2019年2月22日(金)セルリアンタワーにて、サイバーエージェントの2,000名を超える技術者に向けた全社技術カンファレンス『CA BASE CAMP』を開催しました。
本ブログでは、『CA BASE CAMP』にて行われたセッションの一部を、登壇スライドと共に順次公開していきます。

▼開催レポート
全54セッション。”技術のサイバーエージェントを加速させる” 全社技術カンファレンス『CA BASE CAMP 2019』レポート
https://developers.cyberagent.co.jp/blog/archives/19910/

※当セッションは三者対談のため、スライド掲載はなく書き起こし形式の記事です。

 

【セッション紹介】 

Ca Designは昨年2018年7月に設立した新しい会社です。Ca Designのご紹介と、インターネット広告事業本部の取り組みを方針戦略に基づき、我々CaDesignがこれから何を実践していくのか、皆さんにお伝えしたいと思います。

 

【スピーカー】

末永 剛 (Go Suenaga)
株式会社Ca Design 取締役

杉原 圭吾(Keigo Sugihara)
株式会社アマナ 執行役員
株式会社Ca Design 取締役

八島 智史(Satoshii Yashima)
株式会社アマナ 執行役員
株式会社Ca Design 取締役

 

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杉原)皆さん、こんにちは。Ca Designです。まずはじめに、登壇メンバーのご紹介をします。

 

末永)末永 剛です。Ca Designの取締役と現場のアートディレクター、デザイナーを担当しています。

 

杉原)杉原 圭吾です。私はアマナデザインからCa Design取締役として出向しておりまして、昨年からCa Designにジョインしております。よろしくお願いします。

 

八島)八島 智史です。僕だけ初めましての方ばかりだと思うんですが、普段はアマナにいるんですが、Ca Designの立ち上げを一緒にやらせていただきまして、今はCa Designの取締役も兼務させていただいております。

 

杉原)本日のアジェンダですが、

最初にCa Design設立の経緯、次にCAにとって合弁先のアマナについてのご紹介、また、アマナからみたサイバーエージェントとはどんな会社なのか、逆にサイバーエージェントからみたアマナはどんな会社なのかを両者からお伝えしつつ、今現在、インターネット広告事業本部全体の方針・戦略に基づいてCaDesignが取り組んでいること、広告デザインの今後、というアジェンダでお伝えしたいと思います。

 

 

サイバーエージェントはインターネット広告のスペシャリストであり、アマナはビジュアルコミュニケーションのエキスパートである。

 

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杉原)まずはCa Design設立の経緯ですが、最初に、我々を取り巻く外的トピックスをお伝えしたいと思います。

2019年、広告メディア費の取り扱いが、マス広告の中心であるTVメディアをインターネットメディアがいよいよ超えると言われています。

その背景としては、ナショナルクライアントをはじめとした多くの企業が、ユーザに対して伝えたいことを、伝わるように、いかに伝えていくかということを、インターネットを活用してコミュニケーションしていく、という重要性がうたわれている裏付けになります。

 

インターネット広告を運用していく上でとても大切なことは、みなさんがご存知の通り、メディアプラットフォームの理解であり、そこに載せるコンテンツ、すなわちクリエイティブの量と質です。

クライアントが広告運用していく上で、クリエイティブ制作の領域において、これらクライアントのニーズや課題解決を実現する、その一つの答えとしてこの合弁会社を設立しました。

サイバーエージェントはインターネット広告のスペシャリストであり、また、アマナはビジュアルコミュニケーションのエキスパートであり、この両者の強みを掛け合わせた、新会社Ca Designを昨年7月に設立しました。

 

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八島)サイバーエージェントにとっての合弁先であるアマナのご紹介をしたいと思います。

 

アマナという会社は一言でいうと、国内最大級のコンテンツスタジオです。

マス・非マスの広告から広告以外まで、様々なコンテンツのクリエーションやマーケティングやディストリビューションなど、色々なサービスをやっている会社です。よくストックフォトの会社ですか?と言われるんですが、ストックフォトは事業の一部でして、元々の創業ビジネスは、広告のビジュアル制作などのクリエイティブをメインにやっている会社です。

