【クリエイターハングアウト】コピーライター定例 編

 

こんにちは。サイバーエージェント メディア統括本部、デザイナーの渡辺です。

 

今回は、クリエイターの組織づくりの一環である「クリエイターハングアウト(Hangout)」から、私がMCのサポートを担当した「コピーライター定例」のグループについてご紹介します。

サービスプロモーションやクリエイティブ制作の現場では、アートワーク力はもちろん、より効果的なクリエイティブを生むために、コピーライティング力も求めらることは少なくありません。

そこで、コピーライティングを基礎から学びたいというニーズから、このテーマが生まれました。

 

※ クリエイターハングアウトについて詳しく知りたい方は、「挑戦したいスキルを学ぶ、ハングアウトの環境づくり【きっかけが見つかる場所】」の記事をご覧ください。

 

目次

  • 特別講師
  • スケジュール
  • 各回の内容 ∟ 第1回:特別講師による講義 ∟ 第2〜4回:宿題の発表とフィードバック ∟ 第5回:好きなコピーの発表 ∟ 小休止:ミニ講座 ∟ 最終回:特別講師によるコピーの講評とまとめ
  • まとめ
  •  

    特別講師

    ハングアウトではテーマに対して造詣が深いゲストをお招きすることがあるのですが、コピーライター定例では、k.k.projectの小沼 一志(こぬま かずし)さんに第1回目と最終回にお越しいただき、講義と講評を行っていただきました。

    小沼さんは、「AbemaTV」(現:ABEMA)の立ち上げに携わり、「AbemaTV」のタグラインとして多くの広告で使用された「無料で楽しめるインターネットテレビ局『AbemaTV』」のコピーを制作。

    その他にも、「Ameba」や「ABEMA」のブランディング、新聞広告や屋外広告などのプロモーションに関わり、お力添えをいただきました。

     

    スケジュール

    ※ 2019年11月〜2020年3月に行われたものです。

    第1回:特別講師による講義
    
    第2回:宿題発表①(参加者同士でフィードバック)、ミニ講座①
    
    第3回:宿題発表②(参加者同士でフィードバック)、参考書のまとめ
    
    第4回:宿題発表③(参加者同士でフィードバック)、ミニ講座②
    
    第5回:好きなコピー発表会、ミニ講座③
    
    最終回:特別講師によるコピーの講評とまとめ

     

    各回の内容

    レベル感としては、「コピーライティングを生業としていないけど興味がある」という人を対象にした超入門になります。

     

    第1回:特別講師による講義

    第1回目は、特別講師の小沼さんに「コピーライターの仕事とは?案を出す時に気をつけているものとは?-超入門編-」という講義をしていただきました。
     
    はじめに、「コピーライターってどんな人だと思いますか?」と聞かれて
     

    言葉を操る人?

    言葉で遊ぶ人?

    言葉で上手く表現する人?

     
    ……と、参加者は頭を悩ませていました。
    言葉で何かをする人だということはわかっているのですが、それを言語化しようとすると難しいですよね。
    小沼さんがおっしゃるには
     
    言葉をつかって「人と商品の関係をつくり 新たな価値を生む」人のこと
     
    だそうです。
    確かに、コピーを見て「普段あんまり意識はしてなかったけど、そういえばこういう悩みがあったんだよね!これなら解決できるかも!」と思うことがありますが、あれはコピーによって私と物との関係性が明確になり、そこから価値が構築されていたんですね。
     
    そのほかにもコピーライティングにおいて大切なポイントをたくさん教えていただいたので、簡単にまとめてみました。

     

    【特に重要なこと】
  • USP(競合優位性)
     = 競合商品と比較して、勝っている特長
  •  

  • ターゲットインサイト(心理の深堀り)を正しく探る
     = その商品を買ってくれる可能性のある層
  • ※ テストにでます
     
    コピーはとにかく調査が肝。
    いきなり紙とペンを持っても書けるものではありません。

     

    【コピーの種類】

    コピーは大きく分けて「タグライン」と「キャッチフレーズ」の2種類があります。

  • タグライン=商品を定義するテキスト
  • キャッチフレーズ=人の関心を引きつけるもの
  • タグラインはブランドを象徴するようなものなので、ロゴマークと一緒に使われることが多いです。
     
    例えば、

  • 三菱電機「Changes for the Better」
  • ロッテ「お口の恋人」
  • サントリー「水と生きる」
  • など。これからロゴマークを見るときに意識してみると面白いかもしれませんね。

