AI事業本部の黒崎(@kuro_m88)です。「インターネットゼミ」の活動報告です。
ゼミ内でRaspberryPiをデータセンタにデプロイするという企画を立ち上げました。今回はそのことについて紹介します。
「インターネットゼミ」についてはこちらの記事をご覧ください。
サイバーエージェントとRaspberry Piといえば、おうちKubernetesで話題になったこともありました。
30台規模になりますと、自宅で動かせないこともないですが、本格感(?)を出すためにデータセンタで動かすことを目標にします。
「おうちKubernetes」が「データセンタKubernetes」に進化するわけでもありますが、Kubernetesはデータセンタで動いていることが普通であることに気づき、これは名乗るのをやめました。なにかいい名前を募集中です。
サイバーエージェントの「ミルフィーユサーバ」
弊社も昔は本番用途で自作サーバをやっていました。 ( アメーバを支える自作サーバのいままでとこれから )
近年のサーバは高密度化が進んでおり、自作サーバでは到底実現できない密度やコストパフォーマンスが実現されており、サーバのハードウェアから自作するのはパブリッククラウドを提供するような一部の企業以外、割に合わないのではないかと思われます。
インターネットゼミではインターネットに関わるものであればなんでも挑戦してみよう、ということで活動しています。
ネットワークやサーバの運用の経験をしたり、日々業務をこなすだけでは得られない知見を得ることが目的ですので、あえて非効率なのは承知でRaspberry Pi 30台をデータセンタにデプロイして運用してみることにしました。
サイバーエージェントの先人達の古き良き「ミルフィーユサーバ」に思いを馳せつつ、サーバクラスタの自作に挑戦してみます。
ハードウェア構成
詳細なパーツリストは次回紹介します。
Raspberry Pi 4は8GBモデルを購入したので、1ノードあたりCPU 4コア、メモリ8GB、これが30台でCPU120コア、メモリ240GBの構成になります。数字だけ見るとなかなか高スペックですね。ベンチマークするのが楽しみです。
今回SDカードは2枚しか購入しませんでした。
これには理由があり、サイバーエージェントの最新のプライベートクラウドではディスクレスハイパーバイザという仕組みを導入しています。
私は普段はソフトウェアエンジニア寄りの業務が多く、プライベートクラウドには関わっていないため、この仕組みもキャッチアップしつつ取り入れてみようとおもいます。
調べた限りだとRaspberry Pi 4はPXE bootに対応しているようです。
なぜRaspberry Piを使うのか
「面白そうでやってみたかったから」というのが一番の理由ですが、正直なところインターネットゼミの活動内容的に1Uサーバが数台あればリソース的には十分な見込みです。
我々が普段扱い慣れているサーバだと高性能で安定性も高く、考えないといけないことも少ないです。あえて「苦行」に挑み泥臭い知見を貯めるべく、Raspberry Pi 30台をデータセンタのラックに収容し、遠隔管理できる仕組みを整え、その上でアプリケーションを動かしたり、各種実験を行っていくことにしました。
完成品をチラ見せ
企画を実行しはじめたのは2021年5月末くらいで、実は6月末にはほぼ完成しています。
ということで、実は完成品は手元にあります。現在は動作確認をしている段階で、まだデータセンタでは稼働しておらず、オフィスの一角に鎮座している状態です。
次回予告
次回は「設計編」をお届けします。Raspberry Piは数台であれば考えることは少ないのですが、30台となるといくつか障壁がありました。
近いうちにこちらのブログに投稿しようと思っているので、お楽しみに!