あとはよく写真を撮影する会社とも言われるんですが、実はCGとかもバリバリやっていますし、ドローンもやってます。VRとかARもやっていて、かなり多種多様なクリエイターが在籍している会社です。

 

年間で約2万件以上のプロジェクトに携わらせてもらっていまして、今も日々いろいろなクリエイティブが生まれている、すごくユニークな会社だと思います。特にユニークなのは事業の多様性でして、広告のクリエイティブもやっているし、メディアも運営している、アートフォト事業もやっている。アートフォトフィスティバルの主催なども行っていますし、先日は落合陽一さんと写真展を行なったり、カルチャー系からビジネス系まで幅広くやっています。国内では珍しいのかなと思います。

こんな会社がアマナです。

 

杉原)八島さんにとってサイバーエージェントとはどのような印象の会社ですか?

 

八島)僕はアマナの中で、サイバーエージェントと一緒に仕事をしていく一番の推進役をやっていまして、Ca Designをここにいる皆さんと立ち上げさせて頂きました。今までたくさんの広告代理店やクリエイティブの会社と仕事をしてきたのですが、サイバーエージェントほど、可能性に満ちた会社というのはなかなかない。と感じてます。

 

広告クリエイティブをやりたいけど、一昔前の広告クリエイターがすごく魅力ある仕事をできていた時代は、今はある側面ではなくなってきているのでは?とよく言われたりしますよね。確かに、昔ほどマス広告が消費者との接点にないのは事実なのですし、世の中の広告代理店でアートディレクター採用が少なくなっているとも聞きますしね。

 

でもそれは広告とかクリエイターとかの、クリエイティブのパワーが弱まっているとか必要なくなっているとかそういう話ではなくて、世の中の流れと、広告業界の会社にいる人が提供するべきサービスの間でアンマッチが起きているということだと思います。その中で時代の流れを一番掴んで事業を伸ばしているサイバーエージェントが、ある意味時代へのマッチ度No.1だと思っています(笑)それが今回一緒に組ませて頂きたいな、と思った一番の理由です。

 

杉原)このくらいの規模で、市場の成長以上の成長実績を作っている会社っていうのは、お世辞ではなく、CA以外にないなと、アマナグループとしてはかなり可能性を感じています。

逆にサイバーエージェントから見たアマナとはどんな印象の会社ですか?

 

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末永)写真のイメージが強いですね、写真の王様というか・・

 

八島)王様?ダサくないですか?(笑)

 

末永)王様、ボス、超すごい人たちの集まり(笑)

 

それこそ、写真撮影スタジオとして国内で最大規模なのは間違い無いですし、カメラマンの数と、ストックフォトなど、まず「ビジュアル・写真」というイメージは強くあります。

ただ、一昨年くらいにアマナさんにご招待いただいて、オフィスを見学させていただいたんですが、3DCG制作、フォトグラメトリー撮影、レタッチ、イラスト系、電子顕微鏡を使っての撮影、ドローン撮影のためのドローンの研究、食のシズルに特化したグループなどなど、本当に様々なポートフォリオをお持ちだと思います。

先入観で、昔からの大御所のカメラマンの方々が鎮座しているというイメージがあったんですが、八島さんにお会いして「こういうラディカルな方もいらっしゃるんだ!」という新しいイメージを持ちました。

 

あとは、当然ですが、アウトプットの質が高い。グラフィックのトップラインというイメージ。特徴的なところでいうと、レタッチの技術ですね。これだけレタッチャーさんがたくさんいて、多くのナレッジをお持ちの会社はそう無いと思います。先日依頼させていただいた、レタッチの案件でもクオリティが本当に素晴らしいと思いました。

 

八島)ありがとうございます!

