2021年4月1日、サイバーエージェントに73名の新卒エンジニアが入社しました。今年のエンジニアコースの研修は、昨年同様にオンラインで実施。オンラインでも、技術はもちろんのこと、働く上で大切なチームワークや組織における役割についても学べるよう工夫を凝らしました。今回は、研修内容や工夫したポイントをお伝えするとともに、実際に使用した講義資料を公開します。

 

 

■「チーム開発の準備ができていること」が研修の目標

約1ヶ月かけて行った研修では、6つの講義とチーム開発ワークを実施しました。研修のゴールとしていたのは、新卒エンジニア全員が「チーム開発の準備ができていること」。

 

サイバーエージェントでは、これから会社を牽引していくエンジニアに必要な要素として「チームワーク」を掲げています。当然ながら、個人でできることは限られています。チームがあることは、世の中を驚かすサービスをつくるためにプラスに働く。チームで成功するためには、メンバーと連携したりリーダーシップを取ったりする力が大事になります。こうした背景から、「チーム開発の準備ができていること」を目標とし、研修を実施しました。

 

▼研修スケジュール

■チーム開発研修

・目標設定

まずは、新卒エンジニアたちに研修中のチーム目標と個人目標を考えてもらいました。目標を考える際に参考になるよう、開発ツールや技術選定の方法のほか、チーム内で役割をつくることの大切さなどについて先輩エンジニアから講義をしてもらいました。

 

▼目標設定で使用した資料

・チーム開発

お題として出したのは、新しいSNSアプリの開発。指定したいくつかの機能を盛り込むことを必須条件として、追加機能については自由に実装してもらいました。各自のスキルや目標に合わせて役割を決め、メンター社員からレビューをもらいながら、設計から考え開発を進めてもらいました。

 

チームワークを高めるための施策は、各チームで工夫をしていました。例えば、KPT。Keep、Problem、Tryの項目を出し合うことで、開発を進める上での課題がわかったり、メンバーの考えを深く知るきっかけとなったりしていたようでした。ほかに取り組んでいたのは、おやつ時間やコーヒーブレイク。おやつを食べながらチームで雑談をする時間を設けることで、フラットに話し合える関係を構築するのに有効だったようです。

 

・中間発表/最終発表

開発物の中間発表では、1チーム5分程度で、サービスのコンセプトや機能、デモ動画、使用した技術などについて共有。最終発表では、サービス概要、必須条件の達成度やオプション要件、工夫した点、またチーム目標と個人目標の達成度も合わせて発表してもらいました。

 

・メンター社員からのフィードバック

最終発表後、メンター社員から開発物についてフィードバックをする時間を設けました。フィードバックとしては、「SwiftUI-Hooksを使いこなし、Viewの状態管理がView内で行えて責務分離がきれい」「KubeflowでMLOps基盤として、自動で学習・deploy・推論が回る仕組みができている」などがあがっていました。新卒エンジニアたちは、研修を通してチーム開発を経験するとともに、大きく技術的成長ができた様子でした。

 

■講義資料 一覧

・チームビルド(板敷 康洋)

開発チームに必要な機能(役割)、目標設定、コミュニケーション(報告・連絡・相談など)に関する講義を行いました。サイバーエージェントでは例年新卒研修としてチーム開発を行っていますが、近年はよりそれぞれの職務・チームワークを意識したものになっているため、それに沿った内容を紹介しています。

 

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・初リモート研修を終えて(杉本 翔)

サイバーエージェントでは、昨年度のエンジニア新卒研修から、オフィスへの出社を必要としない「リモート研修」を実施しています。この講義では、新卒2年目の杉本が、昨年度のリモート研修を受けた経験を元に、研修中に意識すべきことや行動など実例を交えて紹介しました。

 

・タスク管理について

近くで作業できないからこそ、より堅実な工数を見積もるよう心掛け、進捗は都度共有できる仕組みを。チームの状況に応じて、使っているタスク管理ツールが適切かどうかも判断する。最初に選定したツールが最適とは限らないので、チームメンバー1人でも上手くいっていないと感じたら、すぐ共有・改善をすると作業効率アップに繋がることも。

・チームにおける役割について

役割は「開発に貢献することだけじゃないこと」を念頭に。プロジェクト管理やコンディション管理などにも責任感を。昨年度は、チームメンバー間で1on1を積極的に実施しているチームも。開発以外に関しても目標となるゴールをより明確にすることで動きやすくなる(チームメンバーのコンディションを常に把握している、スケジュール厳守など)。

・コミュニケーションについて

リモートワークで作業を続けていると個人作業をしているような気持ちに陥りやすいが、常にチームで開発しているということを念頭に置くこと。昨年度は朝会/夕会だけでなく、ランチやコーヒーブレイクをリモートで繋げたりも。リモートならではという意味では、時間を決めて作業風景を画面共有してみたり、ペアプロ・モブプロを実施するといった工夫もできそう。

 

・チーム開発の進め方と便利ツール(脇本 宏平)

新卒全員が配属後のチーム開発をスムーズにスタートできるよう、ビジネスにおけるチーム開発の全体像を伝えました。「良いチーム開発とは何か」を自分なりに考えるきっかけになるような内容を意識しています。

 

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・DevOps(江頭 宏亮・永野 一馬)

開発で重要となるベストプラクティスを理解し、今後の開発に活かせるよう、DevOpsの講義を行いました。DevOpsのベストプラクティスは、Googleが提供しているウェブサイトにまとまっています。今回時間が限られていたので、その中から特に重要な項目に絞って紹介しました。

 

参考:DevOps の能力  |  Google Cloud

 

・良いコードとは何か(森 篤史)

コードの品質に関する講義を行いました。しばしば「今は急いでいるので品質より速度優先で!」といったメッセージを見かけますが、私はむしろ品質を上げることで速度が上がると確信しています。この講義では、品質を上げるための目的と具体的な手段の一部を紹介しています。

 

解説記事:https://note.com/cyberz_cto/n/n26f535d6c575

 

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・エンジニアとしてのプロダクト貢献(國師 誠也)

エンジニアとして働く中で、ほとんどの人が何かしらのプロダクトやサービスに関わると思います。

この講義では、プロダクトやサービスに貢献できるエンジニアになってほしいという思いも込めて、プロダクトづくりの構造と貢献の幅を広げる例として「グロースエンジニア」を紹介しています。

 

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■最後に

サイバーエージェントでは、会社をつくる上で最も大切なのは「人」だと考えています。それは、冒頭でもお伝えした通り、チームで戦う会社だからです。新卒エンジニアは一緒に働く大切な仲間だからこそ、研修も人事だけでなく現場社員とともに取り組む。その結果として、事業や会社の成長に繋がると考えています。この記事を読んで、少しでもサイバーエージェントに興味を持っていただけますと幸いです。また、エンジニアを志す皆様や各社の新卒エンジニア研修において、今回ご紹介した研修内容や講義資料をお役立ていただければと存じます。

そのほか、YouTubeチャンネル「CyberAgent Developers」では、サイバーエージェントが開催する技術カンファレンスや勉強会をお届けしています。よろしければ、こちらもご覧ください。

 

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