AI事業本部 Dynalyst の福原 (@fukuo33) です。
2013年に中途入社し、AI事業本部でバックエンドエンジニア、開発責任者を経験し、現在はDynalystでプロダクトマネージャーにチャレンジしています。

今回は、AI事業本部のプロダクト開発体制と開発責任者の責務を紹介し、それを支えるゼミ制度、JBフラクタル制度について解説したいと思います。

AI事業本部の開発体制

新卒社長 に代表されるように、サイバーエージェントは責任者に対して非常に大きな裁量を任せる文化を持つ会社です。
これは、子会社に限った話ではなく、社内プロダクトにおいても同様です。

現在、AI事業本部には子会社も含め20近くのプロダクトがあります。

Products | AI tech studio

この1プロダクトごとに、事業責任者、開発責任者が存在します。
事業責任者とはいわばCEO、開発責任者とはCTOで、実際に同等の責務/権限を持ちます。

Dynalyst では 木村 (kimura_shuhei) が事業責任者、黒崎 (kurochan) が開発責任者です。
またチームメンバーは基本的にプロダクトに所属します。

責務

プロダクト開発には、大まかに分けて

  • ピープルマネジメント (メンバーの育成、評価、メンタリング、採用など)
  • プロジェクトマネジメント (リリース計画、品質管理、コスト管理など)
  • プロダクトマネジメント (KPI策定、PRD、製品ロードマップなど)
  • テクノロジーマネジメント (アーキテクチャ選定、技術(言語、インフラetc)選定、ツール導入など)

のようなマネジメント領域がありますが、事業責任者と開発責任者がそれぞれを分担して責務を持ちます。
もちろん上記マネジメント領域が得意なメンバーをチームに入れることも可能です。いずれにしても事業責任者と開発責任者が判断する必要があります。

具体例を挙げると
テクノロジーマネジメントであれば開発責任者は インフラ選択 の決定権を持ちます。
したがって以下のような選択肢から

  • オンプレ、AWS、GCP、Azure、etc…

プロダクト方針に照らし合わせ選択することができます。

簡単な例)
プロダクト方針: 海外への事業展開 -> クラウド(AWS, GCP etc…)
プロダクト方針: 営業利益にフォーカス -> オンプレ

他にも要因として、社内/社外からのメンバーを募りやすさなども考慮に入れるべきでしょう。

このように体制/責務自体は非常にシンプルです。
ただし、裁量がある分、開発責任者が決定することは多くあり、新任の開発責任者は何から始めたら良いのか?迷うことも多々あります。

横軸の取り組み

このままだと、横展開できる知識や技術がプロダクト内に閉じてしまいがちです。
そこで、AI事業本部では横軸の取り組みがあります。

データサイエンスセンターゼミ制度 が代表的ですが、内部的にはさらに多くの施策が実施されています。

エンジニアリングマネジメントゼミ

エンジニアリングマネジメントゼミとは、前述した多岐に渡るマネジメント領域に対しての開発責任者のレベルアップを目的として、現役の開発責任者が社内のゼミ制度を利用し、2017年に立ち上げました。
主な活動内容は、各マネジメント領域における書籍の輪読会を開催し自らのレベルアップを図るとともに、学び実践した経験を社内に還元すべく「開発責任者ハンドブック」としてまとめ社内に配布しています。

表紙

今まで社内に限定して配布していたこの「開発責任者ハンドブック」ですが、広くフィードバックを受ける状況を作りたく、 2020/2/29,3/1開催の 技術書典8 に出展することになりました。
簡単ですが、目次を紹介します。気になった方はぜひ技術書典に参加ください!!

目次1

目次2

JBフラクタル制度

また、座学だけでなく実践として、昨年からサイバーエージェント社内ではJBフラクタル※という制度を始めました。
※ JBとは、サイバーエージェントのエンジニアを対象とした職位制度です
これは開発責任者の実践知を組織化することを目指したもので、一橋大学 名誉教授 野中郁次郎さんが提唱するフラクタル型組織 の考えに倣っています。

この制度では、ピープルマネジメントの

  • 「目標設定」
  • 「メンタリング」
  • 「評価」

にフォーカスし、チームを組んで実践知を伝搬させていくことを目指しています。
この3つは、なかなか形式化されづらい知識のため、いちエンジニアが開発責任者を任されたときに悩みやすいポイントだと考えています。

まだまだ始まったばかりでブラッシュアップが必要な制度ですが、ある程度形になったらまた別の機会に発表したいと思います。

まとめ

AI事業本部における開発体制とサポート体制について説明をしました。
基本構造は極力シンプルさを保ちつつ、周辺のサポートを会社のフェーズ、時代に合わせて、変えていく。そのような状況をどう作るか日々自問自答です。暗黙知も多い分野ですので、ぜひディスカッションをしたいと思います。
技術書典に参加される方はご意見をお聞かせください。

追記)
この記事を書いている2020/2/17現在、新型コロナウイルス感染症の影響により、技術書典8の中止が決定されました。今後、オンライン開催「技術書典 応援祭」開催予定と告知されておりますので、「開発責任者ハンドブック」はそちらでお買い求めください。
2月29日、3月1日の技術書典8開催中止のお知らせ – 技術書典ブログ

fukuo33
2013年中途入社のエンジニアです。得意分野は、サーバーサイド技術、エンジニアリングマネジメント。現在は AI事業本部 Dynalyst でプロダクトマネージャーに挑戦中です。