 

杉原)サイバーエージェントとアマナデザインの合弁会社であるCa Designの現状を、末永さんからご紹介お願いします。

 

末永)Ca Designは設立当初、渋谷マークシティに籍を置いていましたが、オフィスを代官山に移し、2つのビルで60〜70名が在籍できるオフィスを設けました。

1つめの代官山フロントでは2F〜4Fがオフィスになっています。

 

 

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斜め向かいにある2つめのオフィスが、マンサードというビルで、アマナさんにトータルコンサルティングいただきました。内装は今若手で注目されている建築家の山本良介さん(ya)にデザインしていただきました。

このオフィス全体の写真はもちろんアマナのカメラマンさんに撮っていただきました。皆さんぜひ遊びにきてください。

 

 

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Ca designの中では約40名のクリエイターがいます。アマナデザインからも5名ほど出向で来ていただいていて、案件も一緒に入って仕事をしていただいています。

ほぼ、デザイナー・アートディレクターの集団です、いわゆるビジネスサイド(プロデューサー・プロジェクトマネジャー)は少数で、1割程度の構成になっています。

 

昨年7月に立ち上がって、そこからローンチしたものがあるのでご紹介します。

これはサントリー様のルジェというリキュールの広告です。撮影をアマナさんで撮影をし、デザインはCa Designのデザイナー、動画に起こすのもCa Designの動画チームで制作しました。Ca Designならではの連携で制作した事例になります。

 

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杉原)背景はCGで制作していますよね?

 

末永)そうですね。背景はCGチェンジャーという、サイバーエージェントグループの子会社と連携し制作しています。

また、タレントのアサインはCCPRと、キャスティング業務をメインに行うタレントイノベーション局にてアサインしてもらいました。各々クリエイティブ部署の連携によってワンストップの制作を実現した案件ですね。

デザイナーならではの作り方で動画を作っていきたい

 

末永)広告デザインの今後の話ですが、Ca Designって他のデザインプロダクションと同じでは意味がないと思っていますし、サイバーエージェントとアマナデザインの合弁でできた会社としての価値を、社内外的に打ち出していこうと考えています。

広告として、1コピー1クリエイティブの制作、CMのようなトップダウンのコミュニケーションはほぼ効かなくなっていて、世の中の多様化にともなって、マルチターゲット、マルチクリエイティブにシフトしています。

 

先ほどお話したように、他のデザインプロダクションはない無い価値を作っていかないと、ということで我々が注力しているプロジェクトに「Movie Designer」があります。

これは、広告効果最大化を追求する次世代広告クリエイティブソリューション。

動画の広告が今後マストになってきている中で、デザイナーはこのままでいいのか?静止画だけを作っていくだけでいいのか?と。

そこで今後は動画専門のクリエーターが動画を作るというルールを変え、デザイナーも動画を作っていく。デザイナーならではの作り方で制作された動画が、価値を持つと思っています。

 

杉原)「Movie Designer」の取り組みにおいて、合弁メリットを生かすということで、アマナグループにストックフォトを扱うアマナイメージズがあるのですが、こちらではたくさんの動画素材も扱っていまして、特に最近のトピックスでPOND5の動画素材も取り扱えるようになったこともうけ、これらを積極的に活用していこうと!

 

八島)そうですね、アマナイメージズが去年の12月に、世界最大の動画マーケットプレイス「POND5」と業務提携をしました。高品質の動画コンテンツを、CAグループの皆さんにも提供できるという枠組みを作りました。

アマナイメージズから、動画の素材でいうと約700万点以上で(これは日々アップデートして増えているんですが)、今後それ以上の動画素材を使えるように立て付けしていこうと思っています。

 

動画をすべて撮影するのではなくて、すでに撮影したたくさんのストックを使って、コピーを載せたり、グラフィカルなものを載せて、動画広告(モーションコンテンツといった方がよいかもしれません・・笑)を作っていく。

今までの撮影ありきで考えていたものとは、また違った動画の作り方をしていこうとしています。

 

杉原)動画制作において、イチから撮影しようとするとかなりのコストがかかってきますよね。

 

八島)そうですね。例えばたくさんのTVCMなどでも、我々がストック素材を提供したりしてますが、ひと昔前で同様のものを作るとなると、制作費はロケとかがあるので1000〜2000万とかかかってしまうのですが、たとえば動画のストックを活用すると数百万で作れてしまう。といったことが現実に起きています。