     

    【コピーをたくさん書く方法】
  • とにかく数を出してグルーピングするのを繰り返す
  • その商品があることによるマックスの幸福、その商品がないことによるマックスの不幸を出す
  • 一人称をターゲット以外に語らせる
  • 数字やスペックで定量的に語る
  • 決まり文句を活用する
  • 比較表現
  • 実際に世の中の広告を見て、どういう手法でつくっているのかを分析してみるのもひとつの手です。

     

    【おすすめの本】

    コピーライターの小霜 和也さんが著者である『ここらで広告コピーの本当の話をします。』(出版:宣伝会議)は、初心者でも読みやすいとのことで、参加者にはこれを課題図書として読んでもらうことにしました。

     

    第2〜4回:宿題の発表とフィードバック

    参加者には、実際にコピーを書く宿題を全3回出しました。
    商品/ターゲット/想定媒体 を指定しています。

    1回目:トクホのノンアルコールビール
    2回目:AI通訳機
    3回目:M.LEAGUE

    ※ 実際は具体的な商品名をあげて出題しています

     

    【フィードバックの方法】
    1. 1コピーにつきA4用紙1枚に印刷して定例に持参。
    2.  

    3. 全員分のコピーをテーブルに並べる。
    4.  

    5. 1人ずつ自分のコピーを声に出して読み上げて意図を話してもらう。(コピーは意図を語らなくても伝わるのが一番ですが、今回は超入門なので、それぞれの考え方をお互いに知るためにこの形式をとりました。)
    6.  

    7. それぞれ思ったことを言い合う。

     

     
    小沼さんが最初の講義で「調査が9割」とおっしゃっていたので、人によってはこんな感じの競合調査表をつくっている人も!
     

    これがあるとUSP(競合優位性)が見えやすくなり、コピーの切り口も増えそうですね!

     

    第5回:好きなコピーの発表

    宿題を終えてコピーを書く難しさを知ったタイミングで、純粋に「良いな」「好きだな」と思えるコピーに立ち返ってみました。
    なぜ好きなんだろう?を言語化してみると、新たな発見があって面白かったです。
    実際に自分に刺さったコピーを研究することは、良いコピーを書く近道かもしれません。

     

    小休止:ミニ講座

    私が過去に受けた「コピーライター講座」の内容や、これまで読んできた「コピー関連の本」の共通項を、自分なりにまとめて全3回のミニ講座として発表するコーナーもありました。

    第1回:コピーライター講座の報告書
    第2回:コピーを書く感覚を変えた3つのこと
    第3回:尾形真理子の言葉に女性はなぜ共感するのか?

    ※ 著作権の関係で詳細は割愛させていただきます

     

    最終回:特別講師によるコピーの講評とまとめ

    再び小沼さんにお越しいただき、これまで参加者が発表してきたコピーを講評していただきました。
    時間が経てば自分でも粗が見える見える……。
    他の競合にも言えてしまう言葉だったり、想像でも書けてしまいそうなものだったり、長くてまとまりがなかったり。
    そんなときに思い出すべきはあの2つ。

     
    ……さて、突然ですがテストです!
    コピーを書くうえで【特に重要なこと】は何でしょう?
     

    みなさん、覚えていますか?
    第1回の小沼さんの講義の部分で「※テストにでます」と書いていたアレです!(伏線回収)

     

    正解は、

  • USP(競合優位性)
     = 競合商品と比較して、勝っている特長
  •  

  • ターゲットインサイト(心理の深堀り)を正しく探る
     = その商品を買ってくれる可能性のある層
  • です!もちろん覚えていましたよね?
     
    小沼さんも最後に「この2つだけは覚えておいてください」とおっしゃっていたので、この記事を読んでいるみなさんに私からも念押ししておきます!

     

    まとめ

    良いものが書けた!という手応えを感じることは簡単なことではありませんが、
     

    ウマイこと言えてそうだけど、読み手のことを置いてきぼりにしてないかな?

    固定観念で物事を捉えてないかな?

    適切な表現や読みやすさはどうかな?

     
    と、この定例で得た手がかりを頼りに、自分の書いたものと照らし合わせるクセをつけてみると良いかもしれませんね。

     
    最後になりますが、
    コピーライター定例に参加してくださったみなさんや、この記事を読んでくださった方が、言葉の表現と向き合う時間を少しでも豊かにしてくだされば幸いです!