ゲーム・エンターテイメント事業部では、社内研修用の書籍『Unity パフォーマンスチューニングバイブル』のPDFを公開し、同時にオープンソース化しました。
本記事ではこの書籍の概要とダウンロード方法、オープンソース化とその意図についてご紹介します。

Unity Performance Tuning Bible
Unity Performance Tuning Bible

はじめに

モバイルゲーム開発においてパフォーマンスチューニングは重要ですが、その一方で、必要な知識が幅広く、体系的な学習が難しいという問題があります。
ゲーム・エンターテイメント事業部ではこのような課題感から、パフォーマンスチューニングに関する知識を体系的にまとめた書籍として、『Unity パフォーマンスチューニングバイブル』を製作し、社内の Unity エンジニアの方々に配布しました。

以下はこの施策について紹介した記事です。

Unityのパフォーマンスチューニングを体系的に学べる書籍『Unity Performance Tuning Bible』刊行による社内技術力強化施策の紹介

この度、この書籍の電子版をPDFとして無料で一般公開し、さらに GitHub 上でオープンソースとして公開することを決定しました。

PDFのダウンロード方法

PDF は以下の GitHub リポジトリからダウンロードできます。
詳細な手順はリンク先のドキュメントを参照してください。

https://github.com/CyberAgentGameEntertainment/UnityPerformanceTuningBible

オープンソース化という試み

前述の通り、本書籍は GitHub 上で公開しています。
これは、単純に PDF ファイルを閲覧するだけではなく、IssuesPull Requests という機能を通して、誰もが本書の編集に関わることができることを意味しています。

パフォーマンスチューニングは、ゲームを動かす端末の性能が向上したり、また求められるゲームシステムが複雑化したりすることにより、年単位の短いスパンで知識やノウハウをアップデートする必要があります。
また、Unity の更新や、新しく現れた技術を随時キャッチアップする必要もあります。

これらの理由から、もし適切に更新が行われない場合、書籍としての価値がすぐに薄れてしまうことが予想できます。
オープンソース化することで、社内外問わず、古い内容を指摘し合い、新しい知識を教え合うという動きが生まれ、本書をより価値のあるものにしていけたら幸いです。

なお執筆の手順やルールについては以下のページにまとめています。

https://github.com/CyberAgentGameEntertainment/UnityPerformanceTuningBible/blob/main/README_CONTRIBUTOR.md

公開までの背景と思い

『Unity パフォーマンスチューニングバイブル』の目的はあくまで社内の技術力の向上です。
この目的だけを考えたとき、社外に向けて公開したり、オープンソース化したりする必要性はありません。

しかしながら、本書の内容は十分に汎用的なものであり、あらゆるモバイルゲーム開発で役立つ知識をまとめています。
そこで議論した結果、モバイルゲーム業界全体としてよりオープンでより良いモノ作りができる環境づくりの一助となればという思いから、公開することが決まりました。
ありがたいことに有料での販売を希望する声もいただいておりましたが、上述の思いから無料で公開することにいたしました。

本書をより良い取り組みにするために、本記事の拡散、GitHub リポジトリの Star やコントリビュート、書評の投稿などいただけますと、執筆メンバー一同とても嬉しく思います。

CA.unityで書籍をプレゼントします

9月16日に開催される弊社主催の Unity 勉強会 CA.unity#5 で本取り組みについてお話しいたします。
また、CA.unity にご参加いただきご応募いただいた方の中から抽選で50名様に『Unityパフォーマンスチューニングバイブル』の書籍版をプレゼントしたします。
応募フォームはCA.Unityの視聴者アンケートにて募る予定となりますので、ぜひご参加ください。

https://meetup.unity3d.jp/jp/events/1373

書籍
書籍
2012年新卒入社、一度退社し2021年再入社。ゲーム事業部のUnityエンジニアとしてプロジェクト横断で使用するライブラリの開発などを行なっています。