弊社には、役員と社員がチームを組み、サイバーエージェントの“あした”をつくる新規事業案や課題解決案などを社長に直接提案する1泊2日の合宿「あした会議」と呼ばれる合宿が存在します。これは2006年1月~始まった10年以上続く制度で、”チーム・サイバーエージェントで会社を良くしていく”という姿勢が現われている取り組みの1つです。

今回は、この「あした会議」から派生して ”技術広報を加速させる” をテーマに、所属を跨いだ管轄・子会社・広報30人が集結し、半日がかりで藤田社長に技術広報施策を直接提案する「テックブランドサミット 」が開催され、全30案の提案のうち21施策の実行が決定しました。

”技術広報を加速させたい” ワケ

サイバーエージェントの事業はメディア・広告・ゲームと他事業に渡り、子会社も多く存在します。2018年11月現在、グループ会社を含めたエンジニアの数は2000人を超えます。各管轄・各子会社・各事業において技術の裁量を持っているため、それぞれ独自のエンジニア文化が存在し、広報施策もそれぞれが自由に行っています。そのフレキシブルさがサイバーエージェントらしさである一方、サイバーエージェントとしての技術ブランドをより強化したい想いがありました。

このような背景を受け、開催に至った「テックブランドサミット 」では、全6チームが5案づつ提案し、藤田社長が実施可否を判断していきました。質疑応答後、その場で判断が下されるため、決定案が出る度に会場は大いに盛り上がりました。

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(当日の雰囲気。チームごとのテーブルに分かれ、1案づつ藤田社長に提案していきます)

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(プレゼンは1案3分以内のルール。背景の金屏風が結婚記者会見のような雰囲気です笑)

決議された施策の一部をご紹介します!

OSSを推進する新組織 CAOS(カオス)の発足

・会社としてオープンソースソフトウェアを推進する。

・CAはほぼ全てのプロダクトでOSSが使われているので、会社としてきちんとOSSに還元したい。

・OSSで活躍するエンジニアは尊敬できるし、活発な会社は魅力的。

・OSS推進室を設置し、OSS環境やポリシーを整えたい。

社外向けCyberAgent技術カンファレンスの実施

・社内向け技術カンファレンスCA BASE CAMPとは別に、社外向けの技術カンファレンスを実施したい。

・社内は活性化が目的なので、目的に応じて分けたい。

社内ISCONの実施

・バックエンドエンジニアを社内外含めてもっと盛り上げたい。

・過去に実施例のある社内ISUCONを復活させたい。

・副次的効果として、エンジニアのスキルアップにも繋がるのでは?

採用募集ページのリニューアル

・社内で公開している各部署の紹介ページを、採用ページでも公開。

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※サイバーエージェントでは、社内でキャリアチェンジを希望する人向けに、自分たちの部署の魅力や、仕事内容について紹介するページが存在し、登録部署は約400にものぼります。

総評

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藤田社長 

「正直、社長自身に技術イメージがないとか、キラキライメージなどが覆いかぶさって、技術広報観点としては、他社よりもマイナスからのスタートかもしれません。それを払拭する最大のソリューションは手数を増やすこと。なので、今回決議案が21案出せたことは非常に良かったと思っています」

執行役員(技術開発管轄)長瀬 

サイバーエージェントの技術広報を強化するに十分な数の決議がされました。「経営課題に対して現場のエンジニアが自分事化して向き合い社長に提案する」風通しの良さやボトムアップの仕組みが当社の強みだと改めて感じました。これからの実行が大変ですが、みんなの協力を借りてチームサイバーエージェントで取り組んでいきたいと思います。

参加メンバーの声

優勝チームのリーダー・マギーさん

今回は社内外に対する技術広報案の提案ということで、みんなが楽しく働けるような、頑張りが伝えられるような、それが結果ブランディングに繋がるような案を出したいね、という話がメンバーとの会話で発生し、案出しをしていきました。結果21もの決議案が作れて良かったと思います。これらを実行するまでがミッションなので、ひとつひとつ実現に向けて動いていきたいと思います。
また今回改めて、社内でも知らない他部署の取り組みが沢山あることにも気づくことができました。これをきっかけにまた各部署の特色を掛け合わせた取り組みが増え、技術とブランディングの良いサイクルが生まれるといいなと思います。

アプリボットから参加のシマさん

各部署で活躍しているメンバーと議論・情報共有ができて、非常に有意義な会でした。ただ、エンジニア視点から見た課題とその解決は議論できていたものの、広報という観点で施策のトータルコーディネートが甘かったという反省があります。施策は課題解決に手を打てれば良いものではなく、見え方や運用まで突き詰めて考えることが重要だと痛感しました。かなりの数が決まったので、大きなインパクトを残せるよう遂行まできっちりやっていきましょう!

立候補参加の新卒2年目・シバタくん

以前より業務の中で普段利用しているソフトウェアにもっと貢献したい気持ちを抱えていたので、これを機に技術組織としての課題を考える場に参加したいと思い立候補しました。結果として他のチームからこの課題の解決につながる案が提案・決議され、非常に良かったと思っています。また自分のチームで提案した社内ISUCONの実施案も決議されました。サイバーエージェントのバックエンドエンジニアが楽しみながら技術力の向上に取り組んでいけるよう、面白い問題を作りたいと、今からワクワクしています。

広報から参加

提案数は5案と決められているにも関わらず、30案用意してきたチームがあったり、半日合宿を実施するチームがあったり、発表できなかった案を懇親会で藤田社長に追加提案するメンバーがいたり、エンジニア自身が、自分たちの会社・技術について知ってもらいたい気持ちが伝わってきたことが印象的でした。当日は社内向けSNSで、その様子が実況されていたのですが、予想以上に多くのエンジニアから反応があり、皆が関心を持ってくれているテーマであることを嬉しく思いました。実行にあたっては広報チームも精一杯取り組みたいと思います。

最後に

懇親会の締めの挨拶をしてくれたエンジニアが「提案して終わりではない。実行に当たっても今日の参加者全員で協力・サポートしよう」と述べていましたが、このような「チーム・サイバーエージェントの意識を忘れない」1人1人の気持ちこそが、サイバーエージェント流なのかもしれません。

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(写真は優勝チームのリーダーによる乾杯挨拶)