年4月の所信表明から約2年半。開始当初はメディア管轄を中心に運営していたこのプロジェクトが、全社に広がって活動している、ということなので話を聞いてみました。
Webフロントエンドのつながりを全社横断に広げていきたい
– WICの目的は「Webのプロダクト品質の横断的な向上」と「Web技術を使ったチャレンジがしやすい環境作り」です。ここ数ヶ月はどんな活動をしていますか?
(菅原)WICは社内のWebフロントエンドに関する社内活性化活動や対外的なブランディングなどを行っていて、僕も運営に関わってきました。これまでWICは様々なプロダクトからの相談を受けてきたのですが、それは主にメディア管轄内に限られていました。最近は、活動の範囲を全社横断で広げ、サイバーエージェント全体のフロントエンドを良くしていくことを目標にしています。そのためにまず、管轄関係なく全社のWebフロントエンジニアを対象にしたLT&懇親会「WIC Meetup」を開催しました。
サイバーエージェントのエンジニアは主に「メディア事業」「アドテク 事業」「ゲーム事業」のいずれかに所属しているのですが、エンジニアの数は総勢1000人を超えていて、管轄が違うと、交流を持てる機会が少なかったのです。実際、アドテクやゲーム事業部の人から「もっとWebフロントエンジニアでつながりが欲しい」と言われることも多く、そのような意見も今回のイベントを開催した理由の1つです。
– つながりをもてないデメリットとは?
(柳)例えばプロダクトでフロントエンドのエンジニアが1人しかいない場合などは、レビューを受けることもできずに技術的に孤立する状況になることです。
メディア管轄内では約2年半のWICの活動のおかげで、こういった状況が起こりにくくなっていて、例えばアクセシビリティをやりたいが、何から始めたら良いのか分からないといったケースでは、既にアクセシビリティに取り組んでいるエンジニアにアドバイスをもらえる環境ができています。しかしメディア以外の部署では、気軽に聞ける人が周りに見つけられないケースもありました。
(菅原)メディアにはアメブロやAbema TV、FRESH LIVE等、複数のサービスがあるためWebフロントエンドエンジニアの人数も多いのですが、他の部署では決して多いとは言えないですよね。人が多いところなら、上の人に引っ張ってもらう形でスキルを成長させたり技術的な戦略を考えることができます。しかし1人でやっていると相談もできず、スキルアップも自分でやるしかない。結果として社内で環境の格差が生じてしまうんです。
(柳)まずはつながりを持って知り合いを増やし、ゲームや広告の管轄でフロントエンドをやっている人も悩みを相談しやすくなる環境を作っていく。今回のイベントはそういった組織づくりの一環として開催しました。
– 少数精鋭でプロダクト開発できる裁量権のメリットの反面、そういう機会損失も生まれやすいということなんですね。
(菅原)プロダクトを1人で見ているケースはメディアの中でも少なからずありますし、チャレンジ自体は自由にできる風潮です。ただ1人では解決が難しい課題にぶつかった時、相談しやすい人がいたほうが先に進みやすいと思います。
あるいは同じ悩みを別々の場所で抱えているという可能性もありますし、すでに他のプロダクトで通った道だったという可能性もあります。社内ノウハウの最大化という意味でも横のつながりは重要だと考えていたのと、もう1つの目的として、逆にこちらからもアプローチしやすい環境を作りたいという狙いもありました。桝田さん(@masuP9)と土岐さん(@tokimariri)が力を入れているアクセシビリティーの啓蒙活動のように、接点を持つことでWICから社内全体のWebフロントエンドの品質を上げていくような働きかけをしていければと思っています。
同じWebフロントエンドでもプロダクトが変わればアプローチも変わる
– 他部署のWebフロントエンジニアとはどういった話をするのですか?
(菅原)同じフロントエンドと言っても、メディア、ゲーム、アドテクではやっていることが全く違うので、技術的な話をした時にすごく新鮮な情報が入ってくるんです。成果物が変われば同じ技術領域でもアプローチの仕方が全く変わる。異なる観点からの話を聞けたことは良い刺激になりました。
(柳)例えば、QUREOは当たり判定をWebで頑張る話とか。
(菅原)僕らは普段当たり判定なんて全く考えたことがないですからね。
(柳)ゲーム的な考えを導入したという話や、オブジェクトとオブジェクトの当たり判定の話とか、Webでここまでやれるんだという話をしてくれてとても興味深かったです。また、今回のMeetupはTwitterで「#wic_meetup」というハッシュタグを作って実況していたのですが、身内しかいないのにTwitterトレンドで7位になったりして盛り上がりました。社外の人も結構反応してくれていたので、このような事がきっかけで、サイバーエージェントのフロントエンドって何か面白そうだな、と思ってもらえたら嬉しいですね。
今後は年2回ぐらいのペースでMeetupを実施していきたい
– 今後の活動について教えてください。
(菅原)今後も1年に2回ぐらい、またはもう少し多いぐらいのペースでMeetupを開催したいと考えています。あとは対外的にサイバーエージェントのフロントエンジニア組織自体のブランディング活動をしていきたいですね。その1つとして、メディア管轄のメンバーが主催するFrontrend(フロントレンド)という、 Web フロントエンド技術に関するセミナーを、社外からも参加者を募って年に2回程度開催しているのですが、これも管轄を跨いでやっていきたいですね。