「サイバー流! PMスキル場」連載VOL,4

鈴村 唯(すずむらゆい)

CL プロダクトマネージャー

2015年サイバーエージェント新卒入社。同年株式会社CyberZへ出向。広告代理事業営業として配属。アプリのデジタルマーケティングやプロモーションを担当。営業マネージャーに従事。その後新規事業立ち上げに従事した後、株式会社サイバーエージェント CL事業部に異動。株式会社LDHとの共同事業である「CL」のメディア立ち上げをしつつプロダクトマネージャーへ転向。
Twitter:@suzumu_0430

連載「サイバー流! PMスキル場」 

サイバーエージェントの各事業のプロダクトを担うPM(プロダクトマネージャー、プロジェクトマネージャー)達が、
 「サービスフェーズ×ドメイン」で変化するPMの役割や経験談を語ります。

こんにちは。サイバーエージェントでCLのプロダクトマネージャー(PM)をしています、鈴村です。
私はサイバーエージェントの中でも、広告代理事業の営業からメディア新規事業のプロダクトマネージャーという珍しいキャリアチェンジを経験しました。
この記事は、新しいキャリアにチャレンジしてみたい、特にものづくりにチャレンジしてみたい、興味があると考えている方に読んでいただいけると嬉しいです。

 

広告代理事業の営業からのキャリアスタート

まず、新卒でCyberZへ配属となり、キャリアのスタートとしては、メディア事業でもなければPMでもない、広告代理事業の営業からキャリアスタートしました。

CyberZでは営業として、クライアントワークはもちろん、国内外問わずスマートフォン広告における運用・効果検証、ウェブCM制作、クリエイティブ戦略設計、クリエイティブディレクションなど幅広く、マーケティングやプロモーションに関わることは何でもやりました。

ありがたいことに営業マネージャーとしてチームを持たせていただき、「チームで成果を出す」ということの楽しさを経験出来ました。

 

 

CLへの異動

営業をしている中で、プロダクトが既に完成した後のプロモーションだけでなく、プロダクトを1から作ってみたいと考えるようになりました。

また、元々サイバーエージェントに入社した理由は「エンタメで流行りを作りたい」というものだったこともあり、いつかものづくりの事業にチャレンジしたいということを役員の山内にも話していました。
※こんな風に役員に対してフラットにキャリアを相談出来るものサイバーエージェントの良いところです!

 

そんな時、山内よりLDHとの共同事業としてCLという新規サービスを立ち上げるからやってみないかというお話をいただきました。
自分自身のキャリアプランを描いていて、当時女性としてなんとなく、30代前半には結婚、出産出来ると良いなという人生のプランがありました。
だとするとやりたいことにチャレンジするなら、自分のためだけに時間を使える今のうちにやってみたいたいという想いもあり、チャレンジを決意しました。

そして、営業5年目のタイミングで現所属部署であるCLへ異動しました。


※撮影時のみマスクをはずしています

PMへチャレンジしたきっかけ

異動した当時は、マーケティング・PRの担当として、対外コミュニケーションはもちろん、企画立案・プロモーション設計・サービス内運用・クリエイティブ制作ディレクションなどをしていました。

しかし、CLはLDHとの共同事業であり、サイバーエージェントの期待が大きかった役割としてはプロダクト開発部分でした。
当時CL事業部には、優秀な開発チームが揃っているにも関わらず、PMの人員不足もあり、プロダクトの成長戦略や仕様設計などが追い付いていない状態でした。

そのような状況で開発が円滑に進まない状態に事業リスクを感じ、このままで良いのか?だったら事業リスクになるものを潰し、事業の成功を考えた時に一番必要な役割にチャレンジすべきではないかと考えました。

また、自分自身のキャリアとしても営業×PMという掛け合わせで、どちらも出来ることでキャリアの幅を広げたいと思い、手を挙げて未経験のPMにチャレンジしました。

 

未経験PMの始まり

PMに関しては0キャリアからのスタート。
用語はもちろん、仕様書すら書いたこともなければ開いたこともないところから始まりました。

例えば、「クライアントサイド」と言われて、営業時代の名残りで「顧客」と認識してしまうような初歩的具合でした。
それにも関わらず、開発チーム20人以上に対し、専任のPMは1人という体制で、全体開発要件・機能の仕様を書き、開発管理をし、社内外との連携・調整などをするという状態で毎日が必死でした。

まず、PMのスキルや知識はほぼ0に等しいので、出来ない自分を受け入れて、白旗をあげた状態のところから始まったので、そこは経験の中で培っていくしかないと割り切りました。

PMの先輩方がお勧めしている本や記事を読んで勉強したり、分からないことは理解するまで質問するようにしました。

落ち込んだ時は、「新しいチャレンジお疲れさまです! 分からないことがあれば全然聞いてください」だったり、「やりたい気持ちは一緒なので、早くより良い開発できる方法一緒に考えましょう」などの開発陣の皆さんの温かい言葉に助けられながら、時には思いっきり頼らせていただきました。


