こんにちは。Makuakeでデザインを仕事にしている佐藤 啓です。2013年の事業設立から参画し、様々なクリエイティブに携わってきました。今日はその背景をお話ししたいと思います。

 

クラウドファンディングプラットフォーム Makuakeとは

“まだここにない”を手に入れよう をコンセプトにした、世の中にまだない新商品や体験を先行して手に入れることが出来る、購入型クラウドファンディングプラットフォームです。現在はWebでサービスを展開しています。

Makuake

 

十人十色を表現したブランドロゴ

新たなアイデアに挑戦する人々、応援する人々、Makuakeは多様性と可能性で溢れています。十人十色という言葉があるように、これを色で表現しようと思い、

色を作る基本3原色である青、赤、黄 をベースに、サイバーエージェントが提供している意味合いも込めて、光の3原色の緑を加え、Webならではの明るい配色を選定しました。4色を混ぜて新しい色が生まれることで、Makuakeに関わる人々の個性や生まれていく新しいアイデアを表現しています。

幕の部分はフリーハンドで描き、サークルに包むことで皆が輪になってアイデアを形にしていく、そんな願いを込めてデザインしました。フォントはシンボルに合うものを100種以上から選定しています。

Makuake logo

 

世界をつなぎアタラシイを創る コーポレートアイデンティティ

Makuakeを運営している弊社のキービジュアルです。「世界をつなぎアタラシイを創るドアを作りたい」という代表の中山の言葉から、ドアをモチーフに、Makuakeのロゴ4色からそれぞれを混ぜて色を作り、活気のあるデザインに仕上げました。

CyberAgent Crowd Funding, Inc.

 

僕の役割

Makuakeには、開発、広報、キュレーター、エンタープライズの4つの部署があり、各部署と連携したデザインの製作、アウトプットの品質管理を担当しています。下記に事例を挙げながらお話ししたいと思います。

デザイナーの役割

 

インターフェースをデザインする

Develop

Makuakeではインターフェースのデザインから、HTML5、CSS3によるマークアップ、インタラクションにおけるJavascriptの実装まで、僕が一貫して制作しています。

こちらは担当したプロジェクトページです。白を基調にロゴの4色を散りばめ、明るくエネルギーのあるデザインに仕上げつつ、ファーストビューを意識しながら支援金額や支援者数などの情報がわかりやすくなるように構築しています。

Makuakeインターフェースのデザイン

PC版ではプロジェクトのPV動画を見ながら下に続く文章も読むことができるように、動画を再生した後にスクロールすると追従するインタラクションを実装しました。

Makuakeインターフェースのデザイン

記述したJavascriptです。動画がある場合とない場合を判定しスクロール位置を計測の上、ポジショニングするCSSを当てています。

Makuakeインターフェースのデザイン

SP版では、長くなりがちなプロジェクト文章と商品の説明文を全て表示せず、展開するボタンを付与することで格納、ページ全体を把握しやすい情報設計にしています。ボタン押すと同時にJavascriptでユーザーのスクロール位置を計測し、いつでも商品位置までアニメーションで移動可能なインタラクションを実装。1つのページの全体像を掴む速度が上がれば、通勤時間やちょっとした時間でより多くのプロジェクトに回遊することができるようになります。

Makuakeインターフェースのデザイン

また、PC、SP版共にページ内の画像が増えるほどアクセスした際の表示速度が低下するため、ユーザーの視界に近づいた時に商品画像の読み込みを行うように実装することでサーバー負荷を軽減、ページ表示速度の向上を実現しています。こうしてデザインとフロントエンドの両軸でMakuakeは作られています。

develop_04_1

 

プロジェクトをデザインする

Curator

Makuakeに掲載されるプロジェクトのサポートを担当しているキュレーターと連携し、プロジェクト価値を最大まで高めるデザインを提案しています。

ブリンカム

こちらはウインクで写真を撮影することができるウエアラブルカメラのBLINCAM(ブリンカム)です。初稿を頂いた時は、写真を撮影できるプロダクトであることが伝わりにくく、全体的に暗いイメージがありました。

ブリンカム

そこで、SNSでシェアされた時やメディアに掲載された時のことを考慮して、全体のバランスを見直し、人の目を惹き付ける配色設定でデザインしました。Makuakeへの流入はSNSを中心に増え続け、このプロジェクトは調達金額26,438,000円、支援者1,323人という人気プロジェクトになりました。

 

キークエスト

こちらはキーホルダーにスマートに携行できる 6 in 1 の鍵型便利ツールのKey-Quest(キークエスト)です。初稿では利用シーンを中心とした写真が使用されており、内容が伝わりにくいものとなっていました。また、「男の道具」をタイトルに入れているためターゲットを男性に限定している印象があります。

キークエスト

そこで、プロダクトを中心とした写真を選定し、アピールポイントを明記、機能が6つあることで6in1だという理解につながるデザインを「ポケット界べんりアイテムに革命6in1」というキャッチコピーと共に提案させて頂きました。栓抜きやダンボールのテープ開封作業は主婦の方も多く使う可能性があるので、ターゲットを限定せず万人受けを狙うポップな配色と文字組みで構成しています。

結果、支援者数2,377人という圧倒的な反響があり、最小単価2,400円のリターンから700万円以上を調達するヒットプロジェクトになりました。現在は商品化され、
MakuakeSTORE内で購入できます。

 

こちらは担当させて頂いたキービジュアルです。本文写真や商品画像など、多くのプロジェクトにデザインによる可能性を提案しています。

Makuakeでデザインされたサムネイル

 