 

今後Ca Designでやっていくマルチクリエイティブはスピードも大事になってくる。PDCAを回して毎週毎週いろんなクリエイティブを作って配信して効果を見ていく時には、追加で再編集したり、素材を追加したりとか発生しますよね。その際に、こういう動画素材とか静止画素材をたくさんご提供しますので、それをどんどん使っていただいて、クリエイティブを回していくというのがいいんじゃないかと思っていますし、このプロジェクトのフレームである思っています。

 

末永)まさしくです。その上で、スマホの広告に最適化する。たとえばSNS系のプラットフォームのフィードにおいても、とにかく流れが早く、インパクトを出さないと指を止めてくれません。そこをどう突き詰めていくかという所にチャンスやヒントがあるのではないかと思います。

 

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動画のさらに次とは!?

 

杉原)では末永さん、最後のテーマ「広告デザインの今後」について、様々な切り口でお話しできるかと思いますが、どのように考えていますか?

 

末永)短期的に言えば動画であることは間違いないと思っていますが、その続き、その先に何があるのか?

今までのレールに乗っかってデザインを作っていくってだけじゃダメという危機感があります。そこに正解はなく、様々な可能性があるので、そんな話ができればと。

歴史ある総合代理店もTVCMが弱くなるとともに、いわゆるインターネット広告アダプトしてくるだろうし、外資にも様々なクリエイティブブティック、エージェンーがあり、さらに、GAFAがクリエイティブのチームを持ち競合し始めている。

その中で広告デザインってどうなっていくんだろうという。

うーん、、、

動画の次って、何がありますかね!?

 

八島)そんな振りありますか?(笑)

でも動画の次って、ビックイシューすぎてなんか即答できないんですが、僕がサイバーエージェントと一緒に組んでやっていていいなと思うのが、従来のクリエイティブの人たちって右脳派が多くて(たとえばアマナもそうだと思うんですが)、僕の勝手な皆さんの印象なんですが(右脳の方もいると思うんですけど・・)左脳に強いと思っているので、右脳と左脳がとてもいい感じにブレンドされている。それが今のマーケットに求められている、ハイブリット型の現在進行系の広告会社の在り方だと思うんです。

ソリューションだったり、専門性だったり、いる人材であったり、そういうハイブリッド度合いがとても重要であり、それは他の広告代理店ではできないし、制作だけやっている会社でもできないことだと思うので、サイバーエージェントとアマナだからこそできるところだと思っています。

 

杉原)両社の強みというものを掛け合わせてたくさんの質の高いアウトプットをしていきたいですよね。では、末永さん最後のまとめをお願いします。

 

末永)すごくシンプルに立ち戻ると、「見ている人がどう感じるか」がベースになっていて、そこの最適化が大事。しばらくは動画が広告デザインの中では筋だと思っていますが、その先に、デバイスが変わってきたらどうするんだろうとか、AI、機械学習の浸透によってデザインの作り方もクリエイターの関わり方も変わってくると思うので、そこに種を仕込む必要がありますね。

すこし哲学的なニュアンスかもしれませんが「どうして人は感動するんだろう」「どうして人は、このデザインを美しいと思うんだろう」みたいなところを、ロジカルに、それこそ左脳的な捉え方で分析していくことが「広告デザインの今後」のヒントなのかなと。それが正解かはわからないですけど。

 

八島)トヨタさんとソフトバンクさんの提携の例もそうですし、車だけでなく、例えば家電だって服だって、色々なものが今後サブスクライブされていくわけで、そうなると、「この商品いいよね」という広告ではなくて、どのようなライフスタイルの中で商品がインストールされていくかっていうストーリーを消費者に届けないといけなくなる。今までのような画一的な大きな広告ではなく、広告と非広告がうまく融合していく表現、プラットフォーム、メディアになっていく気がする。

 

だからたくさんのマルチクリエイティブを制作していくことは、それ自体は単なる手法なんですけど、次世代の広告領域のポイントなのかなと個人的に思います。

 

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皆さんご静聴ありがとうございました!