知識や経験の部分はもちろんですが、中でも特に苦労したのは、「ユーザーにとって良いものを作るための意思決定をする」ということです。
CLは2社での共同事業ということもあり、関わる人が特に多い事業です。
関わってくださる人、それぞれのやりたいことや理想状態がたくさんありました。
その中で一番成果が出る形のゴールやロードマップを決める意思決定をしていくというのが一番のプレッシャーでもあり、苦労した部分でした。

当時はPMの経験値がなかったので、何が正しいか分かりませんでした。
最初は「たくさんあるみんなのやりたいことをなんとか調整して叶えて開発を推進すること」ことがPMの役割だと思っていました。

 

PMとしてブラしてはいけないこと

PMをやっていく中で気づいたことは、「みんなのやりたいを全て叶える」では「ユーザーにとって良いものを作る」ということからどんどんずれていくということ。

開発チームとのコミュニケーションをする中で、「それは本当にユーザーのためになるのか?」という議論をする機会が多くあり、“見たいものより見せたいものを作っているのではないかと感じることもありました。

ユーザー目線での開発をできるように、一度全て要望を集約し、それぞれ相手が何を求めているのか突き詰めて考えつつも、ユーザーが一番必要としていることは何だろう?を考えるようにしました。

また、先述したようにPMのスキルや知識がない分、とにかくLDHというエンタテイメントのよりファンになることと、ユーザーに向き合うことに徹しました。
元々CL異動前からLDHファンでしたが、もっとファンの方々と近くなりたくて、ライブに参加したり、実際にファンの方と話したりして、どういうところに熱狂するのか、どういうニーズがあるのかを理解し共感しました。

PMとして、最後までぶらさなかったのはユーザーファーストの目線をもち続けるということ、迷ったらユーザーを主語にしてユーザー目線に立ち返ること。
そして何をしていくのかの意思決定をした後は、その目標に向かってチームをリードし動かしながら、チームで事業成果を出すことに集中すること。

バランス良くやろうは良いもの作れません。

PMが関係各所の調整ごとに徹してしまったら、流行らせるということを忘れてしまったら、ユーザーファーストの目線からどんどんずれて、結局作りたいものが作れなくなってしまい、事業としての成功とは遠のいてしまいます。

より良いものを作るために議論を重ね、チームで作ったものが実際にリリースされ、ユーザーの方が実際に使っていただいている声を見たり、良い実績になって表れた時のと喜びはひとしおです。

 

直近でリリースした機能

私がPM担当としてリリースした機能(一部)を紹介します。

コラボ配信機能
1人でのキャス配信しかできなかったところを、アーティストの皆さんがグループ間でも会話しながら配信したり、企画配信しやすいように、4人まで同時にコラボ配信出来るようにしました。

コラボ配信のキャプチャ

 

リアルタイム字幕機能
国内発のエンタメ配信サービスにおいて、CLが初搭載となったリアルタイム字幕機能
この機能は、町田啓太さんがCLキャス配信内で「海外の方々とキャスを通して会話出来るようにして欲しい」と要望いただいたことが開発のきっかけでした。

配信者の皆さんが話した内容をリアルタイムで翻訳し、字幕として表示され、海外ユーザーの皆さんも分かりやすくキャス配信を視聴していただけるようにしました。

リアルタイム字幕機能のキャプチャ

このようにユーザーの皆さんやアーティストの皆さんからの“見たい”“欲しい”を取り入れながらサービス作りをしています。

これからもプロダクトマネージャーとして、エンタメ業界の先駆者となるサービスとしてCLを革新的なプロダクトにしていきたいと思っています。

 

PMの魅力

PMという職種は開発を推進することはもちろんですが、それ以上に、大きな裁量権を持ちチームを、そして事業を動かしていく仕事です。

・大きな裁量権をもち、主体的に事業を動かしていきたい
・たくさんの人と関わる仕事がしたい
・チームで大きな成果を出す仕事がしたい

1つでも魅力に感じるポイントがある人はPMに向いていると思います。

「PM」と聞くと、専門知識が必要そうだったり、チャレンジのハードルがとても高そうなイメージがあって、未経験だと難しい職種だと思われがちだと思います。
私もチャレンジするまではそういうイメージをもっていました。

ですが、結論未経験でもチャレンジ出来る職種です。PMで求められるスキルは多岐に渡るため、これまでの仕事の経験が生かせることも多々あると感じました。

 

営業→PM  活かせたスキル 3つ

私の場合は、営業→PMとキャリアチェンジした中で、結果として活かせたスキルは、巻き込み力/相手のニーズを突き詰める力/推進力の3つです。

営業からPMで活かせた3つのスキル

営業とPMは一見全く別の職種ですが、チームを形成してプロジェクトをリードする役割という部分では、活かせるスキルがありました。
知識や専門性はもちろん大事ですが、それ以上に上記のようなスキルの方が大事だったりします。

また、同じ会社に在籍しながら、転職並みに違う事業形態、職種にチャレンジ出来て、色んなキャリアの選択が出来る環境はサイバーエージェントの良いところだと思います。

 

この記事を通して、

・新しいキャリアにチャレンジしてみたい

・特にものづくりにチャレンジしてみたい

・PMという職種に興味がある

という方々にとって、ほんの少しでも後押しになれば嬉しいです。少しでも興味を持ってくださる方がいればぜひご連絡ください!

 

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