こんにちは。株式会社タップルでエンジニアリングマネージャーをしている山岸です。
この度、2026年6月9日〜10日にニューヨークで開催された DASH 2026 に参加・登壇してきました。現地の様子と登壇の内容、そして登壇に至るまでの経緯までをご紹介します。
DASH とは

DASH は Datadog が毎年開催しているグローバルカンファレンスで、今年で 9 回目の開催となります。参加者は 4,000 人以上、セッションは 60 以上という大規模なカンファレンスで、Bits AI を始めとしたオブザーバビリティ × AI への関心の高さが伺えました。
会場の雰囲気
会場はマンハッタンの North Javits Center でした。入口に今年のスローガン「The future of AI + Observability starts here」と書いてあって、注力テーマが一目で分かります。

会場内はかなり広く、カンファレンスセンターの 2〜4 階まで全てが DASH の会場となっています。受付である 1 階から登った 2 階のエリアは、Datadog の社員に機能の質問やソリューションの提案をお願いできる Datadog ブース、セキュリティからインフラまで様々な分野の企業ブース、Expo Theater Talk と呼ばれるセッション用の会場がありました。

会場には誰でも無料で食べられるご飯、コーヒー、スイーツなどが随時ありました。

Expo Theater Talk では主に Datadog を活用する企業の事例や、Datadog の活用方法を聞くことができます。セッションはどれも面白く、立ち見が発生するものも多かったです。以下の写真は Bits AI を使ってデータベースのパフォーマンス改善を行う方法を解説したセッションです。
普段から Datadog を触っていますが、それでも全然知らない・思いつかないようなユースケースを知ることができたり、事例を聞くことでタップルで活用するための具体的なイメージが湧いたりしました。やはり Tech Giant のカンファレンスは、現地に参加することで得られる知見やインスピレーションがあるなと感じました。


Keynote(基調講演)
DASH はユーザー、企業の交流の場でもあると同時に、Datadog の新機能発表の場でもあります。新機能発表の場である Keynote セッションは会場で最も広い 500 人程度入るスペースが使われ、それも満員になるくらいの人が集まっていました。

今回の新機能の 8 割は Bits AI に関わるものでした。
- Bits Chat — UI からの自由な質問
- Bits Investigation — 障害対応
- Bits Security Analyst — セキュリティ
- Bits Data Analyst — データ分析
など、Datadog に集められるあらゆる情報を Bits を介して収集・分析・改善できるようになっていく未来が見えるような発表でした。また、Bits Detection といったそもそも「何が異常か」という意思決定に AI が入っていく機能や、その意思決定に基づいたアクションすらも AI が行う Bits Remediation といった機能の発表もありました。詳細に関して興味がある方はこちらをご覧ください。
今の開発・運用フローに AI を組み込むだけでなく、「AI を前提とした、人間の介入をほとんど必要としない開発・運用フロー」が本格化していることをヒシヒシと感じました。
タップルの共同発表
今回の発表は、LayerX の石田様、Datadog から PM の Shri と Eric の 2 名の合わせて 4 人で、「The AI Engineering Playbook: How to evaluate & Iterate at Every Phase of Development」というタイトルでした。タップルと LayerX がどのように Datadog の機能群を使いこなし、ユーザー向けの LLM を含むプロダクト機能の開発とリリースのサイクルを行っているか、という内容の発表を行いました。
タップルとしては、去年リリースした 2 つの LLM を用いた機能:AI メッセージアシストと、AI プロフィール生成の裏側に関して深堀りを行いました。具体的には、開発・デプロイ・改善のプロセスの各部分で、異なる Datadog の機能群を使い分け、安心安全な機能開発を行っていることをアピールしました。
機能としては、Feature Flags と LLM Observability という二機能を使用したプロセスを構築しています。
Feature Flags は、大規模マイクロサービス移行でも紹介した通り、タップルの機能段階的ロールアウトのプロセスを支える柱となっています。LLM を用いた 2 機能もこの機能を通して、内部 LLM の Usage などを加味しながら段階的にユーザー様に安心安全に機能提供をすることが出来ました。
LLM Observability は、LLM や AI エージェントとその周辺機能を統括的に監視できる機能です。簡単な統合で、プロンプトの確認、インジェクションリスクの検知、トークンから使用額の算出等、あらゆるかゆいところに手が届くすぐれものです。タップルでも AI 機能の初期リリースから導入しており、こちらもまた、ユーザー様に安心安全に機能提供をすることに貢献しています。
DASH の 3 ヶ月前には既に登壇の打診を頂いており、そこから発表のフレームワークを作成し、セリフなどの肉付けをしていき、デザイナーと連携しながらスライドを清書し、幾度ものリハーサルを重ね、前日には NYC の Datadog 本社での最終リハーサルも行いました。タップルのセクションは約 7 分ほどだったのですが、短い中でタップル自体の紹介、AI 機能の詳細、そして Datadog の製品をどのように用いて安全で堅牢な PDCA サイクルを回しているかなどを駆け足で紹介しました。
英語でプレゼンを行うのは約 5 年ぶりだったので、緊張も若干はありながら、セリフが暗唱出来るぐらいにはリハーサルを重ねさせていただいたので自信を持って発表できました。
発表動画はこちらから閲覧できますので、ぜひご覧ください。



部屋はおかげさまで満席で、立ち見もちらほら出るくらいには興味を持って頂けました。発表後には個人的に質問に来ていただいた方もいて、タップルならではのユースケースや Datadog 機能の概要などの共有が出来ました。
最後に
今回は個人的に初めての海外カンファレンスで参加自体に刺激がありつつも、登壇という機会を頂き貴重な体験をさせていただきました。
参加者としては、Datadog の新機能群、企業ブースでの SRE の枠に収まらないイノベーションとプロダクトの数々、なにより参加者全体の技術に対する高いエネルギーと熱意を感じられ、大変刺激になりました。
登壇者としては、なぜタップルで Feature Flag や Agent Observability の選定を行ったのかという内容はもちろん、これを各々のプロダクトに当てはめて PDCA を回すための Playbook 化というテーマだったため、拝聴頂けた皆様のために少しでもなれていれば幸いです。
カンファレンス以外でも、Datadog 本社オフィス訪問、スピーカーレセプション、Datadog Japan 主催のディナー等、沢山の人々と関われた濃密な 2 日間でした。今後も技術へのフットワークを軽く、最新情報と市況のキャッチから反映までをタイムリーに行える個人、そして組織でなければいけないという強い覚悟を持って帰国しました。
最後に、この場を借りて、参加前から現地まで様々なサポートをして頂いた Datadog Team の皆様に心よりお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。DASH で得た学びを、タップルを始めサイバーエージェントグループの様々な分野に還元していけるように、引き続き頑張っていこうと思います。