リアルの場をデザインする

PR

プロジェクトのメディア掲載やプロモーション、リアルイベントなどを担当している広報と連携し、グラフィックやポスターなどにデザイン面からアプローチ、ブランディングを強化しています。

STOREロゴ

Makuakeで開始したプロジェクトが、渋谷MODIや東急プラザ銀座で期間限定の店舗販売が決定した際、販売ブース内のポスターやフライヤーで使うことを目的としたロゴです。人が集まってくるイメージを、Oに4色が交わるタイポグラフィで表現、フォントは遠くから見ても認識しやすいウェイトでデザインしています。

蔦屋書店

2016年11月22日にOPENした中目黒蔦屋にてMakuakeSTOREの展示・販売コーナーが誕生し、このロゴを中心にフライヤー、バックパネル、ポスターをデザインしています。

Makuake STORE ポスター

Makuake STOREブース

 

こちらは2016年8月でリリース3周年を迎えた記念パーティーのキービジュアルになります。リアルな場でのつながりが、新たなイノベーションを生む。をコンセプトに、ロゴの4色をつなげたグラデーションでデザインしました。

Makuake 3rd

会場のバックパネルや、スタッフのTシャツ、お土産のデザインも手掛けています。こうした1つ1つの体験をデザインすることがブランドを作っていきます。

Makuake 3周年デザイン

Makuake 3周年デザイン

Makuake 3周年デザイン

 

インサイトをデザインする

Enterprise

Makuake Enterpriseは、戦略立案からプロジェクトページの作成、支援者へのインタビューを含むマーケティングレポートの作成までを一括に請け負う2016年1月に創設された新規部署で、僕はコンセプトメイキングやデザインに幅広く参画しています。

Makuake Enterprise

創設に伴い、時代の「潮流」を新たに作る。をコンセプトに、Makuakeを背負って新しい時代を作っていくことから、Enterpriseを大きいウェイトでバランスをとり、イタリック書体で波を表現したブランドロゴをデザイン。企業向けの部署ということもあり、Makuakeとは別軸の洗練されたスタイリッシュなロゴにしました。

 

JVC

こちらは僕が担当させて頂いた、JVC KENWOOD様のプロジェクトです。音楽を聴きながら周囲の音を拾うことが出来るイヤフォンで、例えばギターを弾きながらアーティストの曲を流すと、まるでセッションしているかのような体験を味わうことができます。

学生時代バンドをやっていた少年が大人になり、社会の忙しさの中でいつしかクローゼットにしまいこんでいたギターを、このイヤフォンに出会うことを機にまた引っ張り出して弦をかき鳴らしたくなるような感動を作りたい。Enterpriseとコンセプトを練り、「バーチャルセッション体験」をキャッチコピーに、ライブ会場を表現したキービジュアルをデザインしました。

jvc

このキービジュアルを中心に、楽器を弾いている人から、海辺や駅、日常での使用シーンまで、音楽を聴く人全てにターゲットを徐々に広げたSNS広告を展開したところ反響はとても良く、ページ内のストレッチゴールグラフィックやタイトル画像も並行してデザイン。このプロジェクトは調達金額22,515,000円 支援者数1,541人という人気プロジェクトになりました。

 

Arita Share Glass

有田焼という名前は聞いたことがあるけれど、詳しくは知らない。そんな方も多いのではないでしょうか。実行者である徳永様が、有田焼400周年を記念してビールをシェアできるグラスを作り、これからの時代を担う若い世代にも有田焼を広く知ってほしいという想いから生まれた、Arita Share Glassプロジェクトです。

Arita Share Glass ロゴ

このグラスと共に、友人や家族とビールをシェアできたら最高の体験が生まれると思い、「ビールも、伝統も、シェアしよう。」というキャッチコピーとロゴデザインを、グラスから1色ずつ抽出したカラーに乗せて、柔らかく遊び心のあるフォントで提案させていただきました。このロゴを中心に、ページ内グラフィックや商品画像も併せて制作しています。

Arita Share Glass

このプロジェクトでは商品を購入された方に専用ケースが付いており、ケース側面に彫られるタイポグラフィのデザインも担当させて頂きました。紙管素材を使用しているため、その質感に合わせた視認性のあるウェイトと、手に取った時にそっと視界に入ってくる空間を考えた文字組みをしています。

Arita Share Glass

ビールが好きな人、有田焼が好きな人、初めて有田焼を知った人。このプロジェクトは徐々に話題を呼び、調達金額2,229,800円、支援者数286人という人気プロジェクトになり、その後MakuakeSTOREで販売が決定。STORE内でも人気商品となっています。 「ビールも、伝統も、シェアしよう。」提案させて頂いたキャッチコピーはまさに実現し、言葉からユーザー体験に変わり、食卓へ届くものになりました。

 

 

広く深い、デザインの仕事

いかがでしたか?

今日はMakuakeのデザインの一部を事例と共に紹介させて頂きました。

Makuakeのデザインは4つの部署と連携し、時にはインターフェース、時にはキャッチコピー、コンセプトメイキングなど、様々な形となって発信されています。

 

デザイナーの仕事は現代においてとても重要な役割を担うようになりました。

僕はデザインする際、グラフィックが届けられるその向こう側の「誰を幸せにするために存在するのか」を視野に入れて作ることを心がけています。課題もたくさんありますが、良い体験を届けられるように今後もデザインを続けていきたいと思います。

 

アタラシイが欲しくなったら、ぜひMakuakeへ。

デザインを通して皆様にお会いできることを楽しみにしています。

 

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クラウドファンディングプラットフォーム Makuake のユーザーインターフェース、フロント構築、プロジェクトのブランディング、広報制作物などクリエイティブ全般のデザインを担当しています。